「引けを取らない」の意味
「引けを取らない」は「(もう一方と比較して)劣らない・互角である」という意味を持ちます。もとは「劣っている・遅れをとる」といった意味の「引けを取る」であり、その否定形が「引けを取らない」です。
「引けを取らない」は主に対象を肯定的に捉えることが前提にあり、「AはBに引けを取らない程素晴らしい」と使い、「AはBに引けを取らない程ひどい」とは基本使いません。
「引けを取らない」の使い方
- 彼女のお姉さんは顔良し、スタイル良しの美人でありテレビで活躍するモデルにも引けを取らないと私は思う。
- 彼には勉強やスポーツで大きな差を付けられているが、料理や家事といった家庭的な部分では決して引けを取っていない。
- 今回の大会MVPは彼に持っていかれたが、監督から自分も引けを取らない活躍ぶりだったと励まされた。
- 彼女の美術作品はもはや芸術家にも引けを取らないレベルと言えるだろう。
「引けを取らない」の類語
「負けず劣らず」
「負けず劣らず」は「互いに優劣なく競い合うさま・互角」という意味があります。互角であるという解釈から類語であると言えますね。
【例文】
- 彼の作品は最優秀作品に負けず劣らずの出来であり、優秀作品で留めておくには勿体ないくらいだ。
- お互いに負けず劣らずの試合運びに観客は大いに盛り上がった。
- 彼女はライバルに負けず劣らず努力をした結果、飛躍的に成績を伸ばす事が出来た。
日本語には語呂が似ているが全く違う意味の言葉が多く存在します。その1つが「負けずとも劣らない」です。実はこれは「勝るとも劣らない」の誤用なのですが、見かける事がよくあります。
そもそも「勝るとも劣らない」は「勝つことはあっても劣ることはない」という褒め言葉で、「負けず劣らず」に近いのはこちらです。「負けずとも劣らない」では「負けることはあっても劣ることはない」となり日本語として通じません。
「拮抗」
「拮抗」は「きっこう」と読み、「勢力・力がほぼ等しく、相対して互いに屈しないこと」という意味があります。力が等しい、つまり「互角である」という点で類語と言えます。
【例文】
- サッカーの決勝戦は互いの力が拮抗しており、延長戦に突入した。見ている私たちもとても緊張している。
- 私と彼女は今度の模試で勝負することになったが、学力は拮抗しているので1つのミスが命取りになりそうだ。
- 互いの戦力が拮抗している場合は名勝負がうまれやすい。
「そこのけ」
「そこのけ」は漢字で「其処退け」と書きます。意味は「その人に劣らないほど技量に優れていること」であり、大方は名詞にくっつく形で単語を形成します。
【例文】
- 彼女の料理は本職そこのけの腕前であり、お店に出しても恥ずかしくない出来栄えである。
- 彼の星に関する知識は天文学の教授そこのけなほど豊富である。
- 小林一茶の作品で「雀の子そこのけそこのけ御馬は通る」という有名な句がある。
「引けを取らない」を英語で
「引けを取らない」は、英語では「not to be outdone by~」や「doesn't yield to」「be second to none」などと表記できます。
例文
【例文1】
- He is small and unsuitable for judo, but he has the skill not to be outdone by large players.
- 彼は小柄で柔道に不向きだが、大柄な選手に引けを取らない技術を持っている。
【例文2】
- I studied hard and scored not to be outdone by her.
- 私は一生懸命勉強して彼女に引けを取らない点数を取った
【例文3】
- When it comes to playing golf, he is second to none.
- ゴルフに関しては彼は誰にも引けを取らない