「修正」とは？意味や使い方を「訂正」との違いも含めてご紹介

「修正」（しゅうせい）とは、内容などが不十分で足りない所や、不適当で誤解を招くと考えられる所を直して正しく改めることです。

この場合の「修」の字義は、なおす、つくろうということです。「正」には、間違いがない、ただしいことも表しますが、「修」と似たような、ただす、なおすという字義もあります。

「修正」は「正しく直す」意味にもとれますし、同じような意味を持った漢字を重ねて、直すことを強調しているとも言えますね。

「修正」は、ビジネス書類や公的な文書、記事などに、十分ではないと判断される箇所があった場合に、その部分のみを直す際に使います。書いた文字を消して再度書き直す「修正液」や「修正テープ」などの文房具もあります。

「修正」が使われる例は、クレームを受けることもある誤解されやすい表現を改める、誤字脱字や文法などの軽微な間違いがあって分かりにくい文章を直す、確定申告で不備があった場合の修正申告をするなどが挙げられます。

また、後から本文などを添削して内容が足りない場合や、書きすぎて冗長（じょうちょう）になった場合に、中身を付け足したり、要らない表現を削ったりして直す場合も「修正」にあたります。

• 以前書かれた文章が、現代の感覚だとセクハラに当たる表現だと会社にクレームがあり、その部分を修正して文書を公開した。
• 売上の記載漏れがあり、税務署の指導で修正申告書を提出した。
• Aさんへ、誤字脱字や文末の表現など、いくつか修正しました。
• 〇〇さん、先日の報告書では不十分です。修正してもっと内容を充実させてください。
• 彼の書いた文章は長ったらしくて分かりにくいため、もっと簡潔に修正するよう求められた。

「修正」に似た語に「訂正」（ていせい）があります。「訂正」の意味は、文章などの語句、内容などを正確に直すことです。「訂」の字義は、文章などの誤りを直す、「正」は正しくするです。

「修正」も、間違いを直すことですが、「訂正」とは違い、内容が間違っていなくても使う場合もあります。対象となる物の内容が正しくとも「不十分で本意が伝わりにくい、その部分を分かりやすく表現する」という意味でも使うこともあるのです。

「訂正」は、対象となる文章などの内容が不正確であったり、誤っている時に、それを正しく改める場合に使います。

書類の作成やSNSなどの投稿で間違った知識を元に書いたものや、新聞や雑誌の誤植や表記ミスなどを、後から正しい内容に直す、請求書などの金額にミスがあった場合に、再度計算をして正しい金額にするなどの例があります。

また、報道などの番組でよく見られる例として、間違った文章を読み上げたり、誤った発言をしたりした際に「訂正してお詫び申し上げます」のように、内容を正しく伝えた上で謝罪の言葉と一緒に使うこともありますね。

• 先日、デマを信じてSNSに投稿しました。本当にごめんなさい。訂正します。正しくは以下のようになっています。
• 資料の参考文献に間違いが見つかりました。訂正して別紙にまとめましたので、そちらを御覧ください。
• お客様、誠に申し訳ございません。間違えて消費税額を8％で計上しておりました。正しい税額は〇〇円でございます。訂正してお詫び申し上げます。
• 公式サイトに訂正が必要な箇所と正しい文章を公開しておりますので、初版本をご購入の方はご確認ください。
• 先月号で表記ミスがあったようで、今月号では訂正されたインタビュー記事が載っていた。

「修正」と同じ読みの語に「修整」があり、こちらも「修正」と同じように良くない所、出来栄えが悪い所などを整えてなおすことという意味です。

ただ、「修整」の場合は、映像や写真のネガなどの画像の不完全な所を改めて見やすく直す際に使われることがほとんどです。例えば、映像の色調や乱れを整える、フィルムの傷を目立たないようにする、被写体の写りの悪さなどを見栄え良く加工する際に使われます。

• 就職活動用の証明写真は印象が良くなるように、修整が上手だと評判の写真館で撮ってもらった。
• 子供の頃のピアノの発表会の動画を修整したところ、色が鮮やかになった。
• スマホの写真アプリを使って、目を大きく、顔の輪郭を小さく、さらに肌をきれいに修整したら別人になった。