「よきにはからえ」の意味
「よきにはからえ」(良きに計らえ)とは、「(あなたの)良いように処理しなさい」という意味の言い回しです。
俗に「侍(さむらい)言葉」と呼ばれるような古風な表現であり、現代では、わざと古めかしさ・仰々しさを演出するような場合を除いてはほとんど使われていません。
現代風に言えば、「ぜんぶお前に任せる」「好きにしていい」といった言葉で置き換えることができます。
「よきにはからえ」の使い方
基本的に「上から目線」
「よきにはからえ」は、何らかの相談事や要請事項について、「自分ではいちいち詳細を指示しないので、そちらでうまくやってくれ」という意味合いで使います。
基本的には何らかの判断を行う立場にある人間(主君など)が部下(家来など)に対して放つ言葉であり、いわゆる「上から目線」の言い回しであることに注意が必要です。
ただし、その点を踏まえて、対等な友達同士などで冗談めかして「よきにはからえ」と使うことで、笑いを誘うこともできるでしょう。
「無責任」という側面も
「よきにはからえ」という言い回しについては、「無責任」(および無知・無能)というイメージも色濃い点に注意しましょう。
なぜなら、「相手の裁量に任せる」といえば聞こえはいいですが、「自分では判断したくない・できない」「面倒」「責任を取りたくない」などの理由で判断放棄する、相手に投げっぱなしにする、という形で使われるケースも大変多いからです。
上記の「上から目線」の性質と合わせて、現代では、おどけた、一種の滑稽なジョークとして運用する例がほとんどでしょう。
例文①
(部下)
部長!〇〇の件なんですが、顧客から苦情が来ています。どのように処理したらよいでしょうか?
(部長)
よきにはからえ。(責任放棄)
例文②
(少女A)
ジュース買ってくるけど、何がいい?
(少女B)
よきにはからえ~。(何でもいいから任せるよ)
「よきにはからえ」を英語で
「よきにはからえ」を英語で言いたい場合、古風な感じを出すのは少々難しいため、以下のように「お前に任せる」「適当にやっておけ」といった意味の表現を用いましょう。
- I will leave it up you(それはお前に任せる)
- take care of it(それのケアをしておけ)
- fix it up(修理[整理]しておいて)
- Do it properly(適当[適切]にやれ)
日本語同様、基本的には「指示」の形ですので、目下の人間に対して使うという点を踏まえておきましょう。