「四苦八苦」とは?意味や使い方をご紹介

「四苦八苦」には「苦」という文字が2回も使われているせいか、見ただけで気持ちがへこみそうな言葉ですね。何かに困っているときなど、何気なく使っていることもあるのではないでしょうか。ここでは「四苦八苦」の正しい意味や使い方について紹介します。

目次

  1. 「四苦八苦」の読み方は?
  2. 「四苦八苦」の意味
  3. 「四苦八苦」の使い方
  4. 「四苦八苦」を英語で表すとどうなる?
  5. 「四苦八苦」の類語は?

「四苦八苦」の読み方は?

「四苦八苦」は「しくはっく」と読みます。いずれも音読みでつながっています。

「四」は「死」と音が同じことから、「忌み数」ともいわれています。一方「八」は、すそが開いている文字の形から、「末広がり」と言われ、縁起のよい数字とされています。また、「数えきれないほどたくさんあるさま」や「ありとあらゆるもの」といった意味合いをこめて使われる数字でもあります。

たとえば、「八百万の神」(やおろずのかみ)=数多くの神、「八重咲きの花」=花びらがたくさん重なって咲く花といった具合に使われれています。

「四苦八苦」の意味

「四苦八苦」とは、非常に苦しむこと、大変な苦労をすることを意味します。仏教の言葉で、人生における苦しみを分類したものです。仏教では、「生・老・病・死」の四つの苦を根本的な苦ととらえ、さらに次の四つを加えて「八苦」としています。
 

  • 愛別離苦(あいべつりく)…愛する人と別れること
  • 怨憎会苦(おんぞうえく)…怨み、憎んでいる人に会うこと
  • 求不得苦(ぐふとっく)…求めるものが得られないこと
  • 五蘊盛苦(ごおんじょうく)…五蘊(人間の肉体と精神)が思う通りにならないこと

改めて、「四苦八苦」の意味をみてみると、ややしんどいくらいでは使えない気がします。「死ぬほど苦しい」ときに使うのがふさわしい、重い意味を持っている言葉といえます。

「四苦八苦」の使い方

とはいえ、実際にはかなり気軽に使われています。
 

  • 彼の会社の社長は資金調達に四苦八苦している。
  • 彼女が欲しがっているプレゼントが見つからず、四苦八苦した。
  • 雪の中、四苦八苦してタイヤにチェーンをつけた。
  • あの人はプライドが高いから、体裁を繕うのに四苦八苦していた。
  • 読書感想文を書くのに四苦八苦した。

大変な思いをしたときに、その気持ちを表してくれるぴったりの言葉といえます。

「四苦八苦」を英語で表すとどうなる?

では、「四苦八苦」を英語で表現するとどうなるでしょう。
 

  • I struggle to clear off the debts.(借金を返すのに四苦八苦する。)
  • I struggled to write a training report.(研修レポートを書くのに四苦八苦した。)
  • She has struggled and has got a nice glass.(彼女は四苦八苦して素敵なグラスを手に入れた。)

「struggle」が「苦闘」を表す単語で、「四苦八苦」した状況を説明したいときに使える単語といえるでしょう。

「四苦八苦」の類語は?

・七難八苦
さまざまな苦難や災難のこと。または、苦難や災難に遭うこと。「七難」は仏教の経典のひとつ「観音経」の中では、火難、水難、風難、刀杖難(とうじょうなん)、鬼難、枷鎖難(かさなん)、怨賊難(おんぞくなん)の七つと言われています。

・七転八倒
激しい苦痛で、苦しんで転げまわるさま。

・悪戦苦闘
死にものぐるいで戦うこと。困難な状況の中で、苦しみながらも努力すること。

いずれの言葉も苦悩で眉間にシワが寄る表情を想像してしまいます。あまり頻繁に使うことはないかもしれませんが、苦労したことを強く訴えたいときに使うようにするとよいでしょう。

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