「十把一絡げ」の読み方
「十把一絡げ」は「じっぱひとからげ」と読みます。「じゅっぱひとからげ」ではありませんので、間違えないように注意しましょう。
「十把一絡げ」の意味
意味1:ひとまとめにして扱う
「十把一絡げ」には区別や差別をせずにひとまとめにして扱うという意味があります。よく言えば差別やひいきなしに平等に扱っていると言えますし、悪く言えばジャンルや種類で分類するべきものを、一括りにして扱うということです。
品のないたとえですが、ごみの分別が分かりやすいでしょう。ルール上は燃やせるゴミや燃やせないゴミ、瓶や缶などの資源ごみといった具合に分別します。これらをごみというごちゃ混ぜになったまとまりで扱うと「十把一絡げ」と言えます。
意味2:価値の低いものとしてまとめる
「十把一絡げ」の意味はただ一括りに扱うというだけではありません。価値の低いものとしてまとめて扱うという意味でも使われます。
統計でいうその他と似ていますね。一つ一つ取り上げる価値もないのでまとめるというわけです。
少々失礼な例ですが、絵画や小説などのコンクールを取り上げてみましょう。審査員が「大賞以外の作品はレベルが低く、見るべきものはなかった。」と言ったらどうでしょう。
この場合は大賞以外の作品をすべてひとまとまりにして貶していますので、「十把一絡げ」と言えます。
「十把一絡げ」の由来
「十把」とは十束という意味です。「把」は稲や野菜、線香など棒状のものを数えるときの助数詞で、束が十あるので「十把」です。「一絡げ」は一括りと同じ意味で、括ることや束ねることを絡げるといいます。
稲穂が十束もあればそれぞれ大きさや長さ、太さなどに違いがあるはずです。しかし、そういったことを考慮せずにただ稲穂十束を一括りにして取り扱うことに由来します。
「十把一絡げ」の使い方
- 質より量が欲しいので、十把一絡げにまとめ買いする。
- 「最近の若いもんは」などと十把一絡げにされては困る。
- 一人一人違う個性があるから、十把一絡げに考えるべきではないでしょう。
「十把一絡げ」の類語
闇鍋
「闇鍋」とは様々な具材を鍋で煮て、暗いところで食べるという催しです。真っ暗なところで食べているので、実際に口にするまで何を食べることになるのかわからない不思議な鍋料理です。
暗いところで食べていれば闇鍋と呼べるのですが、現在ではいろいろなものが混ざっている料理という認識になっています。というのも、闇鍋は参加者がそれぞれ持ち寄った具材を入れていることが多いからです。
ほかの人が何を持ってきたのかも、取り合わせもわからない。ここから転じてジャンルを無視してひとまとめにするすることを「闇鍋」と読んでいます。
ないまぜ
「ないまぜ」は漢字では「綯い交ぜ」と書きます。「綯う」は糸や縄をより合わせることです。
本来は、いろいろな糸を材料にして一つの紐などを編んでいくという意味でしたが、そこから転じて、いろいろなものを混ぜ合わせる、性質の違うものを混ぜ合わせるといった意味になりました。
「虚と実をないまぜにする」や「嘘と本当をないまぜにした話」といった表現でよく使われますが、「綯い交ぜ」であって「無い混ぜ」ではありません。
一緒くた
いろいろなものをひとまとめにすることは、「一緒くた」ともいいます。違うものでも一緒にまとめてしまうということです。
「一緒くた」の「くた」とは何でしょうか?「くた」の由来は正確にはわかっていませんが、ごみという意味の「あくた(芥)」や乱雑な「くちゃくちゃ」、動詞の「降つ(くたつ)」や「腐す(くたす)」などの説が提唱されています。