「苦言を呈する」とは?意味や使い方をご紹介

いくら自分のためであると分かっていても、人に注意されるのはなんだか耳が痛いものですよね。相手に対して忠告をすることを、「苦言」という言葉を使って、「苦言を呈する」と表現することがあります。「苦言を呈する」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「苦言を呈する」とは
  2. 「苦言を呈する」:意味
  3. 「苦言を呈する」:使い方
  4. 「苦言を呈する」:まとめ

「苦言を呈する」とは

「苦言を呈する」とは、簡単にいえば「忠告をする」という意味の言葉です。「苦言」と「呈する」に分解して意味を考えると、この言葉の意味がはっきりと見えてきます。

「苦言を呈する」:意味

苦言

「苦」は「苦い」「つらい」「苦しい」といった意味がありますが、ここでは「にがにがしい」という意味で使われます。要は、「非常に不愉快だ」「たまらなくいやだ」という状態を表す言葉です。

「言」は「人が発する言葉」を表しています。つまり、「苦言」とは「苦々しく感じられる言葉」という意味です。

分かりやすく言えば、「苦言」とは「言われる人が不愉快に感じる可能性があるが、その人のためにあえてする忠告」を指します。

対義語は「甘言(かんげん)」で、相手の意に沿うように、うまくいう言葉のことです。「甘言につられる」「甘言を弄する」などのように使われます。

呈する

「呈する」には「苦味を呈する」「赤色を呈する」のようにある状態を表したり、示すという意味もありますが、「苦言を呈する」という場合の「呈する」は、「差し出す」「贈る」という意味で使われています。

同じ漢字を使う「進呈する」も「人に物を贈ること」「差し上げること」を意味する言葉です。「贈る」というとプレゼントなど、受け取る側が喜ぶものをイメージがしがちですが、「苦言」も人に贈られます。

「疑問を呈する」も、「苦言を呈する」と同じく「呈する」を用いる慣用句です。疑問を述べたり、賛同しかねるといった意思を表明したりする際に使われます。

「苦言を呈する」

上記を踏まえて、「苦言を呈する」は、言われる人が不愉快に感じる可能性があるが、その人のためにあえて忠告をするという意味となります。

「相手にとって嫌な言葉、聞きたくないことを言う」、つまりは「忠告をする」という意味につながります。嫌な言葉といっても、悪口ではなく、助言、アドバイスの類であると考えて良いでしょう。

「苦言を呈する」:使い方

毎回遅刻してくる、すぐにドタキャンする、など自分の悪い癖に関して友達に注意されたことはないですか?あるいは、仕事のやり方や勤務態度、企画書の内容などについて、上司や同僚からダメ出しをされた経験はありませんか?

この場合、友達(または上司や同僚)が「苦言を呈する」側、自分が「苦言を呈される」側ということになります。

例文

  • いつも遅刻ばかりしている友人に、そんなことじゃ社会に出た時に困るよと苦言を呈しておいた。
  • 当たり前のように期日より遅れて提出してくる部下に苦言を呈した。
  • 上司に苦言を呈すのは、簡単なことではない。

「苦言を呈する」:まとめ

苦言を呈するというのは、なかなか難しいものです。うるさい人、時代遅れ、大きなお世話と取られることも少なくないでしょう。

しかし、自分のために苦言をいってくれる人は貴重です。「言われるうちが華」という言葉を聞いたことはありませんか?

苦言を呈するというのは、もしかしたら関係を悪くしてしまうかもしれないということを覚悟のうえで、「あなたのために」と贈ってくれるプレゼントなのです。

関連するまとめ


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ