「ほぼほぼ」とは?意味や使い方、若者言葉としての変化を解説

最近、会話の中で「ほぼほぼ」という言葉を耳にすることが増えたと感じていませんか?特に若い世代の間で自然に使われているこの表現、なんとなく意味は分かるけれど、実際にどういうニュアンスで使うのが正しいのか、ちょっと自信がないという方も多いかもしれません。

ほぼほぼとは?ほぼほぼの意味

「ほぼ」を重ねて強調した表現で、完全に近い状態であることをより強く示す副詞。ただし若い世代では「ほぼ」よりも曖昧で柔らかい印象を与える使い方も広まっています。

ほぼほぼの説明

「ほぼほぼ」は、元々は「ほぼ」という言葉を重ねて強調する表現として使われ始めました。例えば、「ほぼ」が90%程度の完成度を表すなら、「ほぼほぼ」は95%以上に近い、ほぼ完璧に近い状態を指します。しかし近年では、特に10代~20代の間で、本来の意味とは少し異なる使い方が広がっています。彼らにとっての「ほぼほぼ」は、むしろ「だいたい」「なんとなく」といった、より曖昧で柔らかいニュアンスを含むことが多いようです。2016年には「今年の新語」大賞を受賞するなど、社会的にも認知度が高まっている表現です。

言葉の使い方が時代とともに変化していく様子がよく表れていますね。コミュニケーションの多様性を感じさせる面白い表現です。

ほぼほぼの由来・語源

「ほぼほぼ」の語源は、副詞「ほぼ」を重ねて強調した表現として生まれました。「ほぼ」自体は古くから存在する言葉で、ほぼ完成、ほぼ同意といった使い方をされてきました。この「ほぼ」を二重に重ねることで、より完全に近い状態を表現しようとしたのが始まりです。興味深いのは、1949年の国会会議録に既に使用例が確認されており、実はかなり前から存在していた表現であること。1990年代から徐々に使用頻度が増加し、2014年には三省堂の国語辞典に正式に掲載されるまでになりました。

言葉は生き物ですね。時代とともに変化し、新たなニュアンスを獲得していく様子が「ほぼほぼ」からよく伝わってきます。

ほぼほぼの豆知識

「ほぼほぼ」が一気に市民権を得たきっかけは、2018年のSoftBankのCMでした。山崎弘也さんとバービーさんが共演した「ほぼ、ほぼほぼですね!」のセリフが話題を呼び、多くの人の記憶に残りました。また、2016年には「今年の新語」大賞を受賞するなど、社会的に認められた表現でもあります。若者を中心としたアンケートでは、大学生の約50%が日常的に使用しているというデータもあり、世代間での認識の差が面白いポイントです。

ほぼほぼのエピソード・逸話

お笑いコンビ・アンジャッシュの渡部建さんは、テレビ番組で「ほぼほぼ」について面白いエピソードを語っています。年配のディレクターから「『ほぼ』で十分なのに、なぜ『ほぼほぼ』と言うのか?」と質問された際、「『ほぼ』だと90%だけど、『ほぼほぼ』だと99%のイメージです」と説明したそうです。また、タレントのバービーさんは、あの有名なSoftBank CMについて「街中で『ほぼほぼですね!』と言われることが増えた」と告白しており、CMの影響力の大きさを実感したと語っています。

ほぼほぼの言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「ほぼほぼ」は「重複形」または「畳語」に分類されます。日本語には「ときどき」「さまざま」「それぞれ」など、同じ語を重ねて意味を強めたり、ニュアンスを変えたりする表現が多数存在します。「ほぼほぼ」の場合、単なる強調だけでなく、話し手の心理的な「曖昧さの表明」という機能も持っています。特に若年層では、断言を避けつつもほぼ確信しているという微妙なニュアンスを伝えるために使用される傾向があり、日本語の丁寧さや曖昧表現を好む文化的特性が反映されていると言えるでしょう。

ほぼほぼの例文

  • 1 週末の予定、ほぼほぼ決まったからあとは天気次第だね。雨さえ降らなければバーベキューできるんだけど…
  • 2 このプロジェクト、ほぼほぼ完成したと思ったら、最後の最後で微調整が必要になってしまった。あと少しなのに遠いなぁ。
  • 3 引越しの準備はほぼほぼ終わったんだけど、押入れの整理だけがどうしても残っちゃってる。みんなどうしてるんだろう?
  • 4 ダイエットしてて、目標体重までほぼほぼあと1kg!でもこの最後の1kgがなかなか落ちなくて困ってる…
  • 5 スマホのバッテリーがほぼほぼなくなりそうで焦る。充電器忘れたし、帰り道まで持つか心配だな。

「ほぼほぼ」の世代別使い分けポイント

「ほぼほぼ」の使い方は世代によって大きく異なります。若者と年配者では受け取り方に差があるため、状況に応じた使い分けが重要です。

  • 10-20代:曖昧さを残しつつもほぼ確信しているニュアンス。カジュアルな会話で多用
  • 30-40代:ほぼ完成に近い状態を強調。ビジネスでも状況を見て使用
  • 50代以上:違和感を感じる場合が多い。重要な場面では避けるのが無難

特にビジネスシーンでは、相手の年齢や立場を考慮して使用するかどうか判断しましょう。

「ほぼほぼ」の歴史的変遷

「ほぼほぼ」は意外にも古くから存在する表現です。その歴史的変遷をたどると、日本語の面白さがわかります。

  1. 1949年:国会会議録に初めて使用例が確認される
  2. 1990年代:徐々に使用頻度が増加し始める
  3. 2014年:三省堂国語辞典第7版に正式掲載
  4. 2016年:「今年の新語」大賞受賞
  5. 2018年:SoftBank CMで爆発的に普及

言葉は時代とともに変化する生き物です。「ほぼほぼ」の歴史は、日本語の柔軟性と進化を如実に物語っています

— 言語学者

関連用語と使い分けのコツ

「ほぼほぼ」には多くの類義語がありますが、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。適切な場面で正しく使い分けましょう。

言葉完成度使用場面ニュアンス
ほぼほぼ95%以上カジュアルな会話ほぼ確実だが曖昧さ残す
ほぼ90%程度日常会話全般大方完成している
ほとんど95%以上フォーマルな場面ほぼ完全に近い
大体80-90%日常会話ざっくりとした概算
概ね90%以上ビジネス文書公式なほぼ完成

特にビジネスメールでは「概ね」、友達との会話では「ほぼほぼ」など、TPOに応じて使い分けるのがスマートです。

よくある質問(FAQ)

「ほぼほぼ」は正しい日本語ですか?

「ほぼほぼ」は辞書に掲載されている正式な表現です。2014年の三省堂国語辞典第7版から収録されており、特に若者を中心に広く使われるようになった現代日本語の一つとして認められています。

「ほぼ」と「ほぼほぼ」ではどちらが完成度が高いですか?

本来の意味では「ほぼほぼ」の方が完成度が高いです。「ほぼ」が90%程度を表すのに対し、「ほぼほぼ」は95%以上に近い、ほぼ完璧な状態を指します。ただし若者世代では逆に曖昧な表現として使われることもあります。

ビジネスシーンで「ほぼほぼ」を使っても大丈夫ですか?

状況によりますが、基本的には注意が必要です。年配の方や目上の人には違和感を覚える場合もあるため、重要な商談や公式な場面では「ほぼ」「概ね」「大部分」など、より確かな表現を使うのが無難でしょう。

「ほぼほぼ」が流行ったきっかけは何ですか?

2018年のSoftBankのCMが大きなきっかけです。山崎弘也さんとバービーさんが出演した「ほぼ、ほぼほぼですね!」のセリフが話題になり、一気に認知度が向上しました。2016年には「今年の新語」大賞も受賞しています。

「ほぼほぼ」の類語にはどんなものがありますか?

「ほとんど」「大体」「概ね」「大方」「大概」などが類語として挙げられます。ただし、それぞれ微妙にニュアンスが異なるため、文脈に応じて適切な表現を選ぶことが大切です。