「サクラ」とは?意味や使い方をご紹介

「サクラ」というと、春に花を咲かせる桜を思い浮かべる人も多いですね。実は「サクラ」という語は、隠語的にお店の営業やイベントの興行に関する人について使われる場合もあります。ここでは、この隠語としての「サクラ」の意味や使い方を、語源・類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「サクラ」とは?
  2. 「サクラ」の使い方と例文
  3. 「サクラ」の語源
  4. 「サクラ」に似た言葉

「サクラ」とは?

バラ科サクラ属の落葉広葉樹、春の風物詩である「桜」としての意味が広く知られている「サクラ」ですが、この言葉に植物以外の意味があることはご存知でしょうか。

特に、カタカナで「サクラ」と書く場合、その意味は隠語である品物やサービスを声高に褒めて、購入・利用するように仕向ける人のことです。

また、観客に混じって公演を見て、場を盛り上げるような人を指すこともあります。この意味の場合、当て字で「偽客」と表記する場合もあります。

「サクラ」の使い方と例文

この言葉が一般に広まったのは明治期以降だと考えられていますが、現代では世相に沿ったさまざまな「サクラ」のかたちがあります。シーンごとに分けてみていきましょう。

客のふりをする人

店舗や提供元から頼まれて、商品の購入やサービスの利用をした客のふりをしたり、試供品を使ったふりをしたりして、周囲の人に口コミを広めたり、商品の購入を勧めたりする人のことを「サクラ」といいます。

「サクラ」のもっとも基本的な使い方といえるでしょう。

【例文】

  • Aさんが「〇〇のチャーシューは美味しい」と褒めていたが、店主の親族だから頼まれてサクラをしているのかもしれないな。
  • BさんがC社のサービスを使って得をしたと言っていたけれど、そこまで良いプランだと思えない。お金をもらってサクラをしているのでは。
  • 情報番組で、試しに使った商品の感想を求められる通行人は良いことばかり言う。きっと番組側が用意したサクラだよね。

公演・集会などの盛り上げ役

以下のように、主催者や興行主が用意した公演・集会などを盛り上げる「サクラ」の例があります。

  • 試写会や催し物で良い所を強調してオーバーに褒める人…作品や催し物を褒める様子を見た人が、優れた出来栄えを期待して観客動員数が増える可能性が高くなる。
  • イベントで予め舞台に上がるよう頼んだ人…演じている人に促されて観客が参加する演出がある場合に誰も上がろうとしないと場が白ける恐れがある。
  • 水増しで頼まれて行く人…客が少なくて公演などの場の雰囲気が悪くならないようにする。チケット代が無料かは問わない。また、商売が繁盛して見えるように店舗にいて客のふりをする人。

【例文】
  • 「この映画は、全国の人が私のように感動で涙を流すと思います」とCMで感想を言った人がいたけれど、サクラじゃないかしら。
  • Cさん、マジックのイベントでサクラをしてくれない?登壇して仕掛けの確認をする客を探しているんだよ。
  • あるライブのチケットの売れ行きが良くないので、「チケット代半額で良いよ」と、空席を埋めるためのサクラを持ちかけられた。
  • 取引先が2号店をオープンした。賑わって見えるように、お客のふりをしてほしいとオーナーに頼まれた。

嘘のレビューを書き込む人

通販サイトなどを利用する消費者は、実際に対面して店舗サイトの判断が出来ません。そのため、商品やサイトの利用客のレビューや書き込みを閲覧して、高評価のサイトや商品の利用を検討する方も多いです。

このレビュー制度を悪用し、あるサイトや商品などの売上を増やすために頼まれて嘘の書き込みをする人を「サクラ」と呼びます。

悪質なサービス運営者や業者が依頼して、利用客を装って高い評価のレビューを書き込むこともあれば、反対にライバル社の評価をわざと悪く書くなどの例があります。

【例文】

  • グルメサイトで高評価が異常に多い店舗は、サクラが書き込みしているという噂があるよ。
  • 「サクラ」のレビューで騙されて購入しないように、悪質なレビューをチェックできるサイトが開設されて注目を集めている。

「サクラ」の語源

隠語としての「サクラ」の語源は諸説ありますが、一般的にはその名前のとおり「桜の花」が由来であり、「江戸時代の歌舞伎などの役者に声がけをする盛り上げ役」の様子を重ね合わせていると考えられています。

  1. 桜の花見は無料でできるから
  2. 桜の花は咲いてすぐに散るから

1の説は、声がけをする役割の人が、興行する側から頼まれて無料で客席に入っていたことから来ています。

2の説では、盛り上げ役のやり方に由来しています。客のふりをして場内にいる人が、役者の見せ場で「〇〇屋!」と威勢よく声をかけてすぐに静かになる「短い期間盛り上がる状態」を、「桜が開花して短い期間で散る」様子に見立てたのです。

露天商の隠語として使われるようになった

その後「サクラ」は、露天商の仲間内で隠語として使われるようになりました。縁日などの露店経営者に頼まれてお客を装う人をいい、店の商品を褒めたり、購入して見せたりして客の購買意欲をあおる働きをしました。

ここまでくると、現代で言われる「サクラ」とほとんど変わりありませんね。

「サクラ」に似た言葉

おとり

おとり」(漢字表記:囮)は、鳥や獣を罠などを仕掛けて捕まえる際に使う、招き寄せるための鳥獣のことです。

また、相手をおびき寄せて目的にかなうように利用するための人や物も指します。顧客に買わせるために何かする人である「サクラ」と似た意味ですが、「おとり」は物にも使います。

【例文】

  • おとり広告を使って、客を呼びこむなんてひどいね。
  • サービス品をおとりにして、集客をするつもりだよ。

仕込み客

「サクラ」に似た意味で、俗用ではありますが、「仕込み客」(しこみきゃく)という語が使われることがあります。主にイベントや新規オープンの店舗などで場を盛り上げるために用意した客の役目をする人のことです。

【例文】

  • 明日の2号店のオープンには、開店時間前から仕込み客に行列を作らせて流行っている店を印象づけるつもりです。
  • サイン会に人が集まらないとD先生が機嫌を損ねるから、仕込み客を用意するつもりだよ。


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