「ままある」とは?意味や使い方をご紹介

日常会話や文章中で「~ということは、ままあります」と表現することがあります。この「ままある」の「まま」とはどういう意味なのか、皆さんご存じでしょうか。今回は「ままある」の意味や使い方を、語源も含めて詳しく解説していきます。

目次

  1. 「ままある」とは
  2. 「ままある」の用例
  3. 「ままある」の語源
  4. 「まま」の同音異義語

「ままある」とは

「ままある」の「まま」とは、「頻繁ではないが、ときどき起こるさま」「時として」という意味を持つ副詞です。

この「まま」が、何らかの事柄が「ある」ことを修飾しますので、すなわち「ままある」という表現は「時々ある」という意味で用いられます。

周期や頻度が具体的であることはほとんどなく、感覚的に「時々ある」と思われる事柄に当てはめて使用するのが「ままある」の一般的な用法です。

「ままある」の用例

  • 周りからベテランだと言われている人でも、そうした間違いはままあるものです。
  • 本当の意味とは間違えて使われている言葉でも、広く認知され一般化することがままあります。
  • ほんの力試しのつもりで応募した作品が思わぬところで高い評価を受ける、ということもままあることです。

「ままある」の語源

「まま」は副詞ですので、文章内ではひらがなで表記されるのが一般的です。しかし、その語源を知るために、ここではあえて漢字表記についても解説します。

「まま」の漢字

なぜ「まま」が「時々」という意味になるのか、その理由は「まま」という漢字にあります。「まま」を漢字で表記すると「間間」または「間々」です。

「間」は「時のへだたり」を意味する漢字です。そのため「まま」の語源は、「間」を二つ重ねて「まま(=時のあいだあいだ)」、すなわち「時々」を意味するようになったと考えられています。

「間間」の本来の意味

ただし、「間間」を「まま」と読ませ「時々」という意味で用いるのは、日本語だけの特殊な用法です。熟語としての「間間」の正しい読みは「カンカン」で、「こせこせと、物を好き嫌いで区別するさま」というのが本来の意味です。

その語源は、中国戦国時代の思想家である荘子の言葉の中に見ることができます。

「大知閑閑、小知間間」(大知は閑閑(カンカン)たり、小知は間間(カンカン)たり)

意味:すぐれた知恵のあるものは、ゆったりとして落ち着いているが、つまらない知恵のものはこせこせとして、こまごまと穿鑿(せんさく)するものだ
<荘子・斉物論>

「まま」を「間間」と表記することは相手に誤解を与えてしまう可能性もあるので、避けた方が良いでしょう。

「まま」の同音異義語

「まま」と発音する漢字には他にも「儘」がありますが、「ままある」を「儘ある」と表記するのは誤りです。「儘」の字は時間のへだたりを意味するものではありません。

「儘」という字には、「成り行き」「思いどおり」という意味があります。「思いどおりにならない」ことを「儘ならない」と表現するなど、日常会話の中でもよく使われる言葉ですので、違いを確認しておくと良いでしょう。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ