「青息吐息」とは?意味や使い方を「青色吐息」との違いも含めてご紹介

数多い四字熟語の中でも「青息吐息」ほど誤解されて使用されている言葉もないと思います。しかし、言葉の構造から「青息吐息」の意味を考えた時、非常に興味深い日本語の世界が見えてきます。今回は「青色吐息」との違いも含めて「青息吐息」の正しい意味と使い方を解説します。

目次

  1. 「青息吐息」の意味
  2. 「青息吐息」の語源
  3. 文学作品の中の「青息吐息」
  4. 「青息吐息」の類義語
  5. 「青息吐息」と「青色吐息」

「青息吐息」の意味

心身ともに困難な状況にある時に出るため息やそうしたため息が出る状態のことを指した言葉が「青息吐息(あおいきといき)」です。この言葉は「青息」と「吐息」という2つの言葉からなる四字熟語で、「青色吐息」と誤用されているケースが非常に多く見受けられる言葉です。

「青息吐息」の語源

青息」も「吐息」もため息を表す言葉ですが、ため息はさまざまな状況で、自然に出てくる身体反応です。感動した場合もため息が出ますし、失意の状況でもため息が出ます。それなのに、「青息」と「吐息」という言葉が2つ重なると、心身ともに困難な状況にある時に出るため息となるのはなぜなのでしょう。

四字熟語を理解するときは、言葉を構成している要素を分解して考えると、どのような状況で利用したらいいのかが見えてきます。「青息吐息」という言葉もその例外ではありません。ここでは、「青息吐息」の言葉の構成と、それぞれの構成要素の意味を考えてみましょう。

「青息」の持つ意味

体の衰弱や恐怖などのために顔から血の気(け)がなくなった時に、「青ざめる」や「真っ青」という表現を使います。「青息吐息」を構成する「青息」の青にはそれと同じような意味があります。つまり、「青息」には、精神的や肉体的に追い詰められたり苦しい状況に陥った時に、心身ともに青ざめた状態で出てくるため息といった意味合いがあります。

「吐息」の役割

「吐息」もため息の意味ですが、「感嘆の吐息」という言葉もあるように、追い詰められたり落胆したときに出るため息の表現だけに使われるものではありません。そこになんらかの意図や感情を入れたい場合の表現として使われる傾向があります。

「吐息」の前にどのような言葉が用いられるかによって、そのニュアンスは変わってきます。つまり、「青息吐息」とは、青ざめた状況の時に出るため息を表す「青息」とそうした状況を強調する「吐息」で成り立っていると考えると、「青息吐息」の意味をより深く理解できます。

文学作品の中の「青息吐息」

こうした「青息吐息」という言葉は、さまざまな文学作品の中でも効果的に使われています。その一部をご紹介します。
 

借金で首がまわらず青息吐息で、火を吹く力もないような情ない顔つきをしている癖に、たべものにわがままは大笑いだ。『新釈諸国噺』:太宰治
 
乗っている当人は、英気颯爽の勇ましさに自己陶酔していても、乗せている馬の方では青息吐息なのだそうである。『軽井沢にて』:正宗白鳥
 
真昼にも、ガスや電燈の力借り、天道様の顔もみず、色青白く頸長く、青息吐息に血を混え、吐くぞ悲しき浪花津の肺病娘のうらめしき…『空中征服』:賀川豊彦
 
温泉へ瀬戸を誘つて豪遊したから忽ちにして文無しとなり、伴稼ぎを始めたが、瀬戸の飲み代で青息吐息、ちつとも面白くない。『金銭無情』:坂口安吾
 
所長も部長もみんなやられちまつたよ。随分ひどいのがあるんだね。所長なんか舌に来たらしいが、口は無論利けないし、青息吐息さ。『風俗時評』:岸田國士

「青息吐息」の類義語

「青息吐息」と近い意味や状況を表す四字熟語をいくつかご紹介します。しかし、微妙に意味が異なります。使用に迷った場合は、構成要素とそれぞれの要素が持つ意味を考えながらお使いになることをおすすめします
 

  • 四苦八苦(しくはっく)……非常に苦悩する様子
  • 意気消沈(いきしょうちん)……元気をなく、沈みこむ様子
  • 七難八苦(しちなんはっく)……さまざまな苦難を表す
  • 灰心喪気(かいしんそうき)……気を落として、元気がなくなる様子
  • 気息奄奄(きそくえんえん)……物事が非常に苦しい状態にある様子

「青息吐息」と「青色吐息」

「青息吐息」という言葉を使っているつもりで、「青色吐息」と表現してしまうケースが非常に多く見受けられます。それには社会的背景が影響しています。1984年、歌手の高橋真梨子さんの「桃色吐息」という名曲が大ヒットしました。この曲のタイトルと混同して「青色吐息」と言われ出したようです。

それが間違いと気づかずそのまま使われて、今に至っています。もちろん、「桃色吐息」という表現はあくまでも楽曲のイメージの世界だけで通用する言葉で、一般に四字熟語として使用されるものではありません。それから派生するように生まれた「青色吐息」も同様に、一般的な表現としては使用されない言葉ですので、ご注意ください。


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