「こんをつめる」とは?意味や使い方をご紹介

物事に対して集中して真剣に取り組む様子を指して、「こんをつめる(根を詰める)」と言うことがありますね。しかし、この「こん(根)」とは何か、ご存じない方もいらっしゃるかもしれません。ここでは「こんをつめる」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「こんをつめる」の意味
  2. 「こんをつめる」の使い方
  3. 「こんをつめる」の使用例
  4. 「こん」とは
  5. 「こんをつめる」の類語

「こんをつめる」の意味

「こんをつめる」とは、「ひとつの物事に対して、精神を集中させて継続的に取り組む」「他のことを顧みずに、特定の物事に没頭する」ことを指す言葉です。「根を詰める」「根詰める(こんつめる)」と表記することもあります。

「こんをつめる」の使い方

学業・仕事・スポーツ・習い事など、どのような分野であっても集中して取り組んでいるものであれば、「こんをつめる」対象になり得ます。

ただし、相応の肉体的・精神的負荷をかけて物事に集中して取り組み続けている人に対して使う言葉ですから、あまり労力や時間を割いていない作業や、簡単に成し遂げることができる物事に用いるには適していません。

自分の作業に対して「こんをつめる」を使うこともありますが、多くの場合は、他人が頑張っている様子を表したり、他人を気遣う場合に用いられます。

「こんをつめる」の使用例

  • こんをつめていた仕事がようやく終わったよ。
  • こんをつめすぎて目がしょぼしょぼしてきたな。
  • 締め切りが迫っていたので、こんをつめて作業するしかなかった。
  • 父はあの頃、いつにも増して、こんをつめて働いていた。
  • 彼女はその問題について、こんをつめて考えているようだった。
  • こんをつめすぎて体調を崩さないように気をつけてね。

「こん」とは

「根」には様々な意味がありますが、「こんをつめる(根を詰める)」の「こん(根)」は、物事を最後までやり通す意思や気力を表しています。

つまり、「こん」=「根気(根の口語的表現)」ということですね。また、「根性」にも、事を成し遂げる気力という意味がありますから、「根性」と言ってもいいでしょう。

「つめる(詰める)」は、「絶え間なく~する」や「徹底して~する」「追い詰める」ことを指していますから、「こんをつめる」は「徹底的に、物事に対して最後まで取り組む」といった意味を形成しているのです。

「こんをつめる」の類語

没頭する

没頭する(ぼっとうする)」とは、「他のことを顧みずに、一つのことに熱中すること」という意味です。特定の物事や作業に集中するあまり、その他の事柄や他人の目などが気にならない状態になっているときに使います。

例)作業に没頭しすぎて食事をとるのを忘れていた。

一心不乱

一心不乱(いっしんふらん)」は、大乗仏教の経典のひとつ『阿弥陀経』の中にある「我体を捨て南無阿弥陀仏と一体なるを一心不乱というなり(欲を捨てて念仏を唱え、阿弥陀仏と一体となることを一心不乱と言う)」という一文に由来する言葉です。

現代においては仏教的なニュアンスは薄れ、「ある一つのことに集中していて、他のことに心が動かされない状態」を指します。

例)彼は試合に向けて一心不乱に稽古した。

粉骨砕身

粉骨砕身(ふんこつさいしん)」は、「力の限り一生懸命に努力すること」を表しています。「粉骨」は「骨が粉になるほど努力をすること」、「砕身」は「この身が砕けるほど打ち込むこと」という意味です。

例)祖父は会社のために粉骨砕身働いた。

ストイック

「ストイック」とは、英語の「stoic」に由来する、「自分の欲望を抑えること」「禁欲的であること」を意味する言葉です。第三者から見て「ここまで自分を抑えることはなかなか出来ない」と思わせるほどの、称賛すべき取り組みや努力に対して使います。

例)彼女は自分の仕事に対してストイックな人なのだろう。

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