「色めき立つ」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「色めき立つ」という言葉をご存知でしょうか。「色」「めき」「立つ」から成る言葉です。誰しも一度は「色めき立った」経験があるかもしれませんね。複数の意味がある言葉ですので、この機会に覚えておきましょう。ここでは、「色めき立つ」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「色めき立つ」とは?
  2. 「色めき立つ」の使い方
  3. 「色めき立つ」の類語

「色めき立つ」とは?

「色めき立つ」(いろめきたつ)とは、「色が目に見えてはっきりするさま」から転じて「異性に対し関心があるかのようにふるまう」「興奮・緊張した様子が表れる」という意味を持つ言葉です。

まず「色」という言葉があり、「めき」「立つ」でそれを強調している言葉です。三つに分解して順に意味を解説していきましょう。

「色」

「色」はいくつもの意味を持つ言葉ですが、「色めき立つ」と言う場合は以下の三つの意味を押さえておきましょう。

  1. 感覚的・色彩的な「色」(例:赤い色)
  2. 美・愛情・性欲などの「色」(例:色欲、容色)
  3. 気配・調子・兆しなどの「色」(例:秋の色が深まる、敗色濃厚)

「めき」

「めき」(原型:「めく」)は、名詞などについて五段活用の動詞を作る接尾辞であり、「特にそう見える」「そういう感じがはっきりする」という意味の言葉です。

「色めく」という場合は、上記に示した意味の「色」がはっきりするという意味であることがわかりますね。「時めく」「あわてふためく」なども同じ「めく」です。

「立つ」

「色めき立つ」の「立つ」は、「物事がはっきり表れる」という強調の文句、あるいは「作用が激しくなる」という意味で機能しています。

何事かの「色」がぱっと目の前に立つように現れるさま、激しく作用するさま、と考えてよいでしょう。

「色めき立つ」の使い方

「色めき立つ」を使うにあたっては、大雑把に以下の三通りの使い道があります。(前項の「色」についてもご参照ください。番号が対応しています)

  1. 色彩が豊かになる
  2. 異性への関心が高まる
  3. 興奮・緊張などが表出する(動揺する、浮き足立つ)

このうち、「色彩」そのものに関する1の使い方は今日ではあまり見られません。大抵の場合は2や3の意味で使われます。

いずれの場合でも、何らかの稀有な出来事が起こったために「にわかに」「急に」など突然や不意のニュアンスで「色めき立つ」と使うのがポイントです。

例文

  • 転校生が美少女だと聞いたクラスの男子たちは色めき立った
  • 有名なイケメン俳優が店を訪れたとき、女性客だけではなく女性店員までもが色めき立った
  • 政府の驚くべき会見内容に、記者たちは色めき立って本社へ連絡を入れた。
  • 姿の見えない殺人鬼のうわさが広がるにつれ、街は色めき立った

「色めき立つ」の類語

「染まる」「染め上げる」

「染まる」や「染め上げる」は、もとは「色がしみこむ、色がつく」という意味ですが、「色」に関係することからもわかる通り、何かに「影響される」「感化される」という意味も持っています。

何らかの「色」(興奮など)の勢いが増した結果、「その色(のもの)に染まる」と考えると、「色めき立つ」に近い言葉であると言えるでしょう。

【例文】

  • 友人に釣りに連れていかれた彼は、最初の1回ですっかりその面白さに染まってしまった。
  • 信じていた親友の裏切りは、彼の魂を復讐の色に染め上げた。

「盛り上がる」

「盛り上がる」という言葉には、物理的に「盛ったように高くなる」という意味のほかに、「気勢(勢い、元気など)が盛んになる」という意味も含まれています。

特に「盛り上がる」には「内部から高まる」というニュアンスがあるため、何事かにまつわる関心や興奮が高まると言いたい場合に適しており、その点が「色めき立つ」と似通っています。

ただし、「色めき立つ」とは違って「盛り上がる」は基本的にはポジティブなニュアンスで使う点に注意しましょう。不安による緊張や動揺などの心情について「盛り上がる」と言うことはありません。

【例文】

  • 初対面の彼女が自分と同じ趣味を持っていると判明してから、話は多いに盛り上がった。
  • 彼女が自分に気があると勘違いした男は、ひとりで盛り上がっていた。

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