「与る」とは?意味や使い方をご紹介

「恩恵に与る」とか、「お褒めに与る」といった表現は、最近、耳にすることが少なくなったと思いませんか。もしかしたら、「与る」という言葉を知らないという人もいるかもしれませんね。この記事では、「与る」の意味や使い方を漢字の字義などと一緒にご紹介します。

目次

  1. 「与る」とは
  2. 「与る」の使い方
  3. 「与る」の類語

「与る」とは

「与る(あずかる)」の「与」は、与えるの「与」でもあり、以下のようにいろいろな意味があります。

  1. やる。あたえる。
  2. つながりを持つ。
  3. 一緒に何かをする。仲間になる。くみする。

「与る」は、「与」の1の意味から、主に目上の人からの)好意情け、力添えなどを受けること、2や3の意味から、何かの物事に関わることを意味しています。ここから、「与る」を「関る」と書くこともありますが、多くはありません。

以下では、まず
、「与」の成り立ちや字義を見た上で、「与る」の使い方を二つの意味別にご紹介します。

「与」の成り立ちと字義

」は、常用漢字で「」の省略形ですが、常用漢字表には、「與」も括弧書きで「与」と併記されています。「」の上段中央部は、かみ合った歯の象形「牙」で「口」を表し、それ以外の部分は持ち上げる手と引き上げる手の象形です。

そこから、「」は、二人の人間が両手を使い、口(話)を合わせて助け合うことを表し、力を合わせる、くみする(仲間になる)、あたえるという意味を持ちました。ここから、「与る」は、上記のような意味を持つ言葉となっています。

「与る」の使い方

「好意などを受ける」

人に物を「あたえる(与える)」という言葉の語感は、現代風に言うと上から目線的な感じも受けるかもしれません。好意などを受けるという意味の「与る」には、逆の立場、つまり、与えられる者の視点で、与えられたものを受ける、受け取るという意味で使います。

実際、この意味で「与る」を使う場合は、目上・格上の立場にある人や国などの組織、あるいは、景気などの社会情勢などから、何かしらの利益を受ける時です。また、商売上の社交辞令にも使われることがあります。

【例文】

  • 一社員に過ぎない私が、会長直々にお褒めに与るなど、もったいないことです。
  • バブル時代、その恩恵与ることができたのは、ほんの一握りの人間だけだった。
  • 今、専務派の力が強いから、専務についていればおこぼれに与ることができるかもしれない。
  • いつもご贔屓(ひいき)に与り、誠にありがとうございます。

「物事に関わる」

物事に関わるという意味で「与る」を使うのは、大きなプロジェクトや法律の制定などに関わる場合です。この場合、「与って力がある」という慣用句もよく使われます。

与って力がある」とは、ある物事の結果を導いたことに、重要な役割を果たしているということで、特に、いい結果が出た時などに使います。

【例文】

  • この度、内閣法制局に出向し、民法改正法案の審査業務に与ることになりました。
  • 社運を賭けたプロジェクトに与ることになり、とても光栄です。
  • 今回のM&A(企業・事業の合併や買収の総称)では、ヘッドハンティングしたA君を中心としたチームが与って力があったと言えるだろう。

「与る」の類語

「関与」

「関与(かんよ)」は、物事にかかわりを持つことです。「」は、「」の教育漢字で、両開きの門に閂(=丱:かんぬき)を通して二つの扉をつなぐさまを表し、そこから、「つなぐ・つながる=かかわる」という意味を持っています。

「与る」は、人の関わりなどを表しますが、「関与」は、人以外の物事についても関係の有無を表す場合に使います。

【例文】

  • 今回の不祥事ついては、私は何も知らず、一切関与していません。
  • A医大の研究チームが、がん発生のメカニズムに関与する遺伝子を発見した。

「携わる」

携わる(たずさわる)」も、物事にかかわりを持つことです。「携」は「攜」の略字で、「扌(てへん=手)」に、「雟(けい:つばめ)」をさげて持つところから、身に着ける、たずさえる、関連するといった意味を持っています。

【例文】

  • パソコンオタクの兄は、大学を中退して会社を立ち上げ、ゲーム開発の仕事携わっている。
  • 私は、本業の合間に、障がい者を支援するNPO法人の運営携わっています。

「頂戴する」

「頂戴(ちょうだい)する」は、ものや飲食物をもらうことです。「頂戴」は、こどもが、親に「お菓子頂戴」とか、買い物で店の人に「これ頂戴」と言って品物を示す時などに使います。

もう一つ、「頂戴」の使い方として、相手に対してへりくだっていう時に「頂戴する」と言います。酒席などで、「お流れ頂戴します」「もう十分頂戴しました」という場面がありますね。これが、「与る」の「好意などを受ける」という意味の類語となります。

【例文】

  • この度は結構なものを頂戴いたしまして、ありがとうございます。
  • 昨夜の不手際のことで、今日は朝から師匠にさんざんお小言を頂戴しました。


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