「嫌いじゃないわ」とは
「嫌いじゃないわ」には、「好きではないけれど嫌いというほどでもない」ことを指す場合と、「嫌いではない。むしろ好きだ」という気持ちを表す場合とがあります。
実はこの「嫌いじゃないわ」が話題になった原因はある元ネタにあります。果たしてどちらの意味でしょうか。早速見ていきましょう。
「嫌いじゃないわ」の元ネタ
元ネタは仮面ライダー
「嫌いじゃないわ」の元ネタは、劇場版『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』で、ルナ・ドーパントという悪役が発した台詞です。
ちなみに、ドーパントとは本作における「怪人」のことで、もともとは人間でした。ルナ・ドーパントは泉京水という人間だったので、今でも仮の姿は泉京水。京水はいわゆるオカマキャラに分類されます。
さて、問題のシーンは、仮面ライダーダブルと交戦中のルナ・ドーパントの前に現れた火野映司が、仮面ライダーオーズ/OOOに変身し、ルナ・ドーパントに挑みかかったところ。
ルナ・ドーパントは、仮面ライダーオーズ/OOO<火野映司>を見て、「イケメンで強いのね!嫌いじゃないわ!嫌いじゃないわ!」と歓喜の声をあげます。しかし、その後、ルナ・ドーパントは仮面ライダーオーズによって一刀両断され、敗北してしまいました。
「嫌いじゃないわ」の意味
元ネタにおいて、「嫌いじゃないわ」は、最初の説明のうちの後者「嫌いではない。むしろ好きだ」という意味であることがわかりましたね。
ルナ・ドーパントは強くてかっこいい仮面ライダーオーズ/OOO<火野映司>と出会って、テンションが上がってしまったのでしょう。なお、このシーンでは細かいセリフ指定はなく、泉京水を演じた須藤元気の芝居によるところが大きいと言われています。
「嫌いじゃないわ」の使い方
「嫌いじゃないわ」の会話例
元ネタに倣って「むしろ好きだ」というニュアンスで「嫌いじゃないわ」を使ってみましょう。
(A)
タピる?
(B)
タピオカミルクティー、嫌いじゃないわ!
(A)
でも、この前までなんとかフラペチーノ最高って言ってなかった?
(B)
○○○フラペチーノだって嫌いじゃないわ!
「嫌いじゃないわ」の解釈
元ネタのように、「嫌いじゃないわ」とネガティブな表現を否定することで、「本当は好き」という思いが強調されるという表現方法は、身の回りでも時折見られます。
このような発言は、発言者が素直ではないせいかもしれません。あるいは、贔屓しているように見せないといった周囲に対しての気遣いや、照れ隠しであったりするかもしれませんね。
【例】
- 「悪くないね」→「すごく良いよ」
- 「不味くないよ」→「とても美味しいよ」
- 「似合わなくないよ」→「よく似合ってるよ」
- 「迷惑なんかじゃないよ」→「頼ってくれて[気遣ってくれて]ありがたいよ」
ただし、最初に説明した通り「嫌いじゃないわ」は「好きではない」というニュアンスで用いられる場合もあるので、言われた人はそれまでの文脈や発言者の態度などから判断する必要があるでしょう。
「ルナ・ドーパント<泉京水>」とは
ここで「嫌いじゃないわ」という名台詞の生みの親、ルナ・ドーパント<泉京水>について、そのほかの名台詞も含めてご紹介します。
『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』
ルナ・ドーパント<泉京水>が初登場したのは、上でも説明した劇場版『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』です。
京水は、仮面ライダーオーズ/OOOたちと敵対する不死身の傭兵集団・NEVERのNo.2で、オネェ口調が特徴。変身後のルナ・ドーパントは両腕が蛸の足のような姿をしています。
「やってるやってる、ワタシもそろそろ…行こうかしら…!」
「アッー!切れちゃった!」
『仮面ライダーエターナル』
泉京水が次に登場したのはVシネマ『仮面ライダーエターナル』です。これは上記の作品の前日譚なので、時系列ではこちらが先になりますね。
本作には、NEVERの一員となる前、まだ人間だった頃の京水も登場します。当時の京水はいかにもというゴロツキでしたが、大道克己との出会いによって運命が大きく変わっていきます。
なお、本作の主人公は仮面ライダーエターナル<大道克己>で、初めての悪役ライダーを主人公とした作品としても注目されました。
「太陽に変わって…お仕置きよ!
「気を付けて克己ちゃん!こいつ強いわ!特に…縛りがね!嫌いじゃないわ〜ん!」