「万全」とは？意味や使い方をご紹介

「万全（ばんぜん）」とは、少しも手落ちがないことを表す言葉です。抜かりなく完璧な状態を表現する時に使用します。

「万全」の「万（ばん）」は複数の意味がありますが、ここではすべてという意味があてはまります。また、「全（ぜん）」は欠点がないことを表します。

「万全」は、さまざまなシーンで用いられる言葉です。「抜かりなく完璧である」ことをより印象づけることができるでしょう。

「万全だ」のように単体で使うこともありますが、「万全」の後に具体的な状況や状態を表す言葉を足して用いられる場合もあります。後者については、後ほど説明します。

• 体調が万全ではないため、明日の講義はお休みします。
• 次のレース開催に向けて準備は万全です。
• 復習ができていないのであれば、テスト対策は万全とは言えない。

「万全を期す（ばんぜんをきす）」とは、少しも手抜かりなく完璧にする様を表現する言葉です。「万全」を使った代表的な言い回しとして挙げられるでしょう。

「期す」には期限や時刻などを前もって決めておくことや、あらかじめ決意や覚悟をしておくことの意味があります。

【例文】

• 来月開催される展示会に向けて万全を期す所存です。
• スタッフ一同、お客様の安全のために万全を期す考えだ。

「万全な状態」「万全の備え」「万全の態勢」などの言い回しも広く用いられますので、例文を使ってみていきましょう。

【例文】

• 朝ごはんをしっかり食べて準備運動をし、万全な状態で試合に臨んだ。
• 被害を最小限に抑えるためにも万全の備えが必要です。
• 隊員たちは万全の態勢で犯人の登場を待った。
• リスクが発生した時は、万全の措置を講じるように指示を出した。
• 森の中を探索する時は万全の注意を払って行動するようにしましょう。
• この問題はリーダーと相談しながら、万全の策を考えましょう。

「完璧（かんぺき）」とは、欠点などがなく、不足なことが全くないさまを表しています。「万全」に比べると、ポジティブな期待やよい結果に対して使われることも多い言葉です。

【例文】

• 修理でお預かりした商品は、完璧な状態にしてお客様にお戻しします。
• 今月に入って初めてのレッスンでしたが、彼女の演奏の出来は完璧です。

「完全（かんぜん）」とは、必要なものがすべて満たされていること、足りない部分が全くないことを表します。「万全」とほぼ同義と言えるでしょう。

【例文】

• 完全に準備ができているか確認してから寝ることにしました。
• 塗り残しがないか、完全に見直しをしておきましょう。

「万」を用いた熟語は多数挙げられます。ここでは、「万全」と同じく「万」を「すべて」の意味合いで使う熟語を紹介します。

「万事（ばんじ）」とは、すべてのことを表す熟語です。よく使われる表現を挙げておきましょう。

「万事休す（ばんじきゅうす）」…もはや手の施しようがないこと
「一事が万事（いちじがばんじ）」…ひとつのことを見れば、全てを推し量ることができるという意

「万策（ばんさく）」とは、様々な方法のことという意味です。「万策尽きる（ばんさくつきる）」という言い回しは、様々な方法を試してやってみたが、どれもやり尽くしてしまったということを表します。

「万能（ばんのう）」とは、何にでも役に立ち、何でも可能なことを表します。

「万能」の後に名詞をつけると、その物が「あらゆることに使える便利な物」であることを表現できます。「万能調味料」や「万能ナイフ」などは、聞いたことがある方も多いかもしれませんね。