「喉から手が出る」の意味
「喉から手が出る」とは「喉から手が出るほど欲しい」といったように使われ、「欲しくてたまらない」という感情をたとえて用いられています。例えば「喉から手が出るほど欲しい絵」と言えば、「絶対に欲しい」などという言葉では表現できないほど欲しい感情を表します。
「喉から手が出る」の由来
まず、「喉から手が出る」という言葉は、両手では足りなくて、のどからもう一本手を出したくなるような欲しい気持ちを指します。人間が、欲しいものが目の前にある時に出すのは手。ですから、喉から出るのは"手"なのです。
また、この言葉は飢餓で死にかけているときに何でもいいから食べ物が欲しいという感情をもとにしていると言われています。まず目の前に欲しいものがあるときに出るものは前記の通り"手"ですが、この場合手よりも先に口が出るような状況であるから、“喉”から手が出るのです。
「喉から手が出る」の使い方と例文
誤用例
「喉から手が出る」の誤用例として、「喉から手を出す」という表現が挙げられます。「喉から手が出る」は、"喉から自然と手が出てしまうくらいほしい"という比喩表現なので、能動的に「手を出す」という用い方は誤りです。
正しい例文
- あのチケットが喉から手が出るほど欲しい。
- 喉から手が出るほど欲しかったぬいぐるみを手に入れた。
ですから、たとえば「水」のような一見かんたんに入手できそうな対象に「喉から手が出る」という表現を用いる場合は、逆説的に何らかの事由により水の入手が困難な状況であることが示唆されるのです。
「喉から手が出る」の類語
「喉から手が出る」は強い欲求や願望を表現していますので、「渇望」や「垂涎」といったような言葉が類語に挙げられます。
渇望は「心から望むこと」という意味の熟語で、自分にとって絶対に必要だと思うものを求めるような場合に使用します。願望よりも欲求のニュアンスが強い言葉です。
垂涎は「手に入れたいと熱望すること」の意で、よだれを垂らして欲しがるさまを表しています。こちらは願望のニュアンスが強く、「喉から手が出る」にかなり類似した表現です。