「愁眉を開く思い」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「愁眉を開く思い」という表現を聞いたことがあるでしょうか。「愁眉」と言われても、漢字から顔の表情のことかなと推測するぐらいで、はっきりした意味は思い浮かばないかもしれません。この記事では、「愁眉を開く思い」について、意味や使い方を例文を含めてご紹介します。

目次

  1. 「愁眉を開く思い」とは
  2. 「愁眉を開く思い」の使い方
  3. 「愁眉を開く思い」の類語
  4. 「眉」がつく慣用表現

「愁眉を開く思い」とは

「愁眉(しゅうび)を開く」という表現があります。これは、「心配事や悲しいことがなくなって安心すること」を例えたものです。「愁眉を開く思い」とは、「心配事や悲しいことがなくなって、ほっと安心する感情」のことです。

愁眉」は、愁(うれ)える(悲しみや心配や嘆きを訴える)様子が、「眉をひそめる」という表情の変化で視覚的に表れる「心配そうな顔つき」のことです。

心配事などがなくなって、安心した顔を想像してみましょう。心配そうにひそめていた眉が開いて、表情がゆるみますね。この変化が「愁眉を開く」ことで、安心した気持ちを「愁眉を開く思い」で表すことができます。

「愁眉を開く思い」の使い方

「愁眉を開く思い」は、深い悲しみや心配事などから解放された感情を表しているので、大切な人と死別するとか、大切なものが壊れて元に戻らないような場合には適していません。

例文

  • 山で遭難した息子の安否を祈り続けていた両親の元に、「無事保護された」という吉報が届き、二人は愁眉を開く思いで関係者に感謝の言葉を述べた。
  • ずっと出し続けていた異動希望がかなって、ようやく単身赴任生活が終わる喜びに愁眉を開く思いを抱いた。
  • 要介護5の母親の受け入れ先が決まり、兄弟がみな愁眉を開く思いだった。

「愁眉を開く思い」の類語

「安堵する思い」

「安堵(あんど)」は、「それまでの心配事がなくなって、安心すること」という意味を持っています。「安堵」は「堵(=垣根)」の内で安心して暮らすことで、元々は、中世・近世の将軍や領主が土地の所有権などの権利を認めることを意味していました。

【例文】

  • 行方不明だった父の消息が分かり、安堵する思いで胸をなでおろした。
  • 激しい喧嘩をして別れ話まで出たが、お互いの誤解だったことに気が付き、安堵する思いで仲直りをした。

「胸のつかえが下りる」

「胸のつかえが下りる」とは、「ずっと心に引っ掛かっていた心配事やわだかまりが消えて、すっきりした気持ちになること」です。心配事があると胸の中に何かもやもやしたものがあるように感じますね。心配事などから解放される点で「愁眉を開く思い」の類語と言えるでしょう。

「愁眉」は、顔の表情で内面の感情を表に出しますが、胸のつかえは、もやもやが内面に留まっているいるために、それが胸から下りる(=なくなる)ことで心配事などから解放されることを表しています。

【例文】

  • 普段から上司のパワハラ発言に不快感を感じていたが、思い切って直接抗議したら胸のつかえが下りた。
  • 親友に、夫に対する不満を全部吐き出したら、胸のつかえが下りた気がした。

「人心地がつく」

人心地(ひとごこち)がつく」とは、「緊張感(疲労、飢え、恐怖など)から解放されて、ほっとすること。生きていると実感すること」を表します。解放感から「ほっとする」という点で「愁眉を開く思い」の類語と言えます。

【例文】

  • 山で迷って一晩中歩き回っていたが、ようやくたどり着いた山小屋で出してもらったコーヒーを飲んで人心地がついた。
  • 連日の泊まり勤務で疲れがピークに達していたが、帰宅して湯船につかったら人心地がついて眠ってしまいそうになった。

「眉」がつく慣用表現

「眉唾」

「眉唾(まゆつば)」は、「信用できないこと。だまされないように用心すること」です。眉に唾をつけるとキツネやタヌキに騙されないという俗説から由来しています。「眉唾もの」とか「眉に唾をつける」という表現もあります。

【例文】

  • 仮想通貨の勧誘がうるさいけど、あんなの眉唾だから気を付けたほうがいい。
  • 彼の話は眉唾ものとは思うけど、もう少し話を聞いてみてもいいかもしれない。

「眉を曇らす」「眉をひそめる」

「眉を曇(くも)らす」と「眉をひそめる」は、同じ意味で「心配そうな顔つきをすること」です。「愁眉」と同じような表情のことですね。

【例文】

  • 電車でずっと通話している乗客がいて、不愉快で眉を曇らせた。
  • いくらインバウンドだと言っても、こんなに外国人観光客が押し寄せてきたら地元の人の生活に差し支えると、母は眉をひそめていた。

「眉を吊り上げる」

「眉を吊り上げる」とは、「怒った表情をする」ことです。怒った人が眉を吊り上げている様子を見たことがある方も多いでしょう。仁王像のような形相(ぎょうそう)になりますね。

【例文】

  • 彼は、侮辱の言葉に眉を吊り上げて激怒し、後輩の胸ぐらをつかんだ。
  • 眉を吊り上げて怒った表情を「憤怒(ふんぬ)の形相」と言うそうだ。

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