「弓を引く」とは?意味や使い方をご紹介

「私は会社に弓を引くようなことはできない」といったフレーズを聴いたことはありませんか。なぜ、会社についての話題に武具の名前が登場するのか、不思議に思う人もいるでしょう。今回は、「弓を引く」の意味や使い方を類語も含めて紹介します。

目次

  1. 「弓を引く」とは
  2. 「弓を引く」の使い方
  3. 「弓を引く」の類語
  4. 「弓」の意味
  5. 「弓」を使った慣用句

「弓を引く」とは

「弓を引く」には次のような意味があります。

  1. 弓に矢をあてがって射る
  2. 反抗する。敵対する
  3. 悪霊などを追い払うまじないとして弦を引いて鳴らす

もともとの意味は1で、転じて2の意味が生まれました。よく用いられるのは2の意味で、たとえば、「権力に逆らう」「目上の人に刃向かう」などのシーンで使います。意味3は儀式的な動作です。

ここでは、2の意味の「弓を引く」について見ていきましょう。

「弓を引く」の使い方

  • ライバルチームへの移籍は恩師に弓を引くことになる。
  • 入社以来面倒をみていた部下から弓を引かれた
  • 戦国時代は下剋上が常だったので、家臣が弓を引くことも珍しくなかった。

「弓を引く」の類語

「反旗を翻す」

「反旗を翻す」(はんきをひるがえす)とは、「反逆する・背く」という意味です。「反旗」は謀反(むほん:為政者や君主への反逆)を表明するための旗のことで、「叛旗」とも書きます。

それが風になびいているさまから生まれた比喩表現が「叛旗を翻す」です。反抗するというところが「弓を引く」に似ています。

[例文]

  • 家臣は敵にそそのかされて、ついに主君へ反旗を翻した
  • 彼は友人の選挙地盤に反旗を翻して立候補の決断をした。

「盾突く/楯突く」

「盾突く/楯突く」(たてつく)とは、「地位が上の者や力のある者に反抗する・逆らう」ことです。「盾」は弓や刀などによる攻撃を防ぐ道具です。それを地面に突き立てて防御するさまが反抗の例えとされています。

[例文]

  • その兵士は上官に盾を突いたため独房送りとなった。
  • 兄は父親に盾を突いて家出してしまった。

「蜂起」

「蜂起」とは、「大勢が暴動や反乱を一気に起こすこと」です。字句の通り、「蜂」が一斉に巣箱から飛び立つさまを例えとしています。「弓を引く」には人数に関する含みはありませんが、反乱という点では「弓を引く」に類する言葉といえます。

[例文]

  • 王様の圧政に苦しむ住民がついに蜂起をしました。
  • 蜂起の影響はここ数日間で一気に広まりました。

「一揆」

「一揆」とは、「中世に、農民や信徒が団結して起こした反乱や暴動」のことです。江戸時代の領主の悪政や重い年貢に集団で反抗した百姓一揆は有名ですね。「一揆」には、ほかに「一致団結」という意味もあります。

「弓を引く」には時代は関係ありませんし、動作主が農民や信徒とは限りません。しかし、上位の者に対する反抗という点においては「弓を引く」も「一揆」も似ています。

[例文]

  • あまりの悪政に対して領民は一揆を起こすことを決意した。
  • 領主は一揆が起きないように領地を治めなくてはならない。

「弓」の意味

「弓」にはいろいろな意味がありますが、主なものは次のとおりです。「弓を引く」の「弓」は1の意味です。

  1. 刀や槍などとならぶ武器のひとつであること。
  2. 武器として矢を射ること。
  3. 曲がった形のものをいうこと。
  4. バイオリンなどの弦楽器の弦をこすって音を出す道具。

次に、この「弓」を使った慣用表現について見ていきましょう。

「弓」を使った慣用句

【弓と弦】(ゆみとつる)
弓と弦の形状から、曲がったものとまっすぐなものを表しています。また、回り道や近道の例えとしても用いられる言葉です。

【弓を外す】
武装を解除するという意味です。弓から弦を外して、弓を使えなくすることに由来します。

【弓折れ矢尽きる】(ゆみおれやつきる)
戦いで大敗を喫すること、または、力が尽きてなすすべがなくなってしまうことの例えです。「刀折れ矢尽きる」とも言います。

【弓は袋に太刀は鞘】
武具がしまわれていることから、世の中が争いもなく平和であるという例えです。

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