「贔屓」とは?意味や使い方をご紹介

贔屓とは、自分の気に入ったものだけを応援したり肩入れするという意味です。また、不公平な取り立ても贔屓と呼ばれます。この記事では意味や使い方はもちろん、由来や類義語なども紹介して贔屓とはどのような言葉なのか説明していきます。

目次

  1. 贔屓とは
  2. 贔屓の使い方・例文
  3. 贔屓の類義語
  4. 贔屓のことわざ
  5. 贔屓の英語表現

贔屓とは

贔屓の意味

「贔屓」は「ひいき」と読みます。アクセントは先頭の「ひ」にあります。「贔屓」の意味は、気に入ったものだけを応援し引き立てることや片方にだけ力を入れることです。また、そういった応援をする人のことも「贔屓」と呼ぶことがあります。

贔屓の由来

「贔屓」の由来は、中国の伝説上の生き物です。竜生九子(りゅうせいきゅうし)と呼ばれる九種類の伝説の生き物が語り継がれています。大食漢を意味する饕餮(とうてつ)などが有名です。

その兄弟の中の一匹が「ひき」あるいは「びき」と呼ばれています。この「ひき」が変化して日本で「ひいき」になったとされています。「ひき」の姿は亀に似ていて、その背に重いものを乗せると伝えられています。そのため、柱の付け根などに装飾として使われることがあります。

贔屓の使い方・例文

「贔屓」はサポーターやパトロン、あるいはなじみの客などになって後援する場合に使われます。また、本来公平であるべき事柄に、不公平な肩入れや取り立てをしている場合にも「贔屓」は使われます。こちらの使い方は本来の「贔屓」の使い方ではなく、後述する「えこひいき」が省略されたものといわれています。

例文

  • 「貴方のひいきのチームはどのチームですか?」
  • 「今後とも末永くごひいきに。」
  • 彼女ばかり評価されるなんて贔屓だ。

贔屓の類義語

えこひいき

「えこひいき」は一方だけに偏って不公平に肩入れすることです。漢字で「依怙贔屓」と書くこともあります。「依怙」には偏って不公平という意味があります。「贔屓」と違い、「依怙」と「依怙贔屓」は悪い意味でしか使われません。

判官びいき

「判官びいき」は「ほうがんびいき」と読みます。判官とは昔の日本の役人の階級ですが、「判官びいき」と使用する場合の「判官」は(鎌倉幕府を開いた源頼朝の弟)、源義経を指します。

義経は、実力があるにもかかわらず、悲劇的な運命に追いやられ、兄によって殺されるという最期を遂げます。

この故事から、不幸な人や不遇な立場に同情し、味方することを「判官びいき」と呼ぶようになりました。

身びいき

「身びいき」とは自分の家族や友人など、関係者を贔屓することです。「味方びいき」と呼ばれることもあります。コネ入社や縁故採用なども身びいきの一つと呼べるでしょう。

地元贔屓

「地元贔屓」は英語で「hometown decision」ともよばれ、スポーツなどで地元出身の審判が地元選手に有利に下される判決を指します。ボクシングでよく使われる言葉です。

贔屓のことわざ

贔屓偏頗

「贔屓偏頗」は「ひいきへんば」または「ひいきへんぱ」と読みます。意味は「えこひいき」と同じく、偏っていて不公平な肩入れです。「偏頗」も「依怙」と同じく偏っていて不公平なことを指します。

贔屓の引き倒し

「贔屓の引き倒し」は「ひいきのひきたおし」と読みます。誰かを贔屓しすぎるとかえってその人のためにならないという戒めの言葉です。

「贔屓」の由来となった「ひき」は柱の付け根に装飾されると書きました。この「ひき」を引っ張ると当然上に載っている柱も倒れてきます。これが由来となったとも言われています。

「贔屓の引き倒し」の類義語には「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」や「甲張り強くして家倒す」などがあります。

贔屓の英語表現

「贔屓」は英語では「favor」や「favorite」と訳されます。どちらもお気に入りという意味です。あるいは「fan」や「patronage」も文脈によっては使えるでしょう。

また、「依怙贔屓」となると、偏愛という意味の「partial」や差別を表す「discriminate」などになります。


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