「さもありなん」とは?意味や使い方をご紹介

「さもありなん」とは、もっともなことだ、当然のことだ、というような意味の言い回しです。現代ではあまり類をみない不思議な響きですが、それもそのはず、古語から今に生き残っている貴重な言葉のひとつです。今回は品詞など様々な角度から「さもありなん」を紹介します。

目次

  1. 「さもありなん」とは?
  2. 「さもありなん」の品詞分解
  3. 「さもありなん」の使い方
  4. 「さもありなん」:現代語の類義表現
  5. 「さもありなん」:古語から続く類義表現
  6. 「さもありなん」まとめ

「さもありなん」とは?

「さもありなん」という、美しくも不思議な響きをもつ言い回しは、古語から現代に生き残っている貴重な言葉のひとつです。

その意味は、もっともである、いかにもそうだろう、当然のことだ、たしかにそんなことだろう、など。

会話のなかで、突然「さもありなん」とはさむのは、少々唐突感が伴いますが、「さもありなん、よね」「さもありなん、だ」のようなかたちで、日常会話に登場することもあります。

「さもありなん」の品詞分解

古語からの生き残り、という「さもありなん」。その理解を深めるためにも、ここで学生時代の気分に戻りつつ、品詞分解をしながら解説いたしましょう。

「さもありなん」は、「さ」「も」「あり」「な」「ん」と分けられます。「さ」は副詞で、漢字は「然」そう、そのまま、などの意味をもちます。「も」は係助詞で、「さ」のあとにつき、「さも」となって「そのように」という意味になります。

「あり」は補助動詞「な」は完了の助動詞の未然形、それに、推量の助動詞「ん(む)」がつながります。古語において「な+ん(む)」は、きっと~であろう、たしかに~であろう、という強い確信をあらわす言い回しです。

よって「さも(そのように)」+「ありなん(たしかに~であろう」となり、「当然、そうであろう」という意味が出来上がるわけです。

「さもありなん」の使い方

古語の生き残りを、日常会話で使えるものだろうか?と感じるかもしれません。あるいは、由緒正しい家柄のいかめしい老人が、おもむろに「さもありなん」とうなずくなら、イメージに合うでしょうか?

実は「さもありなん」は、逆に軽いタッチで、少々のユーモアさえ含むようなニュアンスをまとい、現代の日常会話に根付いています。

例文をいくつか挙げてみますが、おそらく、そういえばそんな感じで耳にしたことがある、と思い出す方も多いのではないでしょうか。

例文

(A男)

健太のやつ、モデルに告白して振られたって?大胆なのにダメンズだもんな、さもありなん、さもありなん!

(B子)

山田課長、ついに降格ですってね。あのパワハラ、セクハラぶりだもの、さもありなん、だわ!

(C男)

鈴木氏がハワイに大別荘を建てたらしいよ。さもありなん、今をときめくIT長者だもんね。

「さもありなん」:現代語の類義表現

うなずける

「うなずける」はよくわかる、納得できる、共感をおぼえる、もっともであると感じる、などの意味をもちます。

ある行為ができる、することは可能であるという意味を表す可能動詞のひとつなので、「さもありなん」のように「当然」といったニュアンスはありません。

【文例】

  • 木村さんが、しきりに職場の待遇の不平等に文句を言っているけれど、うなずける部分もあるなあ。

もっともだ

「もっともだ」のもっとも、の漢字表記は「尤も」。その通り、と思えること。道理にかなっていること。まったく、当然、というような意味をもちます。

【文例】

  • 良子ちゃんが施設に保護されたそうだけど、あの両親の虐待ぶりなら、もっともだ。

「さもありなん」:古語から続く類義表現

古語からの生き残りの貴重な例から、二つの類義語表現をご紹介します。

むべなるかな

「むべなるかな」…いかにも古語、という響きのこの言葉は、平安時代よりも前から存在するといいます。「むべ(古来の読みでは「うべ」)」は漢字で「宣べ」と書き、「本当にそうだ」という意味を持ちます。

【文例】

  • 昨日、テレビの討論会で、若者の収入にいかに格差が広がっているかを力説している識者がいたんだけど、薄給の俺としては「むべなるかな!」と叫びたかったよ。

さもあらん

「さもあらん」は「さもありなん」とほぼ同義ですが、強い推量をあらわす「なん(む)」がないぶん、確信度や納得の気持ちが軽いニュアンスです。

【文例】

  • 留美ちゃんの手料理は美味しかったそうだね。まあ、さもあらん、かな。

「さもありなん」まとめ

平安時代、もしくはそのもっと前からの古語が、いまだに現代の会話に使われていることは驚嘆に値するのではないでしょうか。

そう考えると、「さもありなん」はまるで貴重な言葉の文化財のようなもの。時には口にして対話し、日本の言葉の歴史に想いをはせてみてはいかがでしょうか。

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