「藁にもすがる」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「藁にもすがる」という言い回しをご存知でしょうか。切羽詰まっているとき、「藁にもすがる思いで」という形で使われます。ここでは「藁にもすがる」の意味や使い方を、「藁にもすがる思い」も含めて、順々に紹介していきます。

目次

  1. 「藁にもすがる」の読み方
  2. 「藁にもすがる」の意味
  3. 「藁にもすがる」の使い方
  4. 「藁にもすがる」に関わることわざ
  5. 「藁にもすがる」に関連する表現

「藁にもすがる」の読み方

「藁にもすがる」は、「わらにもすがる」と読みます。「すがる」に関しては、「縋る」と漢字でも表記されます。どちらかと言えば「藁にも縋る」と、漢字で表記されることが多いかもしれません。

「藁にもすがる」の意味

まず「藁」とは、稲や麦の茎を干したものです。「藁」は細く、折ろうと思えばすぐに折れたり、ちぎれたりします。「藁にもすがる」においての「藁」には比喩的な意味があり、そういったすぐに折れる、引いては弱々しい、頼りないものを表してします。

一方の「すがる」は、頼りになるものを掴む、当てにするなどの意味を持っています。そして「藁にもすがる」は、窮地に陥ったときには、どんな頼りにならないものでも当てにする、といった意味の言い回しです。

「藁にもすがる」の使い方

「藁にもすがる」は切羽詰まったとき、ピンチに陥ったときに、普段は頼りにならないものを当てにすることを指して使われます。また、そういう様子に使われます。

追い詰められて「誰でもいい、何でもいいから助けてくれ!」といった場面は、どんなものでも頼りにするという意味で、まさに「藁にもすがる状態」です。

もしくは窮地の中、何でも頼りそうな人を見て、「今の彼は藁にもすがりそうだ」と若干ながら変化した言い回しでも使われます。

「藁にもすがる思い」

「藁にもすがる」は、「思い」と組み合わせてもよく使われています。「藁にもすがる思い」の場合、藁にもすがる状況にある自分の気持ちを表します。そしてこの言葉は「普段は頼りにならない」のニュアンスが弱めで、「頼る、当てにする」のニュアンスが強めです。

たとえば夜中に体調を崩し、いくつか病院を回った末、やっと夜間の診察が行われているところを見つけたとします。そういった状況で「他では診て貰えず、ここへは藁にもすがる思いで訪れました」などとして使われます。

これは「どんなものでも頼りにしたい気持ちの中、訪れました」というニュアンスです。厳密な意味のうえでは失礼に当たるかもしれませんが、必死な心情が伝わります。他には「思い」の部分を言い換え、「藁にもすがる心境」などの形で使われたりもします。

「藁にもすがる」に関わることわざ

「藁にもすがる」に関わることわざとしては、「溺れる者は藁をも掴む」が挙げられます。

「溺れる者は藁をも掴む」

この言葉の「藁をも掴む」は、「藁にもすがる」の変化であり、意味はほぼ同じです。「溺れる者は藁をも掴む」とは、藁を掴もうと助かるはずもないが、溺れている人はそれでも掴むという意味です。

転じて人は万策が尽きたとき、普段は頼りにならないものにでも必死にすがり、助かろうとすることを表します。「藁にもすがる」におけるピンチを、溺れることに例えているわけですね。

たとえば藁にもすがりそうな人を指して、「あれはまさに溺れる者は藁をも掴む、といった様子だな」などと表現できます。

ちなみに「藁にもすがる」と「溺れる者は藁をも掴む」を混同し、「藁をもすがる」とする場合がありますが、これは間違いなので、注意が必要です。

「藁にもすがる」に関連する表現

「藁にもすがる」に関連する表現としては、「袂にすがる」や「一縷の望み」などが挙げられます。

「袂にすがる」

「袂(たもと)」とは、和服の袖の下、袋っぽくなっているところのことです。そして「袂にすがる」とは、人の袂を掴んで、願いを聞いて貰うまで離そうとしないことを表します。そこから転じて、他人の同情を誘い、助けを求めることを意味します。

「一縷の望み」

「一縷(いちる)」とは、一本の糸のように細いもの、微かという意味です。そして「一縷の望み」とは、ごく僅かな望みを表します。ピンチに陥り、それこそ「藁にすがる」しかない状況では、藁が「一縷の望み」と言えるかもしれません。

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