「持ち合わせていない」とは？意味や使い方をご紹介

「持ち合わせていない（もちあわせていない）」という言い回しは、基本的には以下の２つの意味を持ちます。

1. （何かを）今現在、自身の手元に持っていない。
2. ある種の感情や感覚に乏しい、またはまったく持っていないこと。

どちらの意味で使用されても、「何かを持っていない」ことを表す言葉です。対象は「具体的なもの」、「目には見えない物事」のどちらでもかまいません。

また、「しか～ない」と言う限定を意味する表現を用いて、「特定の物しか持っていない」、「限定された量しか持っていない」ことを表すことも可能です。

ちょうど今、必要になりそうな物を持っていないことを表します。お金がかかるシーンで財布を持っていなかったり、使いたい時に必要な道具などを持っていない時に用いる言い回しです。

• あいにく財布を持ち合わせていなかった。
• プラスドライバーを持ち合わせていないから、修理できない。
• ペンを持ち合わせていないから、ノートを持ってきた意味が無かった。

具体的なものではなく、事柄や感覚、性格などの目に見えないものを持っていないときにも使用することができます。何かよいものを持っていないということは、マイナスイメージを与える表現になります。

反対に、「持っていないもの」自体に負の要素があるときは、プラスイメージを与える言い回しとして使用することが可能です。

• 彼は私の仕事を手伝う気力は持ち合わせていないだろうから頼るのは諦めよう。
• 他人を思いやる気持ちなど持ち合わせていない。
• 幸い、誘惑に負けるような弱い心を持ち合わせていないから大丈夫。

上記2つの意味以外の使い方として、特定の物しか持っていないことを表すことも可能です。「持ち合わせていない」の前に「しか」を付け「○○しか持ち合わせていない」とすることで、「○○しか〜ない」という限定を表現する文章となります。

• 100円しか持ち合わせていない。
• マラソンの才能しか持ち合わせていない。
• 自転車しか持ち合わせていないから、遠出はできない。

そのタイミングで物を持っていないことを表す表現として「今は持っていない」があります。他にも「今、持っていない」「現在は持っていない」などと表現することも可能です。

• ライターがいるの？今は持っていないよ。
• 申し訳ないんだけど、今は手帳を持っていないんだ。

今は持っていないのですから、「手元にない」と表現することもできます。端的で、非常に簡潔な文となります。

• 鉛筆が手元にないからメモが取れない。
• スマホが手元にない。
• カバンを忘れたので、教科書が手元にない。

「持ち合わせていない」を「備わっていない」と表現することもできます。必要な物を備えていないことと、事柄や個人の感覚などを備えていないことの、どちらでも使用できます。

• ポケットが備わっていないから、持ち運びが大変だ。
• 彼にはお客様に対する礼儀が備わっていない。
• 安全に走るための機能が備わっていない。

「○○しか持ち合わせていない」とある持ち物を限定する場合は、文を大幅にカットして「○○しかない」と表現することもできます。

• 今日のおやつはクッキーしかない。
• 大阪行きのチケットしかない。
• まだ夕方だけど、洗濯物をたたむ気力しかない。

「持ち合わせていない」に非常に似た言葉として「持ち合わせがない」と言う表現があります。「持ち合わせ」とは、その時そのタイミングで持っている物のことですが、主に「お金」のことを表している場合が多いです。

• 今、持ち合わせがないから、オモチャは買えないよ。
• 持ち合わせがないんだけど、代わりに払っておいてくれる？