「大目に見る」の意味
「大目に見る」は、失敗や欠点などを厳しく追及せず寛大に扱う、という意味です。
「大目」とは
「大目」とは、「大まか」という意味です。細かいことにこだわらず、大ざっぱに見積もることを言います。
また、そこから転じて、寛大な態度を取ることを表します。ちなみに、同じ「おおめ」でも「多目」という漢字を使うと、「砂糖を多目に入れる」のように、普通より少し多い、という意味になります。
「大目に見る」の用例
「大目に見る」は、芥川龍之介の『羅生門』の中に用例を見ることができます。
これは、死んだ女の髪を盗み取ろうとしていたところを、ある男にとがめられた老婆が言ったセリフです。死んだ女は自分がしたことをきっと「見逃してくれるだろう」「とがめずに許してくれるだろう」という意味で使われています。
「大目に見る」の例文と使い方
- うちのスーパーで万引き犯が捕まった。初犯だし、深く反省している様子が見られたので、今回は大目に見ることにした。
- 今日の試合のエラーは大目に見よう。だけど、次またエラーしたら、レギュラーから外すかもしれないよ。
- そんなに怒らないで。遅刻したって言っても三分だったよね。それくらい大目に見てくれよ。
「大目に見る」は、上の二つの例文のように、人の失敗を許したり、見逃したりする際に使われます。また一番下の例文のように、自分自身の失敗について、他の人に許しを請う際にも使われます。
「大目に見る」の類語
「大目に見る」の類語には「見逃す」があります。その他にもいくつかの類似表現をご紹介します。
- 【目こぼしをする】…とがめるべきところをわざと見逃して、問題にしたり責めたりしないこと
- 【見て見ぬふりをする】…実際は見ていたにも関わらず、みていなかったようにふるまうこと。厳しくとがめないで、見逃してやること。
- 【不問に付す】…取り立てて問いただしたりせず、とがめないでおくこと。
- 【目をつぶる】…過去や失敗を見なかったこと、知らなかったことにすること。
「大目」以外の「◯◯目」
「大目に見る」の「大目」と同じように、「〇〇目」という表現が含まれる慣用句がありますので、いくつか見てみましょう。
- 【わき目もふらず】他のことなど一切気にせず、自分のやっていることに集中しているさま(例:納期が明日に迫っているから、山田さん、今日はわき目もふらずに仕事をしているよ)
- 【空目(そらめ)を使う】気が付いているのに、関わりたくないなどの理由で気づかないふりをすること。(例:目の前にお年寄りが立っているのに、あいつは空目を使って席を譲ろうとしなかったんだよ)
- 【尻目にかける】ちらりと見るくらいで全く問題にせず、無視したりさげすんだ態度を取ること。(例:酔っぱらって大騒ぎする連中を尻目にかけ、彼は社長の挨拶が終わると同時にパーティー会場をあとにした)
「目」と「見る」が含まれる表現
- 【長い目で見る】よい結果や成果がでなくても現状だけでマイナスの判断をせず、気長に見守ること。
- 【白い目で見る】相手を蔑視したり、冷淡な目でみること。また憎しみのこもった目で見ること。
- 【日の目を見る】今まで隠れていた価値のあるものや人が、ようやく世に出て知られるようになること。