「土台無理」とは?意味や使い方をご紹介

「土台無理」という言葉は、副詞的用法の「土台」と「無理」の二つの言葉で構成されています。「どだい、無理」と表記すると、その意味のイメージもわきやすいのではないでしょうか。今回は「土台無理」の意味と使い方を、それぞれの言葉の意味を含めて解説します。

目次

  1. 「土台無理」とは?
  2. 「土台無理」の使い方
  3. 「土台無理」の類語

「土台無理」とは?

「土台無理」(どだいむり)は、副詞的用法の「土台」が「無理」を修飾する構成の言葉であり、元々実現することが不可能なことはじめからできないこと、を意味しています。故事成語のようですが、そうではありません。

「土台」が、「はじめから」を表し、「無理」が、「できないこと」を表しています。いろいろと努力してみたが結果として無理だった、というのではなく、最初から無理なときに使用されます。

「土台無理」をより深く理解するために、「土台」と「無理」の意味をそれぞれ説明していきます。

「土台」の意味

「土台」は、名詞と副詞の二つの用法がある言葉です。まず名詞の意味をご紹介しましょう。

  1. 木造建築の骨組みの最下部にあって建造物の柱を受ける横材。
  2. 建築物の最下部にある基礎。
  3. 物事の根本、事象の基礎。

副詞としては、はじめから、根本から、もともと、などの意味を持ちます。「土台無理」では、副詞としての「土台」が用いられています。「どだい、無理」と表記するとわかりやすいですね。
 

「無理」の意味

「無理」は、日常会話にも頻繁に登場する言葉です。大きくわけて下記の三つの意味を持ちます。

  1. 筋がとおらず、道理に合わないこと、また、そのさま。
  2. 実現するのが難しいことや、そのさま。
  3. 困難を押し切って行うこと、強引に行うことや、そのさま。

「土台無理」の「無理」は、二番目の意味で用いられています。
 

「土台無理」の使い方

「土台無理」は、根本から無理、そもそも無理、というきわめて強い不可能を表す言葉です。その使い方の例をあげると、下記のような場合に使われます。

  1. 自分の才能や資質から判断して、最初から実現が困難だという場合
  2. 物事の状況が悪すぎて、試みるまでもなく無理とわかる場合

さらに、上記2つの用法から派生して下記のような使い方もできます。
  1. いろいろ努力してみたけれど、最初から無理だったという自虐的な使い方
  2. 所詮~だったものなあ、もともと無理だったのはわかっていたけれど、虚しい努力をしたものだというニュアンスで「土台無理だった」と過去形での使い方。

「土台無理」の文例

(A男)

僕に結婚式の司会を頼みたいって?人一倍緊張するし、声は小さいし、司会だなんて、土台無理な話だよ。

(B子)

落ちこぼれ女子高生が東大に受かった映画を観て、もしかしたら私だって、と一瞬夢見たけれど、平均偏差値45で勉強嫌いなら土台無理よね。

(C男)

業界トップを目指して頑張っている我が社だが、首位メーカーの販売店数はうちの二倍なのだから、土台無理な挑戦ではあるな。

(D子)

フィギュアスケーターを夢見ていたの。でも、才能とお金がなければプロになれないことがつくづくわかった。土台無理な夢だったのよ。

「土台無理」の類語

元々が、「どだい、無理」という言い回しであるため、類語というよりは言い換えの表現が多数存在します。

「根本的に・元々・初めから・元来」などの言葉の後に、「不可能・無理」を付けた言い回しがすべて類語と言えますが、ここでは、それ以外で類語となりうる言葉を二つ挙げてみます。

「無理筋」

無理筋(むりすじ)とは、物事を進めてゆく筋道ややり方が整わず、実現が不可能であること無理な点がある作戦や手順、方策のことを意味する言葉です。将棋や碁において、理屈にあわない無理な指し手を意味する用語でもあります。

【文例】

  • 社長の反対勢力の役員たちがクーデターを企んでいるようだが、現在の会社の好業績や社長の功績を思えば、解任劇など無理筋だ。

「万に一つもない」

万に一つもないとは、読んで字のごとく、万ある可能性のうち一つもありえない、つまり不可能という意味の言い回しです。

【文例】

  • 僕がハーバード大学に合格する可能性は、万に一つもないよ。

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