「好きが高じて」とは?意味や使い方をご紹介

「好きが高じて」は、用いられている漢字どおり、ごくシンプルにいえば「好きな気持ちが高まって」という状態をさす言い回しです。「~好きが高じて~した」などと、前後に言葉を補って成立することが殆どです。今回は、様々な文例とともに「好きが高じて」の意味をご紹介します。

目次

  1. 「好きが高じて」とは?
  2. 「好きが高じて」の使い方
  3. 「好きが高じて」の類語
  4. 「好きが高じて」の対義語

「好きが高じて」とは?

「好きが高じて」(すきがこうじて)を紐解くために、まず、「好き」「高じる」それぞれの意味を解説していきましょう。

「好き」

「好き」は、気に入ること愛情をもつこと心惹かれること好むこと、などを意味します。日常でも頻繁に見聞きするお馴染みの言葉ですね。

「高じる」

「高じて」の「高」の音読みは「こう」、訓読みは「たか(い)」。「高い」は多義的な言葉ですが、基本的には、物が基準となる場所から上方の位置にあることを意味します。

派生して、物事のレベルや程度が何らかの水準を上回る、という意味ももちます。「好きが高じて」に用いられる「高」は、この「程度の高さ」に関係する表現です。

「好き」が「高じて」

上記の「好き」「高じる」で構成される「好きが高じて」は、すなわち、好きで心ひかれる気持ちが高まって、気に入りすぎて、という意味の言い回しです。

「好きが高じて」の使い方

「好きが高じて」は、その前に対象となる(好ましく思っている)物事を置き、後ろにその結果としてもたらされた状態を示す用い方がもっとも一般的です。

「好きが高じて」をそのままのかたちで用いるケースは、その前段に、自分が好きな物事について話し、後ろにはその結果の状態を必ず表現します。結末ぬきには完結しない言い回しであることに注意しましょう。

「好きが高じて」に続く結末は?

「高」の字は、基本的に、場所でも程度でも、ある水準より上であることを示します。したがって、「好きが高じて」に続く結末は、ポジティブなもの、よりよい状態であることがほとんどです。

たとえば、なにかを好きな気持ちが高まってそれに没頭した結果、その道で成功した、なにかを達成した、などの意味で用いられるとすれば、ポジティブな言い回しですね。

しかし、必ずしも「成功」につながる言い回しではありません。たとえば、ギャンブル好きが高じて自己破産になってしまった、など、物事に没頭することでネガティブな結末を迎えるケースにも用いられます。

使用例

(A男)

僕はラーメンが何より好物で、全国の有名店を食べ歩いたんだ。好きが高じて、とうとうラーメン屋をオープンしちゃったよ。

(B子)

友人のA男は、ラーメン好きが高じて、とうとうラーメン屋の店主になったのよ。

(C男)

僕はアイドルのD実がデビューしたときからの大ファンなんだ。好きが高じて、いまやファンクラブの会長さ。

(E子)

私は、犬好きが高じて、今はブリーダーの仕事をしているの。

(F男)

俺は、ギャンブル好きが高じて借金がかさみ、ついに妻とも離婚になった。人生破滅の最悪の賭けをしちまった。

「好きが高じて」の類語

溺愛する

溺愛(できあい)する盲目的なほどに、むやみに愛する、もしくは可愛がること

こちらの表現は人や生き物のみを対象とし、物事には用いないことに注意しましょう。人にしろペットにしろ、最初からの溺愛はありえません。

好もしいと思い、愛情をもち、しだいにその気持ちが強まり、高まって「溺愛」となります。その意味で、「好きが高じて」と似たところがありますね。

【文例】

  • 由美子さんは、ペットの犬を溺愛しすぎた結果、犬嫌いの彼氏と婚約解消してしまった。

ヒートアップする

ヒートアップする熱を上げる、より激しくなる、活気づく。(英語の「heat up」から)

「好き」以外にもすべての感情を対象とするところは「好きが高じて」と異なりますが、ある感情がきわめて高まっていくという意味では似ています。

【文例】

  • 三郎は、短距離走のライバルへの競争心がヒートアップしたあげく、筋肉増強剤に手を出してしまった。

「好きが高じて」の対義語

愛想を尽かす

愛想を尽かす(あいそをつかす)愛情、好意、信頼などの好もしい気持ちがなくなること見限ること

使用する対象は人間のみであることに注視しましょう。最初にあった愛情や好意が、なんらかの状況をへてなくなっていく、または見限る、という点で「好きが高じて」の対義にある言い回しです。

【文例】

  • 山田君は、恋人があまりに嫉妬深いことに愛想を尽かし、別れることにした。

嫌気がさす

嫌気がさす(いやけがさす)いやだという気持ちが起こること。

こちらの表現は人間、生き物、事物なんでも対象とします。最初はそれなりの愛情や興味、関心があったにも関わらず、しだいに嫌になってしまう点が、「好きが高じて」の逆といえますね。

【文例】

  • 意気揚々とラーメン屋の店主となったA男だが、あまりの忙しさに嫌気がさして店じまい。いまや、ただのラーメン好きにもどり、また全国食べ歩きを楽しんでいる。

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