揚げ足を取るとは?揚げ足を取るの意味
相手の言葉の細かいミスや失言を捉えて、からかったり責めたりすること
揚げ足を取るの説明
「揚げ足を取る」とは、相手が不用意に発した言葉やちょっとした言い間違いを巧妙に捉え、それをネタにからかったり非難したりする行為を指します。もともと「揚げ足」とは柔道や相撲で相手が技をかけようと上げた足のことで、その足を取って逆に勝つ様子から転じた表現です。日常会話では、相手が言った「今日は疲れたから」という言葉に対し、「いつもじゃないの?」と返すような場面が典型的な例です。この表現は批判的なニュアンスが強く、人間関係をぎくしゃくさせる要因にもなり得るため、使い方には注意が必要です。
揚げ足を取る行為は、時に会話を面白くするスパイスにもなりますが、度が過ぎると相手を不快にさせてしまいますね。コミュニケーションのバランスが大切です。
揚げ足を取るの由来・語源
「揚げ足を取る」の語源は、相撲や柔道などの格闘技に由来します。相手が技をかけようと足を上げた瞬間、その隙をついて逆にその足を取って倒す様子から生まれた表現です。この「揚げ足」とは、文字通り「上げた足」を指し、相手の隙や弱点を巧みにつく行為を意味するようになりました。江戸時代頃から使われ始めたとされ、当初は文字通り格闘技の技術を表していましたが、次第に言葉のやり取りにおいて相手の言い間違いや失言をつく比喩表現として広まりました。
揚げ足取りも使いようで、会話にスパイスを加える調味料になり得ますね。ほどほどが肝心です。
揚げ足を取るの豆知識
面白いことに、「揚げ足を取る」と間違えられやすい「足をすくう」は全く別の由来を持ちます。「足をすくう」は、実際に足元を払って倒す物理的な行為から来ています。また、海外にも同様の表現があり、英語では「nitpick」(細かいことをあら探しする)や「catch someone out」(言い間違いで捕まえる)といった表現が使われます。さらに、インターネット上では「揚げ足取り」が省略されて「揚取り」と呼ばれることもあり、SNS時代ならではの進化も見られます。
揚げ足を取るのエピソード・逸話
政治家の田中角栄元首相は、有名な「言葉の戦略家」でした。ある時、野党議員から「先ほどの発言は矛盾しています」と揚げ足を取られそうになった際、即座に「矛盾などない。それは多角的な視点だ」と返し、逆に質問者をやり込めたというエピソードがあります。また、タレントの明石家さんまさんは、共演者の細かい言い間違いを的確に捉えて笑いに変える達人として知られ、これは「建設的な揚げ足取り」の好例と言えるでしょう。
揚げ足を取るの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「揚げ足を取る」はメタ言語的表現の一種です。これは、言葉そのものについて語る言葉(メタ言語)を使用して、会話の内容ではなく会話の形式に注目する行為です。認知言語学的には、この表現は「戦闘メタファー」の典型例で、会話を戦いやゲームに見立てています。また、語用論的観点からは、グライスの協調の原理における「質の公理」に違反する行為を指摘する際に使われることが多く、コミュニケーションにおける規範意識の表れと言えます。
揚げ足を取るの例文
- 1 会議で「この件は前向きに検討します」と言ったら、上司に「前向きって具体的にいつまでに?」と揚げ足を取られて、思わず固まってしまった。
- 2 友達に「最近、ダイエットしてるんだ」と話したら、「でも昨日、ケーキ食べてたよね?」と揚げ足を取られて、言い返せなくなる。
- 3 「疲れたから今日は早く帰るね」と言ったら、同僚に「いつも定時で帰ってるじゃん」と揚げ足を取られて、モヤモヤした気分になる。
- 4 SNSで「読書の秋だから頑張る」と投稿したら、友人に「春も夏も同じこと言ってなかった?」と揚げ足を取られて苦笑い。
- 5 「この仕事、明日までに終わらせます」と宣言したら、「明日の何時まで?」と細かく揚げ足を取られて、プレッシャーが倍増する。
「揚げ足を取る」の適切な使い分けと注意点
「揚げ足を取る」は、相手の小さなミスや言い間違いを捉えて非難するネガティブな行為を指しますが、状況によっては建設的な指摘との線引きが難しい場合があります。重要なのは、その行為の「意図」と「効果」を見極めることです。
- 避けるべき場面:初対面の相手や目上の人に対して、公の場での会議中、相手が傷つきやすい状況にある時
- 許容される場合:親しい間柄での軽いジョークとして、お互いの成長を目的としたフィードバック
- 注意点:揚げ足を取りたくなる気持ちを自覚し、それが単なる自己満足ではないか振り返ることが大切
関連用語との比較表
| 用語 | 意味 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 揚げ足を取る | 相手の小さなミスを捉えて非難する | ネガティブ・攻撃的 |
| 指摘する | 間違いを正しく導く | 建設的・教育的 |
| ツッコミを入れる | 軽いノリで間違いを面白おかしく指摘 | 友好的・娯楽的 |
| あら探しをする | 意図的に欠点を見つけ出す | 批判的・執拗 |
歴史的な背景と文化的側面
「揚げ足を取る」という表現は、江戸時代の町人文化の中で発展しました。当時、言葉遊びや機知に富んだ会話が重視され、特に落語や狂言の中で、言葉の駆け引きとして「揚げ足取り」が笑いの要素として活用されていました。
「言葉の揚げ足取りは、知恵比べとして楽しまれる一方で、度が過ぎれば人間関係を損なう諸刃の剣である」
— 江戸ことば研究家
現代ではSNSの普及により、公の場で気軽に他人の揚げ足を取る行為が増加し、新たな社会的課題となっています。
よくある質問(FAQ)
「揚げ足を取る」と「指摘する」の違いは何ですか?
「指摘する」が相手の間違いを正す建設的な行為であるのに対し、「揚げ足を取る」は相手の小さなミスや言い間違いをわざと捉えて、からかったり非難したりするネガティブな行為です。目的が「改善」か「攻撃」かの違いと言えるでしょう。
揚げ足を取る人への対処法はありますか?
「ご指摘ありがとうございます」と一度受け流したり、「本題に戻りましょう」と話を戻すのが効果的です。感情的にならず、冷静に対応することで、相手も揚げ足を取りにくくなります。
揚げ足を取る心理的背景は何ですか?
優越感を得たい、自分に注目を集めたい、あるいは自分自身に自信がなく他人の欠点を指摘することで安心したい、といった心理が働いている場合が多いです。コミュニケーション能力の未熟さも一因と言えるでしょう。
ビジネスシーンで揚げ足を取られないためには?
発言前に一度考え、曖昧な表現を避けて具体的に話すことが大切です。「〜かもしれません」ではなく「〜です」と断言せず、余地を残した言い回しを心がけると良いでしょう。
揚げ足を取る行為は人間関係にどのような影響を与えますか?
信頼関係の悪化やコミュニケーションの減少を招きます。揚げ足を取られることを恐れて、本音を話せなくなる人も多く、組織やグループの雰囲気を悪化させる要因となります。