「履き違える」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「履き違える」という言葉は、そのままの「履物を履き違える」以外にもう一つの意味をもっています。新聞や雑誌などでもよく見かけるフレーズである「履き違える」について、今回は「履く」の意味を解説しながら、意味や使い方を例文を含めて紹介します。

目次

  1. 「履き違える」とは
  2. 「履き違える」の使い方と例文
  3. 「履き違える」の類義語
  4. 「履き違える」が使われた記事
  5. 「履く」と「穿く」

「履き違える」とは

「履き違える」という言葉には、「まちがえて他人の履物を履くこと」以外に、「意味や内容をとりちがえて考えちがいをすること」という意味もあります。

前者は、単語が表す意味そのままですね。後者は、「まちがえて他人の履物を履いてしまう。」という様子を例えとする比喩的な意味となっています。「意味や内容をとりちがえた考えや行為」を「履き違える」という一つのフレーズで表現しているのです。

「履き違える」の使い方と例文

  1. 退館の際は靴を履き違えないように注意してください。
  2. たくさんの靴が下駄箱に入っていたため、靴を履き違えてしまった。
  3. 建物に入る際には上履きに履き替えるため、靴を履き違える事例が多くなっている。
  4. 彼らの行動はあまりにもひどすぎる。彼らは自由の意味を履き違えているのだ。
  5. 彼の主張には違和感がある。本来の趣旨を履き違えて理解しているからだろう。

1から3は、「履物をまちがえて履いている」という意味からの例文です。4から5では、「履き違える」を「意味や内容をとりちがえた考えや行為」という意味で用いています。

「履き違える」の類義語

「履き違える」の類義語には、さまざまな慣用句や熟語があります。いずれも共通していることは、「意味や内容をとりちがえて考えちがいをすること」という意味です。

「履き違える」の類義語の慣用句や熟語は、それぞれの意味は概ね同じであっても、次に紹介するようなさまざまな表現があります。

慣用句

  • 勘違い:思い違いをすること。
  • 心得違い:思い違い。誤解。
  • 取り違える:まちがえて理解すること。誤解すること。
  • 早飲み込みする:物事を早く理解すること。早く納得しようとして正確な理解を得ていないこと。
  • 思い違いをする:勘違いをすること。

熟語

  • 曲解:物事や他人の言動をわざと曲げて解釈すること。
  • 誤解:事実や言葉などを誤って理解すること。
  • 早合点:十分に理解していないうちにわかったと思い込むこと。
  • 錯誤:まちがい。事実とそれに対する人の認識が一致しないこと。
  • 過誤:あやまち。やり損じ。

「履き違える」が使われた記事

「履き違える」は、新聞や雑誌、テレビなどのマスメディアにもよく登場します。2019年にも、下の例をはじめたくさんの記事で使われています。

男気を履き違えた中日・松坂大輔の退団理由への違和感

〃そこを理解せず、男気の意味を履き違え昔ながらの「親分子分の仁義」を貫き退団を決めた経緯に違和感が残った。〃

2019年10月5日 THE PAGE

Aマッソ「笑いと履き違えた」大阪なおみ選手側に謝罪

〃加納さんは「笑いと履き違えた、最低な発言であったと今更ながら後悔しています。」、村上さんは「多くの人を傷つける発言をしてしまいました。」などと記した。〃

2019年9月25日 朝日新聞

〃履き違えるな、競技を「楽しむ」ことの正しい意味とは 東京五輪は「楽しむ」五輪になれ〃

2013年9月21日 産経WEST

「履く」と「穿く」

「履き違える」は、「穿き違える」とも表記されます。「履く」と「穿く」、どちらも読みは「はく」です。意味の違いを簡単に紹介しておきましょう。
 

  • 「履く」:履物を足につけること。靴や靴下をはくこと。
  • 「穿く」:衣服などを足先を通して下半身に身につけること。ズボンや袴(はかま)をはくこと。

「履物や靴下」と「ズボンや袴」身に着けるものによって、それぞれ「履く」、「穿く」の漢字を用います。

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