「やたらめったら」とは?意味や使い方をご紹介

「やたらめったら」という言葉を、日ごろ何気なく使っている方も多いかもしれません。しかし、いったいなぜ「やたら」「めったら」のような言い回しをするのかまではご存知ない方も多いことでしょう。ここでは、「やたらめったら」の意味や使い方を類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「やたらめったら」とは?
  2. 「やたらめったら」の使い方
  3. 「やたらめったら」の類語

「やたらめったら」とは?

「やたらめったら」とは、「秩序・統制・節度を失うほどの高い頻度(ひんど)、量や程度などがとても多いこと」を意味する言葉です。

元々は「めったやたら」(滅多矢鱈)という言葉でしたが、これをもじって前後を入れ替えたものが「やたらめったら」です。「めったら(めたら)」という語彙は日本語にはありませんが、もじった際に「めった」が変形した形と捉えましょう。

「やたら」とは

「やたら」は、「やたらに寒い」「やたらと忙しい」などのように、「秩序を乱してむやみに」「わけもなく」「無作法に」という意味の言葉です。「矢鱈」と書く場合もありますが、これは当て字であり意味はありません。

特に、形容詞や動作の前に置かれて、それが「秩序や節度が感じられないほどの頻度や量である」という意味で使われることが多く、「やたらめったら」の場合も同様です。

「めった」とは

「めった」とは、「分別のないさま」「むやみやたらなさま」「むちゃくちゃ」という意味の言葉です。「滅多打ち」「めったなことを言うな」などの言葉で知られていますね。(「滅多」も当て字であり意味はありません)

また、「めったにない」など下に打ち消しの語を伴う場合には、「ほとんど(ない)」「まれにしか(ない)」という意味でも使われます。

「やたらめったら」の「めった」は、「滅多打ち」と同様、「むやみ」「むちゃくちゃ」の意味です。「やたら」と「めった」、似た意味の言葉が2つ合成されて「やたらめったら」になっていることがわかりますね。

「やたらめったら」の使い方

「やたらめったら」は、何らかの「頻度・量・程度」について、それが秩序が感じられないほど多いさまを指して使います。何らかの様子を強めて言う意図でも使われますが、無秩序ゆえに「混乱」や「非常識」、「分別のなさ」のニュアンスを伴うこともあります。

それゆえ、「やたらめったら」何かをする様子は、手放しで褒められるものではありません。しかし、「何もしないよりはよい」「積極的でよい」「意外な成果をもたらす」というポジティブな文脈で使うこともできます。

なお、漢字表記はありません。(元は「滅多矢鱈」でしたが、当て字の上に語形が変わっているため)

例文

  • 会議中、彼がやたらめったらに質問や意見を挟んでくるものだから、つい「説明を最後まで聞いてくれ」と声を荒げてしまった。
  • 隣の家は夜通しパーティを開いていた。やたらめったら騒ぐので眠れず、警察に電話を入れた。
  • 若いころは、どんなものが読者に受けるかわからなかったので、とにかく量をこなそうと思ってやたらめったら漫画を描いていた。
  • やたらめったら彼女への愛の言葉をつぶやいていたら、意外にも以前よりも好感度が上がった。

「やたらめったら」の類語

無暗

「無暗」(むやみ)という言葉には、次の2つの意味があります。

  1. 前後を考えないさま。理非を分別しないさま。
  2. 度を超すさま。

この両方の意味が、「やたらめったら」に通じています。「むやみやたら」(無暗矢鱈)という言葉もあります。

【例文】
  • 先が見通せないときは、無暗に進むべきではない。
  • 若いころは、健康も顧みず無暗に働いていた。

箆棒

「箆棒」(べらぼう)とは、「異常なさま」「はなはだしくて、信じがたいさま」という意味の言葉です。少々俗語的な言葉ですが、秩序を失うほどの量や程度というニュアンスが「やたらめったら」とよく似ています。

なお、人を罵って言う言葉(ばか、たわけなどの意味)として「箆棒め」使われることもありますので、その点のみご注意ください。

【例文】

  • 今年の冬はべらぼうに寒い。
  • 私の友人は、べらぼうに運動ができた。

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