「分が悪い」の意味
「分が悪い」(ぶがわるい)の意味は、「形勢が悪く、不利である」ことです。「分」は、両者の優劣の具合のことです。「悪い」と付くので劣勢であることが分かります。
「歩が悪い」と表記する場合もあります。「歩」にも「分」と同様の意味がありますが、この場合は「利率や歩合」が悪いという意味で、主に金融関係で使われています。
「分が悪い」の使い方と例文
「分が悪い」を「勝負事で負けそう」という場合と「揉め事で一方が悪い状況」の2つの場面に分けて使い方と例文の紹介をします。どちらも片方が圧倒的に弱く不利な状態を表しています。
勝負事で負けそう
「分が悪い」は、ゲームや試合、スポーツなどの競技で両者が対戦している場合に、片一方の勢いが無く負けそうな雰囲気になっている時に使われます。また、一方的に弱い場合にも用います。実力が伯仲しているような勝負にはあまり使われないでしょう。
【例文】
- 相手は評判の強豪校、うちの弱小チームは分が悪い。
- オンラインゲームで強い相手と戦い、後手に回って分が悪かった。
悪い状況に陥る
けんかや揉め事などがあって話し合いをする際に、一方的に不利で悪い状況に陥ることがあります。相手に譲歩したり、条件を飲まなくてはいけなかったりすることもあるでしょう。
トラブルの原因になった側や、スキがあってつけ込まれた事情がある方が、不利な状態になりやすいです。このような状況を「分が悪い」と表現できます。
【例文】
- 夫の不倫が原因で離婚話に発展したので、夫の方が分が悪い。
- あなたの方が分が悪いでしょう。相手を挑発して刃傷沙汰になったんだから。
「分が悪い」の類語
旗色が悪い
「旗色が悪い」(はたいろがわるい)は、情勢などの局面が悪く負けてしまいそうなことを言います。「旗」は軍旗、「色」は様子を指します。昔は、軍旗の様子を見て、戦の勝ち負けを予想し、軍旗があちこちに走り回ったり、数が減ってくると負けを予測できたようです。
「分が悪い」のように競技や試合、ゲームの成り行き、ちょっとしたトラブルで負けそうという時にも使えますが、戦争や紛争などの大きな争いにも用いられます。
【例文】
- 夫婦喧嘩をすると、口数の少ない方が旗色が悪くなる。
- アウェーの試合はファンが少ないので旗色が悪い。
風向きが悪い
「風向きが悪い」は、風が一方から流れて来ることから、情勢が自分に有利にならない、形勢が不利で悪い局面になってきている状況を指します。また、「分が悪い」にはあてはまりませんが、人の機嫌が悪いという意味もあります。
【例文】
- 過去の言い争いの話が蒸し返されて、こちらへの風向きが悪くなってきた。
- ポーカーで良い手が組めず、今日は風向きが悪いな。