「危ぶまれる」とは?意味や使い方をご紹介

「危ぶまれる」は、動詞「危ぶむ」の活用形で、「あやぶまれる」と読みます。「危」という漢字からも、だいたいの意味は推測できますが、少々持って回った表現なので正確に意味を把握しておきたいところです。今回は「危ぶまれる」の意味と使い方を類語を含めご紹介します。

目次

  1. 「危ぶまれる」とは?
  2. 「危ぶまれる」の使い方
  3. 「危ぶまれる」の類語

「危ぶまれる」とは?

「危ぶまれる」(あやぶまれる)は、「危ぶむ」という動詞の未然形「危ぶま」に、助動詞「れる」を接続する形で構成された言い回しです。助動詞「れる」は、受身、尊敬、自発、可能の4つの働きを持ちますが、「危ぶまれる」においては、受身または自発の助動詞として機能しています。

「危ぶまれる」は「危ぶむ」ありきの言葉です。まずは、この動詞「危ぶむ」をしっかり理解することによって、より深く意味を理解することができます。

「危ぶむ」の意味

マ行五段活用の動詞「危ぶむ」は、大きく分けて以下の3つの意味を持ちます。

  1. 物事が、よくない結果になるのではないかと心配し、不安に思うこと。危ないと思うこと。
  2. 望んでいること、望ましい状況が実現しないのではないかと思うこと
  3. 危うい状態にする。苦しめる。

現代では、3の意味で「危ぶむ」を使うことはほぼありません。「危ぶまれる」として用いられているのは、1と2の意味においてです。

したがって、「危ぶまれる」は、物事や状況が悪い方向や結果になるのではと思われること。もしくは、望んでいる状況が実現しがたいと思われること、という意味になります。

「思われる」は「推察される」という自発の意味で用いていますが、単純に、動詞「危ぶむ」の受身形として、他者から「~と思われてしまう」という意味で使われる場合もあります。前後の文脈からの区別が必要です。

「危ぶまれる」の使い方

「危ぶまれる」の使い方で注意すべき点の1つとして、助動詞「れる」の用法について、読み手や聞き手が混同してしまう危険性が挙げられます。

「よくない結果になることが(自然と)予想される」(自発)なのか、「よくない結果になるのでは、と(他者、世の中の人)に思われる」(受身)なのかは、かなり区別が難しい問題です。

「危ぶまれる」の文例

  • 来週、長野の野外会場で予定されているロックフェスティバルは、当日に台風が直撃する可能性が高く、その開催が危ぶまれている。
  • 私の街では、タピオカブームでタピオカ店が10店も乱立し、3店ほどは存続が危ぶまれる状況だ。
  • 鈴木君は、受験の山場という高三の夏休みにゲーム三昧だ。彼の志望校合格は危ぶまれるな。
  • 全身黒づくめに黒マスクでコンビニに入ったら、店員に強盗かと危ぶまれてしまった。(単純な受身)

「危ぶまれる」の類語

「案じられる」の意味と使い方

「案じられる」は、動詞「案じる」の未然形と、助動詞られる(受身、尊敬、自発、可能)で構成される言い回しです。

「案じる」の意味は、心にかけて心配する、あれこれと気にかけ思い悩む、という意味です。この動詞を語幹とする「案じられる」は、おもに「気にかけられ、心配される」という意味で用いられます。思い悩む、という意味で用いられることはありません。

文例:ほとんど英語もしゃべれずにアメリカ暮らしを始めた由美さんは、友人たちから将来を案じられている。

「危惧される」の意味と使い方

「危惧される」(きぐされる)と読みます。動詞「危惧する」の未然形「危惧さ」と、助動詞れる(受身、尊敬、自発、可能)で構成される言い回しです。

「危惧する」は、うまくいかないのではないかと危ぶみ恐れることを意味します。したがって「危惧される」は、うまくいかないのではないかと(おのずと)危ぶみおそれること、もしくは、そのように他人から危ぶまれ心配されることを意味します。

文例①:婚約者の彼女の乱暴な言葉遣いが今から気になるのでは、結婚がうまくいくか危惧されるなあ。
文例②:創業者の息子が社長を継いでから、赤字続き。これでは会社の先行きが危惧される。

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