「得体の知れない」の意味や使い方
「得体の知れない(えたいのしれない)」とは、本当の姿や性質(得体)がわからないということから、正体がわからない、怪しい、うさんくさい、信用できないという意味です。「得体」は「為体」と書く場合もあります。
「得体の知れない」の例文
- 得体の知れない人物
- 得体の知れない本
- 得体の知れない恐怖
「得体の知れない」の語源
「得体の知れない」の「得体(えたい)」の語源として、「ていたらく(有様、様子)」という説があります。「ていたらく」は漢字で「為体」と書き、その音読である「イタイ」が「えたい」に転じたというものです。
「得体の知れない」の類語
「得体」は、「事情(じじょう)」「実態(じったい)「実情(じつじょう)」などに言い換えることができます。
ただ、「事情」が物事の状態やそうなったいきさつを言い、「実態」「実情」は広く言われていることや外見からうかがい知れることと、実際の様子が違う場合に使われることが多く、不気味で怪しいという「得体」の意味合いとは離れてしまうこともあります。
その他の「得体」の類語や、全体的に「得体の知れない」に近い意味合いとしては、以下のようなものがあります。
本質、本体
- 正体(しょうたい)
- 実体(じったい)
- 実質(じっしつ)
- 本質(ほんしつ)
- 本性(ほんしょう)
怪しい、正体がわからない
- 瓢箪鯰(ひょうたんなまず)
- 腹の底が知れない
- 腹が読めない
- つかみどころのない
- 不可解(ふかかい)
- 不可思議(ふかしぎ)
- 面妖(めんよう、めいよう)
- 伺い(うかがい)知れない
- 海のものとも山のものともつかぬ
複雑
- 複雑怪奇(ふくざつかいき)
- 奇々怪々(ききかいかい)
- 奇怪(きかい、きっかい)
「得体の知れない」の英語
「得体の知れない」の英語は、the real condition(実際の有様)の否定形、weird(幽霊を暗示させる)、ominous(不吉な)、uncanny(不可解な)、unearthly(この世のものでない)、a mystery(不思議な)、strange(奇妙な)があります。
【例文】
- 得体の知れない動物…a strange animal
- 得体の知れない人物…a suspicious-looking man
- 得体の知れない病気…a mysterious illness./an unidentified illness.
- 得体の知れない音…a weird sound
- そこは得体の知れないところだった…The place looked ominous.
- 得体の知れない叫び声…an unearthly shriek
- 得体の知れない男…a mystery man
- 得体の知れない事件が相次いだ…Strange things happened one after another.
- 得体の知れない風説…a bizarre rumor