「詰む」とは?意味や使い方を「詰まる」と比較してご紹介

「詰む」という将棋用語があるのをご存じでしょうか。完全に敗北した状態を表す言葉なのですが、将棋以外の文脈で使われることもあり、近年は特にゲームに関する場面での用例が増えてきているようです。ここではそんな「詰む」という言葉を掘り下げつつ紹介していきます。

目次

  1. 「詰む」=事態に窮する
  2. 「詰む」の類義語
  3. 「詰まる」と「詰む」の関係性
  4. 「詰まる」よりも「詰む」の方が強い手詰まり感

「詰む」=事態に窮する

「詰む」は「つむ」と読みます。大まかに言えば、物事の流れがスムーズにいかなくなることを表す言葉ですが、将棋用語としての「詰む」は、自駒の王将に逃げ場がなくなり、たとえ敵の駒をとったとしてもその状況を打開できない状態になったことを意味します。つまり、いわゆる将棋のゲームオーバー状態です。

最近はこの将棋用語としての「詰む」の用法が広がっていく形で、「事態に窮する」という意味での「詰む」がよく使われるようになってきました。将棋に限らない他のゲームにおいても、勝利やクリアが不可能になった場面で「詰んだ」と言いますし、ゲームに関わらない日常の様々な場面でも、「どうにも解決しようがなくなった」、「万事休すだ」というべき状況で、「詰んだ」と表現することが多くなってきたのです。

使用例

  • ここで王将の前に歩を打てば詰む。
  • レベル不足でボスを倒せないけど、強制イベントだから後戻りもできない。完全に詰んだな。
  • 宿題をやっていないことに気付いたが、もう提出前日の夜である。詰んだ。

「詰む」の類義語

なお、「詰む」には「詰まる」「詰める」というよく似た動詞があります。この三つの動詞の関連について少し考えてみましょう。

まず、「詰まる」と「詰める」は自動詞と他動詞の対とみなすことができます。自動詞というのは、その動詞に係る主語だけがあれば文が成立する動詞、他動詞というのは、主語の他に、目的語という、動作が及ぶ対象を表す言葉を必要とする動詞です。

「詰まる」は自動詞であり、たとえば「ゴミが詰まる」という風に主語を添えるだけでも意味が通じる文を作れます。一方「詰める」は他動詞です。「ゴミが」という主語を添えるだけでは、「ゴミが詰める」という文になり、意味的に不十分なってしまいます。「詰める」を使う場合には「~を」という言葉、つまり目的語を補わなければならない場合が多いのです。

「詰まる」と「詰む」の関係性

この自動詞か他動詞かという観点で言えば、「詰む」は自動詞です。そのため、「詰まる」とほぼ同様の形で使うことができると言えます。

ただし、「ゴミが詰まる」「ゴミが詰まった」というのは自然ですが、「ゴミが詰む」「ゴミが詰んだ」とはあまりいいません。「詰まる」と「詰む」では若干のニュアンスの違いがあるわけです

たとえば「返事に詰まる」、「生活に詰まる」なら「詰まる」を「詰む」に交換することができますが、「ゴミが詰まる」、「排水溝が詰まる」ではそれができません。「事態に窮する」という意味では交換可能なのに対して、何らかの物体が多く集まって、流れや交通を物理的にさまたげている様を表す場合には、「詰む」が使いにくく、もっぱら「詰まる」を使うべきなのだと考えられます。

「詰まる」よりも「詰む」の方が強い手詰まり感

ただし、「事態に窮する」という意味であっても、厳密には「詰まる」と「詰む」にも違いがあるようです。特に顕著になるのは、最近よく使われる、将棋用語から広がった「詰む」を使うような文脈です。

たとえば「明日までの宿題が終わっていなくて詰んだ。」と「明日までの宿題が終わっていなくて詰まった。」を比べると、後者の方がまだ救いの余地があるように感じられます。「詰まった」が「困った」という程度のニュアンスに響き、前者に比べれば事態を打開する方法や気力がまだ完全になくなってしまったわけではない感じがするのです。

このような違いが生じるのは、この場合の「詰む」が将棋用語の「詰む」を根に持っているからだと考えられます。王将を逃がす手段が完全になくなった、一巻の終わりであるという状態の連想が、「詰んだ」という表現に「詰まった」以上の手詰まり感を帯びさせるのだと言えそうです。


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