「官能」とは?意味や使い方をご紹介

「官能(かんのう)」という言葉を聞いたことのある人は多いでしょう。おおむね「官能小説」や「官能映画」といった、少しいやらしい印象があるという人も多いでしょうが、元々は全く違う意味で使われていました。この記事では「官能」の由来についても紹介します。

目次

  1. 「官能」とは
  2. 「官能」の意味
  3. 「官能」の由来
  4. 「官能」の使い方
  5. 「官能」の類語

「官能」とは

「官能(かんのう)」は中国語(漢語)に由来する二字熟語です。もともとは「人間を含めた動物の感覚の働き」を意味していましたが、現在ではそうした意味で捉えらえていることはほとんどありません。

現在では、主に「性的(肉体的)な快楽にともなう感覚」を意味する言葉として認知されています。

「官能」の意味

「官能」の辞書的な意味は、次のようなものです。

  1. 生物の諸器官、特に感覚器官の働き。
  2. 感覚を起こさせる感覚器の働き。理性をまじえない心の作用。「感能」とも言う。
  3. 肉体的満足感。特に性的な欲望を享受し、感覚的に充足する働き。
  4. 機能に同じ。

このうち、1と2、4に関しては中国語における元々の意味に近いものと言えます。中国語における「官能(Guānnéng)」には「機能」のほかにも「効能」や「機能的」という意味があるようです。

「官能」の由来

では、現在よく使われる、3番目の意味での「官能」はいつ頃から使用されるようになったのでしょうか。

それはおおむね明治時代になってからのようです。明治時代の日本における代表的な詩人・歌人である北原白秋(1885~1942)が1909(明治42)年に出版した処女詩集『邪宗門』には、次のような用例があります。
 

ここ過ぎて曲節(メロデア)の悩みのむれに、
ここ過ぎて官能の愉楽のそのに、
ここ過ぎて神経のにがき魔睡に。
(「邪宗門扉銘」より)

濃霧はそそぐ……声もなき声の密語や。
官能の疲(つかれ)にまじるすすりなき
霊(たま)の震慄(おびえ)の音も甘く聾しゆきつつ、
ちかき野に喉絞めらるる淫女(たわれめ)のゆるき痙攣。
(「濃霧」より)

このように、「官能」という言葉が現在の意味で使われるようになったきっかけは、明治時代になって文学が他の学問や社会とともに飛躍的に発達する中で、詩人たちの柔軟な発想によって、言葉そのものがかつての意味を超える形で使われるようになったことにあると思われます。

「官能」の使い方

  • 自分がまだ二十代で、全く処女のやうな官能を以て、外界のあらゆる出来事に反応し(森鴎外「妄想」)
  • この作家の特質は、その官能的なまでの美的感覚にあると言って良いだろう。
  • 成人指定の官能小説は、18歳未満の人には買うことができません。

「官能」の類語

「艶(えん)な」という言葉には、「官能を刺激するような」という意味があります。

そのほかにも「艶」という字を使った言葉には、「艶(あで)やか」、「艶冶(えんや)」、「艶美(えんび)」、「妖艶(ようえん)」、「艶麗(えんれい)」などがありますが、どれも性的な欲望を掻き立てられるような、(主として女性の)姿態を表したものとなります。

セクシー

「セクシー(sexy)」には「性的な」という意味があります。

男女をとわず、「セクシー」であることはその人の魅力として捉えられることも多いですが、他人に対して不必要な状況であるにもかかわらず性的な目で見たり、セクシーさを求めたりすると、「セクシュアル・ハラスメント」となり得ますので注意が必要です。

エロ

「エロ」「エロチック」または「エロチシズム」の略語です。

「エロチック(エロティック)」は性的な興味や性的な興奮を起こさせるものである様子を意味し、「エロチシズム(エロティシズム)」は性愛に関する思想や官能美を表現する芸術活動のことを言います。

これらの語源にあたる「エロス(Eros)」はもともと、ギリシア神話における「愛の神」を意味していました。これはローマ神話の「クピド」、つまり英語の発音で言うところの「キューピッド(Cupid)」のことです。


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