「心算」とは?意味や使い方をご紹介

「心算」は「しんさん」と読みます。表記される漢字そのままですが、日常的に使用される言葉とは言えないので、意味を知っている方は少ないのではないでしょうか。「心算」は「つもり」とも読みます。「~するつもり」の意味です。今回は「心算」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「心算」とは
  2. 「心算」の例文
  3. 「心算」の類語

「心算」とは

心算(しんさん/つもり)」とは、「心の中の計画。心づもり」という意味です。将来の行動や物事に対して、心の中でこうしたいと計画を立てることを表現する言葉です。日常生活の些細(ささい)なことから仕事や将来的なことまで、心の中の計画は誰にでもあることでしょう。

心づもり」とは、「心の中で前もって、こうしよう、こうなるだろうと考えること」を意味しています。はっきりした計画というよりも、予定に対応した考えというような微妙に違うニュアンスがあります。

例えば「心づもりをしておいて下さい」という場合は、「近いうちにそういう事になるであろうから、予定しておいてほしい」という意味になります。

「心算」の読み方

「心算」の読み方に関しては、「心算」という言葉自体が一般的に使われることが少なく、口に出して使う言葉でもありません。また、小説などでも「心算(つもり)」と読ませる作家が多いようです。

「心算」の例文

  • 車で1時間もあれば到着する心算だったが、思わぬ事故で渋滞したために3時間もかかってしまった。
  • 仕事を定時に終え友人と飲む予定だったが、提出書類の変更が急遽(きゅうきょ)入り、心算が狂ってしまった。
  • 彼女にプロポーズして了承を得たので、来月にも彼女の両親に挨拶に行く心算だ。
  • 現在の会社に入社した時には定年まで頑張る心算でいたが、社内の人間関係に疲れ、退職を考えるようになった。
  • 株式投資で退職金を倍にする心算だったが、マーケットはそんなに甘くはないと思い知った。

「心算」の類語

胸残用

「胸算用(むなざんよう)」とは、「心の中で見積もりを立てること。胸中で計算すること」という意味があります。心の中で損得勘定をして計画を立てることです。一般的には、ビジネスや金銭的なことに関して使われることが多い言葉です。

【例文】

  • ビジネスは実際にスタートしてみないと分からないことが多く、胸算用だけでは計り知れないものがある。
  • 今年の夏も猛暑が予想されているので、ビールの売り上げが伸びると胸算用した。

腹づもり

「腹づもり(はらづもり)」とは、「心の中でおおよそ見積もること。あらかじめ考えておく大体の予定や計画。心の用意」といった意味があります。一般的には使用頻度は少ない言葉ですが、本音や本心が絡んだ重要な物事に対する時に使われることが多い言葉です。

【例文】

  • 私は来年社長を退き、長男に会社を任せる腹づもりです。
  • あと1年あまりで定年を迎えるが、定年後は生まれ故郷に帰り余生を送る腹づもりです。

心構え

心構え(こころがまえ)」とは、「物事に対する事前の心の準備。心の用意。覚悟」という意味があります。物事の状況の変化に対処できるよう、心の準備をしておくことです。「いざという時の心構え」というように、一般的によく使われる言葉です。

【例文】

  • 新社会人としての心構えの第一歩は、身だしなみだと教えられました。
  • 近年、自然災害の被害が大きくなっていることを踏まえ、今後の災害発生に対する心構えと対策が必要だ。

魂胆

魂胆(こんたん)」には、「心の中に持っている企み。策略」という意味があります。「企み(たくらみ)」には、「悪いことを計画する」という意味があるので、心中ひそかに計画している悪事、何かを達成するためにひそかに企んでいる考えのことを指します。

よく使われる「魂胆見え見え」は、「お前の本心が透けて見えているよ、バレバレだよ」という意味です。

【例文】

  • 彼の行動の裏には、部長に何としても取り入ろうとする魂胆が見え隠れしている。
  • そんなに親しくもない彼女が奢(おご)ってくれるという。何か魂胆がありそうだ。

思惑

「思惑(おもわく)」には、以下のような意味があります。

  • 思うところ。考え。意図。期待
  • 他の人々の考えや評価
  • 相場の変化を予想すること

自分の中で考えている事柄やある物事に対する考え、企み、期待などを表現する言葉として使用されます。例えば、ある事に関して実際に、「あらかじめ考えていた通りになった」という場合に「思惑通りになった」と表現します。

【例文】
  • 社員の協力があったお陰で、思惑通りにプロジェクトが進み安堵している。
  • 彼が失敗する最大の原因は、他人の思惑ばかり気にするからだ。

なお、「思惑」を(しわく)と読む場合は、仏教用語で「修行に断ち切られる煩悩(ぼんのう)のことを表しています。


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