「とりとめのない」とは?意味や使い方をご紹介

「とりとめのない」とは、はっきりとした結論やまとまりのないことを意味する言葉で、「とりとめのない話」や「とりとめのない文章」などの言い回しで使われています。この記事では、そんな「とりとめのない」の意味や使い方を詳しくご紹介しています。

目次

  1. 「とりとめのない」の意味
  2. 「とりとめのない」の語源
  3. 「とりとめのない」の使い方
  4. 芥川龍之介の「とりとめのない」
  5. 「とりとめのない」の類語

「とりとめのない」の意味

「とりとめのない」とは、はっきりとした結論やまとまりのないことを意味する言葉です。「とりとめのない」を漢字で書くと、「取り留めの無い」となります。

「とりとめのない」の語源

「とりとめのない」は、まとめるという意味を持つ「取り留める(取留める)」という動詞の未然形「取留め(取り留め)」に、打消しの「ない」という助動詞が付いたものです。

また、「とりとめのない」に似た言い回しに「とりとめがない」と言うものがありますが、この二つは同じ意味で、どちらも正しい日本語表現です。

「とりとめのない」の使い方

「とりとめのない」は、「とりとめのない話」「とりとめのない空想」などの使い方をし、まとまりや目的が無いことを表現するときに使います。例文を見てみましょう。

「とりとめのない」の例文

  • 毎週水曜日は幼稚園に子供を送った帰りのママさんたちが、コーヒー一杯で何時間も「とりとめのない話」をし続けるので、お店としては正直迷惑だ。
  • 夫の実家に帰省すると、上げ膳据え膳でとても良くもてなしてくれるのだが、義母の「とりとめのない愚痴」を永遠聞き続けるという苦行が待っている。
  • 思春期特有の「とりとめのない不安感」を、ただのホルモンバランスの乱れと決めつけるのは、あまりにも乱暴な考えだ。

芥川龍之介の「とりとめのない」

「とりとめのない」という言葉を使った有名な文学表現の一つに、芥川龍之介の『羅生門(らしょうもん)』の一節があります。

芥川は、他の多くの作品でも「とりとめのない」という言葉を使っているので、もしかしたら「とりとめのない」という言葉は好きなフレーズの一つだったのかもしれませんね。

『羅生門』

申の刻下りからふり出した雨は、いまだに上るけしきがない。そこで、下人は、何をおいても差当り明日の暮しをどうにかしようとして――云わばどうにもならない事を、どうにかしようとして、とりとめもない考えをたどりながら、さっきから朱雀大路にふる雨の音を、聞くともなく聞いていたのである。

芥川龍之介『羅生門』より

『偸盗』

車の中の人は見えないが、紅の裾濃に染めた、すずしの下簾が、町すじの荒涼としているだけに、ひときわ目に立ってなまめかしい。それにつき添った牛飼いの童と雑色とは、うさんらしく太郎のほうへ目をやったが、牛だけは、角をたれて、漆のように黒い背を鷹揚にうねらしながら、わき見もせずに、のっそりと歩いてゆく。しかしとりとめのない考えに沈んでいる太郎には、車の金具の、まばゆく日に光ったのが、わずかに目にはいっただけである。

芥川龍之介『偸盗』より

『女体』

楊某と云う支那人が、ある夏の夜、あまり蒸暑いのに眼がさめて、頬杖をつきながら腹んばいになって、とりとめのない妄想に耽っていると、ふと一匹の虱が寝床の縁を這っているのに気がついた。

芥川龍之介『女体』より

「とりとめのない」の類語

「とりとめのない」と似た表現のいくつかをご紹介します。

  • 他愛のない(たわいのない)…まとまりがないこと。幼く思慮分別がないこと。
  • 目的のない…はっきりとした目的のない様子。
  • なんとなく…言動などに、はっきりとした理由や目的がない様子。
  • しどろもどろ…話し方や話の内容がひどく混乱している様子。
  • まとまりのない…まとまる様子が見られない様子。収まりが付かない様子。
  • 漠然と…ぼんやりとしてはっきりしない様子。


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