「はるうらら」とは？意味や使い方をご紹介

「はるうらら」とは、春の、空が明るく晴れて、のどか、朗らかでうららかな様子を指します。漢字にすると、「春麗ら」になります。「うらら」は、「うららか（麗らか）」と同じ意味です。

うららか（麗らか）には、次のような意味があります。

• 空が明るく晴れていて、柔らかい日差しがのどかに指している様子。「例：うららかな春の一日。」
• 晴れ晴れと朗らかで、楽しそうな声などの様子。「例：春の空を、うららかにひばりが鳴いている。」
• わだかまりのない、ゆったりとした穏やかな心の様子。

「うらら」という言葉は、「うらうら」という言葉が変化してできたものだとされています。さらにたどると、「うらうら」は「ゆらゆら（寛々）」が転じたものだと言われています。

この「ゆらゆら」から「うらうら」に転じたとする説は、江戸時代の国学者で歌人の大石千引（おおいしちびき）が、語学書『言元梯（げんげんてい）』で述べています。「ゆらゆら」は、「ゆったりとした」という意味の言葉とされています。

• 春の天気は変わりやすいものだというが、昨日までの寒さに比べ、今日ははるうららで過ごしやすい一日になりそうだ。
• 日中ははるうららでお花見日和だが、夜は冷え込みそうなので、夜桜を見るならコートを持って行ったほうがいいかもしれないよ。
• はるうららで、ピクニックにはぴったりの休日だ。

「はるうらら」は、次のように、芸名や曲名などにも使われています。

• 春うらら：宝塚歌劇団第68期生娘役の芸名
• 春うらら：元AV女優の芸名
• 春うらら：1976年の、田山雅充のデビューシングルの曲名
• 春麗ら：2003年の、ビジュアル系ロックバンドKagrraの10枚目のシングルの曲名
• ハルウララ：競走馬の名前

はるうららと似たように、穏やかで暖かい晴天の様子を表す言葉に「小春日和」があります。「春」という字が入っているため、はるうららと同じように春に使いたくなってしまう言葉ですが、春の時期を指す言葉ではないので注意が必要です。

「小春日和」の「小春」は、旧暦で10月のことを言います。現在の暦では、だいたい11月くらいを指しています。このころの気候が春に似ているため、このように呼ばれています。

このため、「小春日和」は、晩秋から初冬の時期の春のように暖かい晴天の様子を指しています。俳句の季語でも、「小春日和」は冬の季語です。

「はるうらら」と聞くと、「春のうららの隅田川」で始まる唱歌の「花（はな）」を思い起こされる方もいらっしゃるかもしれません。

武島羽衣（たけしまはごろも）作詞、瀧廉太郎（たきれんたろう）作曲の日本の歌曲です。歌ったことがあるという人もいらっしゃるでしょう。

「花」は、1990年に歌曲集『四季』の第1曲として発表されました。もともとのタイトルは「花盛り」でしたが、この歌曲集の第3曲のタイトルが「月」、第4曲のタイトルが「雪」であったため、並べたときに「雪月花」となるように「花」に変更されたということです。

女声二部合唱や女声二重唱、あるいは混声二部合唱や混声二重唱にピアノ伴奏がついて演奏されます。明るく華やかで、春の楽しい気持ちを表すような曲調が、広く親しまれています。

「花」は、東京都墨田区の「区民の愛唱歌」に指定されています。また、隅田公園にはこの曲の歌碑が建てられています。

「花」の1番の歌詞は、次の通りです。