「イミテーション」とは？意味や使い方をご紹介

「イミテーション」とは英語の「imitation」のことで、日本でもカタカナ語として広く認知され、使われている言葉です。

「イミテーション」の意味は二通りあり、ひとつは「模造品（本物に似せてつくった物）」「にせもの」。もうひとつは「模倣」「真似」という行為自体を表します。

「模造品」という意味での「イミテーション」の類義語には、「フェイク」「レプリカ」「コピー」「贋造品」「模型」などがあります。どれも「本物」によく似せて作られることに違いはありませんが、初めからニセモノであることを明確にしている場合と、本物と偽って人を騙す場合では、言葉の印象も大きく変わってくるでしょう。

「イミテーション」という言葉を使った例文を挙げてみます。

• 彼女の持っている宝石はじつはイミテーションばかりだ。
• 盗まれた名画は、もともと精巧に作られたイミテーションだった。
• 彼の小指にイミテーションリングが光っていた。

「イミテーション」は「本物」ではありませんので、言葉を使うシチュエーションを間違うと、場合によっては人間関係に影響を与えてかねません。現代のイミテーションの技術は素晴らしいそうですが、たとえ人様のアクセサリーやインテリアがイミテーションだと気づいても、知らないふりをしてあげるのが得策かもしれません。

私たちの身近には「イミテーション」であることを逆手にとって、そこに価値を持たせた商品もありますのでご紹介しましょう。

「イミテーションケーキ」は結婚式のケーキカットに使われる、食べられないケーキです。本物より安価で扱いやすく、見た目にも豪華さを演出きるので好評のようです。

「イミテーショングリーン」は人工の植物を指します。枯れる心配や世話する手間も要らないので、インテリアとして、時にはエクステリアとしても利用されます。なかには抗菌・消臭効果のある加工がされている商品もあります。

ゲーム好きの方なら、「イミテーション」と聞いてこれを思い出されるかもしれません。オンラインゲーム『ファイナルファンタジーXIV』に登場する「イミテーション・オブロングウィンドウ」という人気アイテムです。

このゲームでは、家屋のなかにプレイヤーが調度品を好きなように配置できるのですが、テクニックを使うと空間に浮かんだ状態にすることができます。「イミテーション・オブロングウィンドウ」は調度品の一つである「窓」のことで、それを空間に浮かせる技がネットで紹介され、話題になりました。

「イミテーション・オブロングウィンドウ」は、にせものの窓、つまり「だまし窓」という意味の呼称です。

映画好きなら『イミテーション・ゲーム／エニグマと天才数学者の秘密』をご存じでしょう。実在したイギリスの天才学者、アラン・マシスン・チューリングが、第二次世界大戦中にドイツ軍の暗号「エニグマ」の解読に挑んだ話を映画化した作品です。

タイトルになっている「イミテーション・ゲーム」は、コンピューター開発に使われているテストのことです。まず、人間とコンピューターに同じ質問をし、それぞれから出された答えを第三者が判定します。

答えが人間のものかコンピューターのものか、第三者に判別ができなければ、そのコンピューターは人間に近い性能ということになります。テストによって優秀とされたコンピューターは「イミテーション」、つまり、巧妙に人間を模倣できる存在として評価されるわけです。

「イミテーション」のつく歌はたくさんありそうですが、やはり「イミテイション・ゴールド」を真っ先に思い出される方が多いのではないでしょうか。1977年に山口百恵がリリースした大ヒットシングル、作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童の夫婦共作です。

去年別れた恋人が忘れられず、現在の恋人がその人に似たニセモノに見えてしまうという意味合いで、「イミテーション」という言葉が非常に印象的に使われています。