「下賎」とは?意味や使い方をご紹介

「下賤」という言葉をご存知でしょうか。この言葉は少し古めかしい表現で、歴史小説や時代劇などで見聞きすることが多いです。相手に対する非難や差別的なニュアンスを含むため、日常会話で使われることは少ないでしょう。ここでは「下賤」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「下賎」の意味
  2. 「下賎」の使い方
  3. 「下賤」の類語
  4. 「下賤」の対義語

「下賎」の意味

下賤(げせん)」とは、卑しい(いやしい)こと」「身分が低いことを指す言葉です。なお「卑しい」とは、下品な様子や、意地汚いさまなどを意味します。

「下賤」は、例えば歴史小説や時代劇で見聞きするような、少し古めかしいイメージのある言葉です。加えて、相手に対する非難や差別が込められている表現なので、現代の日常会話で使われることは少ないでしょう。

「賤」の字義

「賤」という字は音読みで「セン・ゼン」、訓読みで「いや(しい)・あや(しい)いや(しめる)・やす(い)・しず」と読みます。

「賤」には「いやしい」「身分が低い」「まずしい」「値段が安い」などの意味があります。とくに人に対して使う場合は、あまり良い意味では使われない字です。

「下」の字義

「下」という字には「あるものに比べて、低いほう」という意味があります。場所や位置が物理的に低いところにあることを示したり、地位・程度・年齢・能力などが劣っていることを示します。

「下賤」では「地位や程度が劣っている」という意味で用いられています。似たような意味を持つ「賤」と組み合わせることで、さらに意味が強調されています。

「下賎」の使い方

「下賤」は、みすぼらしい事物や品のない行動などに対して使いますが、実際に用いる際は「下賤な品物」や「下賤な趣味」のように、「下賤な〇〇」という形で表現することが多いです。

また、身分が低い人のことを「下賤の者」や「下賤の生まれ」のように呼ぶことがあります。ただし「下賤」には差別的なニュアンスが含まれていますので、誰かに使用する場合には十分に注意しましょう。

なお、自分自身のことを自虐的に「下賤の民だから」のように用いることもできます。この場合は、謙虚というよりは卑屈なニュアンスが含まれますので、安易な使用にはご注意ください。

「下賤」の例文・使用例

  • 王様は「下賤な者たちと会う必要は無い」と言い、晩餐会への参加を断った。
  • あなたはそれなりの立場の人なのだから、下賤な振る舞いは慎むべきです。
  • 私にはそのような下賤な趣味は一切ありません。
  • 「どうせ俺は下賤の生まれだし」と彼は卑屈に語った。

「下賤」の類語

卑賤

卑賤(ひせん)」とは、「身分が低く、いやしいこと」や「社会的な身分や地位が低いさま」を指す言葉です。日常会話で使われることは少ないですが、やや堅めの小説などで見かけることがあるかもしれません。

「卑」という字には「いやしい。下品な」「身分などが低い」などの意味があります。こちらも「下賤」と同様に、似たような意味を持つ字を並べることで、より意味を強調した表現です。

【使用例】
そのような卑賤な言動は慎むべきです。

下劣

下劣(げれつ)」とは、「人柄や態度が下品なこと」「品性が卑しいこと」を指す言葉です。接頭辞の「お」を付けて「お下劣」と言うこともあります。「下賤」とは異なり、「地位や身分が低いさま」に対しては用いません。

【使用例】
我々を失望させるような下劣な行為は止めていただきたい。

「下賤」の対義語

「下賤」の対義語にあたるのが「高貴(こうき)」という言葉です。「高貴」には「身分や家柄などが高いこと」「人柄などに気品があるさま」といった意味があります。

なお「貴」という字には、身分が高いという意味があります。また「貴殿」や「貴君」のように、先頭に付けることで相手への敬意を表します。

【使用例】
彼は高貴な生まれだが、それを感じさせない親しみやすさで人気を博している。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ