「荼毘に付す」とは?意味や使い方をご紹介

「荼毘に付す」という言葉は、本を読む人なら見たことがあるのではないでしょうか。社会人の会話でもたまに使われますね。「荼毘」は仏教由来の言葉です。今回は「荼毘に付す」を紹介します。読み方や意味、使い方などを間違えやすい注意点を含めて説明していきます。

目次

  1. 「荼毘に付す」の読み方
  2. 「荼毘に付す」の意味
  3. 「荼毘に付す」の使い方
  4. 「荼毘に付す」の由来
  5. 「荼毘に付す」以外の葬儀

「荼毘に付す」の読み方

「荼毘に付す」は「だびにふす」と読みます。間違えそうですが、「ちゃびにふす」とは読みませんので気を付けましょう。

「荼毘に付す」の意味

「荼毘に付す」とは火葬にすることです。人が亡くなった後は通夜(つや)、葬儀、告別式といった流れが一般的です。そして、告別式の後に火葬場で遺体を燃やします。この遺体を燃やすことを、火葬=荼毘に付すと言います。

法律用語としての「火葬」は、あくまでも遺体を焼く段階のみを指します。その後の遺骨を墓や納骨堂に入れる段階では、埋蔵や収蔵など、また別の用語があります。

しかし、「荼毘に付す」は法律用語ではありません。そのため、火葬から遺骨を納めるまでの段階をまとめて「荼毘に付す」と呼ぶこともあります。

「荼毘に付す」の使い方

「荼毘に付す」は受動態の「荼毘に付され」という形でよく使われます。亡くなった人や遺体が主語の場合には「付された」や「付されて」と受け身にします。火葬場や遺族が主語の場合には「~を荼毘に付す」という形で用いましょう。

「荼毘」には「付す」以外にも「附す」や「する」が使われることもあります。意味はどれでも変わりません。

注意点

「荼毘に付す」は仏教用語です。そのため、神道やキリスト教など他宗教の信者を火葬にする場合には使いません。それらの宗派では、あくまでも「火葬にする」とします。

また、当然ながら火葬以外の方法で遺体を葬る場合にも「荼毘に付す」は使用できません。「葬る」や「埋葬する」など適切な言葉で言い換えましょう。

例文

  • 遺体を放置しては伝染病の元となるというので、客死した男の遺体を荼毘に付すことになった。
  • 台風に足止めされたこともあって、私がたどり着いたときにはもう友人は荼毘に付されてしまっていた。
  • 詳しい事情は分からないが、被害者の遺体はすでに荼毘に付されているらしい。

「荼毘に付す」の由来

「荼毘に付す」は仏教用語です。仏教用語にはパーリ語やサンスクリット語由来のものが多いのですが、「荼毘に付す」も例外ではありません。

「荼毘」は、パーリ語の「jhapeti」に由来すると言われています。「荼毘」という漢字に意味はなく、音だけを移した言葉です。「般若心経」と同じですね。

「jhapeti」は焼身や梵焼(ぼんしょう)と訳されます。梵焼は聞きなれない言葉ですが、お守りなどをお寺で焼くことを梵焼祭と呼ぶ例があります。

「荼毘に付す」以外の葬儀

土葬

「土葬」とは遺体を焼かずにそのまま土に埋めることです。現代の日本では火葬が中心ですが、一応土葬も法律上は可能とされています。また、キリスト教では死後に復活するという考え方をするため、欧米では比較的主流です。

「葬る」や「埋葬する」という場合には基本的には「土葬」のことを指します。お骨を埋めることは正確には「埋葬」ではありませんが、慣例的に埋葬と言われることもあります。

水葬

日本ではほとんど行われない様式ですが、「水葬」という葬儀方法もあります。海や川に遺体を流すという方法です。オセアニアの島国では死者の国は海の向こうにあると考えられていたため、このような方法がとられていました。

鳥葬

遺体をハゲタカなどの鳥に食べさせるという方法もあります。インドやチベット方面の「鳥葬(ちょうそう)」がそれです。ゾロアスター教やラマ教では大地を汚さない、魂を天に届けるという観点からこのような方法がとられます。

木の上や塔の上にさらすけれど、動物に食べさせない場合には「風葬(ふうそう)」という名前で呼ばれます。さらに別名で「曝葬(ばくそう)」とも。

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