「鬱屈」とは?意味や使い方をご紹介

「鬱屈」とは、憂鬱な気持ちになること、心が晴れ晴れとせずふさぎ込むことを意味します。漢字からも、その重たく辛い気分が推察できますね。人生には悩みがつきもののためか、類語も多岐にわたります。今回は「鬱屈」の意味と使い方を、類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「鬱屈」とは?
  2. 「鬱屈」の使い方
  3. 「鬱屈」の類語
  4. まとめ

「鬱屈」とは?

「鬱屈」(うっくつ)とは、心が晴れ晴れとせずにふさぎ込むこと、なんらかの不満や不安などによって、辛く憂鬱な気持ちになる状態を指す言葉です。

「憂鬱」な気持ちに加え、苛々と追い込まれたような気分も含まれるため、鬱屈感が長くつづくと、そのストレスで苛立ちを爆発させたり、心身によくない影響が出たりする場合もあります。

「鬱屈」の字義

憂鬱の「鬱」に屈折の「屈」。漢字を眺めているだけでも、「鬱屈」という言葉のだいたいの意味は推察できようというものです。より深い理解のために、この漢字二文字をそれぞれ検証していきましょう。

「鬱」

「鬱」の音読みは「うつ」、訓読みは「しげ・る」「ふさ・ぐ」「さか・ん」。その意味は、ふさぐ、ふさがる、気持ちが晴れないなどです。

ほかにも、「物事が盛んなこと」や「かおり」という意味もありますが、現代ではほぼ使われない用法ですので、割愛します。

「屈」

「屈」は、音読みでは「くつ」、訓読みでは「かが・む」「ちぢ・む」「こご・まる」と読みます。

意味は、下の4つが代表的です。他と異質にポジティブな意味となる4が興味深いですが、「鬱屈」で使われている「屈」が担う意味は、1~3に関係します。
 

  1. かがめる、かがむ、折れ曲がる。
  2. くじける、くじく。
  3. 行き詰まる。
  4. 強い

「鬱屈」の使い方

「鬱屈」は、憂鬱で心晴れない気持ちと定義されていますが、「屈」という字に、「かがむ」、「折れ曲がる」、「行き詰まる」といった意味があることからも、ただしょんぼりとふさいでいるだけではない状態であることがわかります。

屈折、という言葉でもわかるように、心が複雑に追い詰められている状態が「鬱屈」から伺えます。どこか心がねじ曲がってしまうような、すねたような気持ちも含まれることでしょう。

(A男)

僕は上司と相性が悪く、実績は良いのに人事評価が低いんだ。二人ともこの部に移動してまだ一年。この状態が続くと思うと、鬱屈してしまうよ。

(B子)

結婚してすぐに子供を授かったから、キャリアを積んだ仕事をやめざるを得なかったの。生き生きと仕事している夫を見ると、鬱屈した思いが湧き上がってくるわ。

(C男)

志望大学に落ちて浪人を決めたものの、成績が伸びない。駅で楽しそうな大学生を見ると、鬱屈感で、さらに勉強に集中できないんだ。

(D子)

紛争をやっとのことで逃れた難民の人たちのキャンプ生活のドキュメントを観たの。あんなに劣悪な環境では、人々の鬱屈感がどこかで爆発しないか心配になったわ。

「鬱屈」の類語

欲求不満:なんらかの原因から、自身の欲求や願望が満たされず、不満足やフラストレーションを感じる状態を意味します。

【文例】中学時代の私は、テニスや演劇などやりたいことで溢れていた。しかし、親に受験を強要されて塾通いをせざるを得ず、つねに欲求不満の日々だった。

鬱積(うっせき):不満や不平の感情が、晴れることなく、はけ口もないままに心のなかに積もっていることを指します。

【文例】高圧的で、独裁的な上司のもとで仕事をしているうちに、鈴木氏の不満は鬱積してゆき、ついに心を病んで休職してしまった。

意気消沈(いきしょうちん):張り切った気持ち、やる気などが、なんらかの原因で失われたり、衰えたりする状態。しょんぼりと沈みこむような状態を指すことが多く、「鬱屈」における屈折して追い込まれたような感情の手前ともいえるでしょう。

【文例】運動会の応援団のリーダーに指名されていた山田君は、練習のしすぎで声が出なくなって大役を辞退せざるを得ず、意気消沈していた。

まとめ

人生はなかなか思い通りにいかないもので、「憂鬱だ」「鬱屈した気持ちだ」などと頻繁に耳にします。とはいえ、「鬱」の字を手書きで書くことができる人がどれほどいるでしょう。それほどに、画数の多い難しい漢字です。

キーボードを叩いて「鬱屈」と変換するのはたやすいですが、時には「鬱」の手書きに挑戦し、漢字の奥深さに触れてみるのもいいかも知れませんね。


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