「お役御免」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「お役御免」は小説を読む人にはなじみのある表現ですが、普段活字を読まない人は見たことがないかもしれません。いわゆる「お払い箱」ではありません。ここでは普段あまり使われない「お役御免」の意味や使い方を例文を含めて紹介します。

目次

  1. 「お役御免」とは
  2. 「お役御免」の使い方
  3. 「お役御免」の例文
  4. 「お役御免」の類義語

「お役御免」とは

役目を引退する

「お役御免」とは役目や役割を引退することです。「お役」はもちろんお役目の略語です。では「御免」はというと、仕事や役職を解くという意味があります。単に免職や退官というよりもより敬意のある表現です。

本来はもうその役目を果たす必要がない、任務完了や任期満了による引退を指す言葉で、あくまでも役目の方が無くなったという意味です。

しかし、現在ではそれとは別に役目を果たすことができなくなった、つまり解雇やリストラという意味合いで使われることもあります。

自分について使うのならともかく、他人に使う場合には悪い意味もあるということを覚えておきましょう。

不用品の処分

「お役御免」にはもう一つ、不用品の処分という意味もあります。役目を果たし終えてもう使わなくなった道具を引退させることは、すなわち処分や廃棄ということですね。愛着がある物に捨てるとはいいがたいもの。そんな時に好まれる言い回しです。

こちらも、もう古くなって使わないというケースや新しいものを手に入れたという意味で使われることが多いのですが、壊れてしまったり用済みになったという意味でも使われます。

「お役御免」の使い方

「お役御免」は単独でも使われますが、「なる」や「する」「させる」などの動詞を伴うこともあります。自分のことについて使うことも、他人や物について使うこともあります。

上記の様に元々は敬意のある表現だったのですが、現在では敬意のない使い方もされます。人に対して使う時は失礼にならないよう、使い方に気を付けましょう。

「お役御免」の例文

  • いままで教育係としてお仕えしてきたが、若様ももう大人。教えることはもはや何もないので、お役御免を願い出ることにした。
  • 長い間貢献してくれたが、彼の能力ももう時代に合わなくなっているし、そろそろお役御免にしても良いのではないかな?
  • この家に移り住んでからずっと働いててくれていたけれど、いよいよ時計が壊れてしまった。修理すると新品よりも高いらしいから、お役御免としましょうか。

「お役御免」の類義語

お払い箱

「お払い箱」とは廃棄する不用品や解雇される使用人のことです。「お役御免」とは違い不用品の処分、いらないものの廃棄というニュアンスが強い表現です。

元々は伊勢神宮が信者に厄除けとして配っていた箱を「お祓い箱」と呼んでいたことに由来します。

この箱は正月飾りと同じように、一年経つと廃棄して新しいものを飾るという風習があります。これに、売却される不用品、「払下げ品」の「お払い」を掛けて「お払い箱」というようになったと言われています。

同じ廃棄や引退であっても、「お役御免」とはまるで意味が異なるので、言い間違いにはくれぐれも注意しましょう。また、「お祓い箱」と「お払い箱」でも意味が変わってしまいます。

隠居

「隠居」とは仕事を辞めて家にこもることです。法律上は、生前に家督や戸主権を相続人に譲ることとされていました。日常会話では高齢者が仕事を引退するという程度の意味で使われています。

江戸時代には、いわゆるリストラや懲戒免職と同じく罰則の一環で「隠居」が命じられることもありました。

しかし、病気を理由とした引退もまた「隠居」と呼ばれていました。理由や良し悪しにかかわらず、高齢者が仕事を辞めるという程度の意味です。

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