「見る限り」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「見る限り」とは、何かについての説明をする際に、その根拠となる情報を自身の目で見た場合に使える表現です。とはいえ、少々曖昧な感じがするのは、「限り」という言葉に起因するかもしれませんね。今回は「見る限り」の意味と使い方を類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「見る限り」とは?
  2. 「見る限り」の使い方
  3. 「見る限り」の類語
  4. 「見た感じ」の意味と使い方

「見る限り」とは?

「見る限り」は、(みるかぎり)と読みます。「見る」は、ごく一般的な意味での「目で見る」ことです。「見る限り」を正確に理解するために、まず「限り」という言葉を調べていきましょう。

「限り」は、きわめて多義的な言葉ですので、「見る限り」で使われる意味に焦点をしぼって解説します。「限り」は、動詞のあとに「~限り」と付くことで「~の範囲のすべてで」と副詞的な働きをします。

したがって、「見る限り」は、「自分の目で見た範囲において」という意味をもつ言い回しです。

「見る限り」と「見た限り」

「見る限り」と同じくらいの割合で、「見た限り」という言い回しも使われています。意味はまったく同じです。

「見る」は現在時制、「見た」は過去時制ですが、使う際に時制にとらわれる必要はありません。たとえば、過去の回想に、「あの時、~を見る限りでは~だった」でも「あの時~を見た限りでは~だった」でも同じ意味となります。

現在、目の前で起こっていることについても、「いま、~を見る限り~のようだ」でも、「いま、~を見た限り~のようだ」でも同様です。

いうなれば、「見る限り」は情報の提示に用いられる表現であり、「見る」行為はすでに完了しているからこその「限り」。その意味で現在時制の「見る」にも過去形の要素が入っていると考えることができます。

「見る限り」の使い方

基本的には、「見る限り」の前に、実際に目で見たものを置きます。まれに、前の文や会話に登場する光景や物などを受けて、「見る限りでは」と、この言い回しだけで始めることもあります。

もしくは、「私が見る限り」のように、自分を表す主語からはじめ、「~は~のようだ」と続けるケースもあります。ここで「私」が見ているのは、あとに続く「~は」の状況などのことを指します。

また、時には、ものごとの傾向や推移など、物理的な「物」ではなく、全体的な状況のことを「見る」として、「知る」に近い意味で表現することもあります

使う際には、「限り」のニュアンスも意識しておきたいものです。自分が見た範囲では、という限定条件を示している言葉なので、見た以外の状況などがほかではあるかもしれない、という含みがあります。

「見る限り」の文例

  • あの男の顔相を見る限り、万引きをする人間だとはとても思えない。
  • ずいぶん人が集まってきたな。見る限りでは、今チラシを配れば効率がいいよ。
  • 私が見る限り、彼の疲れはピークにあるようだ。
  • 中古マンションの販売価格の全体的な下落を見る限り、この部屋を手放すのは得策と思えない。
  • この店での店頭販売を見る限りは大ヒットといえるのだが、全店舗のデータなしにはわからない。

「見る限り」の類語

「見るところ」の意味と使い方

「見るところ」は、見たようすでは、外見からは、という意味の言葉です。「見た限り」に比べると、実際に目にしたもの、というところに重点が置かれています。

また、「見る限り」と同様に、「見るところ」でも「見たところ」でも同じ意味として用いられます。

文例:私が見るところ、今の鈴木君のコンディションなら、レギュラーメンバーとして試合に復帰させてもいいと思う。

「見た感じ」の意味と使い方

「見た感じ」は、見た外見上のところでは、という意味の言い回しです。「見る限り」「見るところ」とは異なり、現在時制の「見る感じ」を用いる頻度は少なく、一般的には「見た感じ」が使われています。

「見る限り」「見るところ」と同様に、対象の状態、性質、状況などを見て、説明をする際の情報として提示する言葉です。ただ、若干違うところとしては、「見た感じ」には、(自分の感じたところでは)という、主観的なニュアンスがやや強くなります。

文例:お泊り会の子どもたちの様子を見た感じでは、楽しんでいるのではないかと思える。

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