「機運が高まる」の意味
「機運が高まる」とは、「物事を進めようとする時に、ちょうどよい時機や機会が到来する」という意味の慣用句です。
「機運」という二字熟語は、「機」と「運」から構成されています。
- 「機」:物事の起こるきっかけや物事のよい機会
- 「運」:めぐりあわせ。人の力ではどうしようもない作用
この二つの語が合わさると、「物事の起こるきっかけや物事のよい機会のめぐりあわせ」の意味をもつ二字熟語「機運」になります。さらに、「機運」に「高まる」のフレーズがつくことにより、最適の状態となっていることを表現しています。
「機運」と「気運」の違い
「機運」と同じ読み方をする「気運」という言葉があります。
- 「機運」:物事の起こるきっかけや物事のよい機会のめぐりあわせ。
- 「気運」:物事がある方向に進もうとする傾向。時のなりゆき。
この二つの言葉の違いは、物事を進める際の状況や世情などの進捗状態の差にあります。「機運」はまさに最適の時機や機会が到来している状態、「気運」はある方向に進もうとしている状態を表しています。また、「気運」は最適の状態に到達する途中であって、今後どのようになるのかは未定です。
「機運が高まる」の使い方
- 災害が続いたことによって、防災備蓄倉庫建設の機運が高まってきた。
- 交通事故の多発により、歩行者保護のガードレール設置の機運が高まってきた。
- 廃プラスチックによる海洋汚染防止の機運が高まる中、レジ袋の有料化が実施された。
- 待機児童の増加により、新たな保育園建設の機運が高まってきた。
- 投手の投球過多防止の機運が高まる中、投球制限が設けられた。
各種の対策などが実施されようとする際に、「機運が高まる」がよく使われます。「機運が高まる」ことが政策や対策などの実現に必要となっています。
「機運が高まる」の類義語
「機運が高まる」の類義語の四字熟語や慣用句は、いずれも共通して「物事を行うのに際して、よい機会であること」という意味です。意味は概ね同じであっても、次にご紹介するように、様々な表現があります。
四字熟語
- 好機到来:またとないよい機会がめぐってくること。
- 時刻到来:都合のよい時機がやってくること。
- 時機到来:よい機会がやってくること。
慣用句
- 機運が熟する:物事を行うのにちょうどよい時期になること。
- 機が熟す:物事を始めるのにちょうどよい時期になること。
- 時が来た:物事を行うのに適当な時点になること。
「機運が高まる」の英語表現
「機運」の英語表現には「勢い・機運」などの意味を持つ「momentum」を用いることができます。
- The momentum gun control is increasing.(銃規制への機運が高まっている。)
- Nature conservation movement is expected to gather momentum in the future.(自然保護運動の機運は高まると期待されている。)
また、「機会・好機」を表すopportunityや、「時・時機」という意味を持つtimeを使って、次のように表現することもできます。
- An opportunity matures.(機運が熟す。)
- The opportunity[time] is ripe.(機運が熟した。)
「機運が高まる」が使われた記事
政治
『ロイター』2019年5月
社会
『日経ビジネス』2018年7月
スポーツ
『日刊スポーツ』2019年7月
東京オリンピック・パラリンピック
「東京2020オリンピック・パラリンピックフラッグツアーファイルイベントにおいて」
『マイナビニュース』2019年4月
『スポーツ庁』2019年5月