「アナロジー」とは?意味や使い方を例文も含めてご紹介

言語学や心理学、社会学、生物学などの書物では「アナロジー」という言葉がしばしば出てきます。しかし、とっさに意味が分からないという人も多いのではないでしょうか。この記事では、「アナロジー」の意味や使い方について、例文や具体例も交えながら詳細に解説します。

目次

  1. 「アナロジー」の意味
  2. 「アナロジー」の使い方・例文
  3. 「アナロジー」の由来

「アナロジー」の意味

「アナロジー」(英語:analogy)とは、通常は「類推」や「類比」と訳され、「現在持っている知識を応用して、同じような特徴や共通点を持つものごとについて、おそらくそうではないかと推定する」ことをいいます。

しかし、これだけの説明では少々わかりにくいかもしれません。以下に具体例を示しながら説明します。

「アナロジー」の具体例【ものごと】

例えば、あなたと長い付き合いのある人物Aさんがいると仮定しましょう。あなたは、Aさんの性格やものの考え方、顔つきや体型など、さまざまな特徴を熟知しています。

次に、あなたはBさんという人物に出会いました。Bさんの顔つきや体型はAさんにそっくりで、その雰囲気もAさんに極めて似ています。そのためあなたは、顔つきや体型が似ているのだから、性格やものの考え方も似ているはずだ、と考えるかもしれません。

このように、ものごとの(特徴的な)類似性を根拠として、異なるものごとの間に共通性を見出すことを「類推」、「アナロジー」と言います。

「アナロジー」の具体例【言語】

「アナロジー」に基づいた言語的な表現方法は比喩(ひゆ)と呼ばれます。前述の例を用いるならば、「Bさんは、まるでAさんのようだ」という表現が比喩に当たります。

比喩が可能となるのは、たとえられる両者が違うものでありながら「似ている・類似性がある・共通点」があるからであり、比喩を用いる際には必ず「アナロジー」が適用されていると言うことができます。

例えば、博学な人を「彼は歩く辞書だ」と表現する比喩には、「彼」と「辞書」の間に「何でも知っている」という共通点を見出すアナロジーが内包されています。

「アナロジー」の注意点

「アナロジー」とは、かみ砕いて言えば「似ているものは同じものである(少なくとも、近い存在である)」という考え方であり、それによって得られる結論は、あくまでも「きっとそうだろう」という範疇から逃れられません。

なぜなら、「よく似ている」ものは、「似ている」だけで、(科学的には)実際はまったく違うものであることも珍しくないからです。例えば、「植物人間」という言葉は人間を植物にたとえたアナロジーですが、実態はまったく違っています。

ものごとの特徴を取り上げ、未知のものとの共通性を探す試みとしてアナロジーは有効ですが、「必ずそうである」という確実な結果を得られるというものではないことには注意する必要があります。

「アナロジー」の使い方・例文

例文

  • アナロジーを用いて共通点を浮かび上がらせると、両者の特徴がより鮮明になる
  • 想像力を膨らませるには、アナロジー的思考を大切にする必要があるのではないか
  • 物知りの彼を辞書にたとえるのは、アナロジーの典型的な考え方である

「アナロジー」の由来

かつて古代ギリシャでは、哲学や倫理学において盛んに類推や類比に関する議論がなされていました。現在使われている英語の「アナロジー」は、古代ギリシャ語の「アナロギアー」に由来しています。

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