「耳が痛い」とは?意味や使い方をご紹介

「耳が痛い」という慣用句の意味をご存知ですか?耳が痛いと言っても、もちろん中耳炎のことではありません。弱点をつかれた際に活躍する表現である「耳が痛い」。今回は「耳」にまつわる様々な言葉を解説しながら、その意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「耳が痛い」の意味
  2. 「耳が痛い」の使い方と例文
  3. 「耳が痛い」にまつわる言葉
  4. 「耳」をキーワードとする言葉
  5. まとめ

「耳が痛い」の意味

「耳が痛い」とは、「他人の言うことが自分の弱点をついているので聞くことがつらい」という意味の慣用句です。もちろん実際に耳が痛むわけではありません。「耳が痛い」は「聞くのがつらくて、まるで耳が痛みを感じるようだ」という誇張を伴った比喩表現なのです。

また弱点には「欠点」と「弱み」という2つの意味がありますが、「耳が痛い」における弱点は両者とも当てはまります。たとえば「寝坊癖を指摘されて耳が痛い」ならば欠点ですし、「以前したミスを持ち出されて耳が痛い」なら弱みをつかれたことになります。

「耳が痛い」の使い方と例文

「耳が痛い」は、他者から欠点を指摘されたり、苦言を呈された際に使用する表現です。ただし「聞くのがつらい」と感じる以上、その指摘や苦言が的外れであってはいけません。相手の発言が的を射ており、本人の自覚もあるからこそ「耳が痛い」と感じるのです。

  • 昨夜、親から説教をされた。いつものことだが、本当に耳が痛い。
  • これから、君に対して注意をする。耳が痛いと思うが我慢して聞いてくれ。
上記のように、「耳が痛い」は説教や注意を受けた際によく使用されます。

受け止め方により変わる表現

またたとえば、「今日は宝くじの当選発表の日なんだ」とウキウキしている夫に、「ふーん、毎年結婚記念日は忘れるくせに、そんなことだけは覚えてるのね」と妻が辛辣な一言を放った場合、夫としては「耳が痛いなぁ」という感想になるかもしれません。

なるかもしれない、というのは、結婚記念日を忘れることを夫がどう受け止めているかによって、表現が変わってくるからです。以下に列記してみましょう。

夫は「結婚記念日を忘れる」ことを…

  • 「まずいことだ・申し訳ない」…耳が痛い
  • 「またその話か」…耳にタコができる
  • 「うるさいな」…耳に障る
  • 「忘れたことあったっけ?」…耳を疑う
  • 「聞こえない、聞こえない」…耳を塞ぐ
  • 「なんとも思っていない」…聞く耳を持たない

「耳が痛い」にまつわる言葉

「耳が痛い」の類語に、「兎(うさぎ)の逆立ち」という言葉があります。長い耳をもっている兎が逆立ちをすると、耳が地面にあたって痛みますね。つまりこの言葉は、弱点をつかれて「耳が痛い」ことを“洒落て”表現しているのです。

「耳が痛い」の関連語

  • 図星を指す…相手の急所をつく。推察して正しく言い当てる。
  • 的を射る…的確に要点を捉える。
  • 正鵠を得る…急所を正確につく。

「耳が痛い」と逆の意味合いをもつ言葉

「耳を傾ける」は「相手の話を注意して聞く。熱心に聞く」という意味の慣用句です。自分に都合の悪いことを言われると耳が痛くなりますが、興味のあることなどは思わず耳を傾けてしまうものですね。

同じような意味合いで「耳を澄ます」「耳を貸す」という言葉もあります。対話の際に使用される「耳を傾ける」と違い、「耳を澄ます」の場合は虫の声や川の音といったものも対象となります。「耳を貸す」の場合は、自らすすんで聞くというニュアンスがなく、一時的に、あるいは善意から聞こうとする印象です。

「耳」をキーワードとする言葉

上記で紹介した以外にも、「耳」をキーワードとした言葉やフレーズはたくさんあります。

  • 耳が早い…うわさなどをすばやく聞きつける。早耳であること。
  • 耳に付く…音や声などが気にかかること。
  • 耳を揃える…お金などを不足なくとり揃えること。
  • 耳慣れる…何回も聞いて珍しくないこと。

まとめ

他人から言われた言葉によって、聞く側の受けとめ方は大きく変わってきます。「耳」を使った慣用句は、聞く側の心の変化を「耳」の表現で的確かつ巧みに表現しています。「耳が痛い」話も「耳を傾ける」ようにしたいものですね。

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