ミイラ取りがミイラになるとは?ミイラ取りがミイラになるの意味
人を連れ戻しに行った者が、逆にその場に留まって帰って来なくなること。また、説得するはずが逆に説得されてしまうこと。
ミイラ取りがミイラになるの説明
このことわざの語源は、古代エジプトでミルラ(没薬)という植物を採取しに行った人々が、目的を果たせずに砂漠で力尽き、自分たちがミイラになってしまった故事に由来します。ミルラは防腐剤として使われていた植物で、これが転じて「ミイラ」という言葉が生まれました。現代では、例えば友達をパチンコ屋から連れ戻しに行ったのに、自分も誘われてはまってしまうようなシチュエーションで使われます。類義語には「木菟引きが木菟に引かれる」や「人捕る亀は人に捕られる」などがありますが、やはり「ミイラ取りがミイラになる」が最もポピュラーな表現として親しまれています。英語では「Many go out for wool and come home shorn」(羊毛を取りに行って、刈られて帰ってくる)という類似のことわざが存在します。
思わぬ展開に巻き込まれることってありますよね。まさに人生のサプライズを表すことわざだと思います!
ミイラ取りがミイラになるの由来・語源
「ミイラ取りがミイラになる」の語源は、古代エジプトのミルラ(没薬)採取に遡ります。ミルラは防腐剤としてミイラ作りに使われる植物で、これを求めて砂漠へ向かった採取人たちが、過酷な環境で目的を果たせずに命を落とし、自分たちがミイラになってしまったという実話に基づいています。16世紀にポルトガルから伝わった「ミルラ」という言葉が日本語化して「ミイラ」となり、この悲哀なエピソードがことわざとして定着しました。もともとは文字通りの意味でしたが、次第に比喩的な表現として広まっていきました。
ことわざ一つから、歴史と人間のドラマが見えてくるのが面白いですね!
ミイラ取りがミイラになるの豆知識
面白い豆知識として、ミイラ取りが実際にミイラになるという現象は、近代まで続いていたそうです。19世紀にはエジプトでミイラが肥料や燃料として利用されていたため、ヨーロッパの収集家が現地人を雇ってミイラを発掘させると、現地人たちが砂漠で遭難してミイラになるという事件が実際に起きていました。また、日本語では「ミイラ」という言葉自体がポルトガル語由来である点も興味深く、文化交流の歴史がことわざに刻まれていると言えます。
ミイラ取りがミイラになるのエピソード・逸話
あの有名な冒険家・植村直己さんも、ある意味で「ミイラ取りがミイラになる」体験をしています。当初は単独行の危険性を説くために極地へ向かったジャーナリストたちが、逆に植村さんの生き方に感化され、自ら冒険に目覚めるという現象が多発しました。またビジネスの世界では、ソフトバンクの孫正義氏が、当初は他人を説得する立場だったのが、逆にその熱意で周囲を巻き込み、大きなプロジェクトが生まれるというケースも。まさに現代版のミイラ取りがミイラになる現象と言えるでしょう。
ミイラ取りがミイラになるの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「ミイラ取りがミイラになる」は対句構造を持つ典型的なことわざです。主語と述語が同じ語根を持つことで、意味の反復性とリズム感を生み出しています。また、この表現は「AがBになる」という転換を表す構文で、予想外の結果や逆説的な結末を強調する効果があります。歴史的には、江戸時代から使われていた記録が残っており、当時から人々の共感を集める表現でした。現代でもその鮮烈なイメージから、比喩表現として新聞見出しやビジネス書などで頻繁に引用される、生命力の強いことわざと言えます。
ミイラ取りがミイラになるの例文
- 1 友達をパチンコ屋から連れ戻しに行ったのに、逆に勧誘されて自分も夢中になってしまった…まさにミイラ取りがミイラになるとはこのことだね
- 2 ダイエットのアドバイスをしに行ったはずが、相手の美味しそうなスイーツ写真に見とれて一緒に食べてしまい、結局私まで太るなんてミイラ取りがミイラになったよ
- 3 子供にゲームのやりすぎを注意しに行ったら、面白そうなゲームを教えられて結局自分もハマってしまった。完全にミイラ取りがミイラ状態だわ
- 4 同僚を飲み会から早退させようとしたら、『一杯だけ』と誘われて結局最後まで居残ってしまい、翌日寝不足で仕事に支障が…まさにミイラ取りがミイラになる典型例だ
- 5 彼氏の浪費癖を直そうと説得しに行ったのに、逆に『これお買い得だよ』と勧められて不要なものまで買ってしまった。ミイラ取りがミイラになるとはまさにこのこと
使用時の注意点と適切な使い分け
「ミイラ取りがミイラになる」を使う際には、いくつかの注意点があります。まず、基本的にネガティブなニュアンスを含む表現であることを理解しておきましょう。相手を非難するような場面で使うと、人間関係にヒビが入る可能性があります。
- ビジネスシーンでは、軽いジョークとして使う程度に留める
- 深刻な失敗をした人に対しては使わない方が無難
- 自分自身に対して使う自虐的な表現として用いるのが安全
- 若い世代には通じない場合もあるので、説明を添えると良い
また、類似のことわざとの使い分けも重要です。「紺屋の白袴」は専門家が自分のことを疎かにする意味で、目的と結果が逆転する点では似ていますが、ニュアンスが異なります。
歴史的な背景と文化的影响
このことわざが広く使われるようになった背景には、江戸時代の文化交流が大きく関係しています。ポルトガル語の「ミルラ」が日本語化した「ミイラ」という言葉は、当時の人々にとって非常にエキゾチックで印象的なものでした。
異国の文化と自国の教訓が見事に融合した、国際的なことわざの好例と言えるでしょう
— 日本語ことわざ研究学会
明治時代以降、エジプト考古学への関心の高まりとともに、このことわざはさらに広まりました。実際のミイラ発掘の危険性が報道されるにつれ、ことわざのリアリティが増していったのです。
現代における応用と関連用語
現代では、このことわざはデジタル時代の新しい現象にも応用されています。例えば、SNSで炎上対応に行ったモデレーターが逆に炎上に巻き込まれるケースや、ハッカーを捕まえに行ったセキュリティ専門家が逆にハッキングされる事例などです。
- ネットリテラシー教育での注意喚起
- サイバーセキュリティ訓練の教材
- ビジネス交渉術の失敗例として
- 心理学の「説得の逆効果」研究
関連用語としては、「逆説的な結果」「意図せぬ結果」「ブーメラン効果」などが挙げられます。特に心理学では「説得抵抗」や「反発理論」として研究されており、人間の心理メカニズムを理解する上でも重要な概念です。
よくある質問(FAQ)
「ミイラ取りがミイラになる」はビジネスシーンでも使えますか?
はい、ビジネスシーンでもよく使われます。例えば、説得しに行った営業担当が逆に相手の提案に乗せられたり、交渉に行ったはずがこちらの条件を譲歩してしまったりする状況で使えます。特に新規事業の提案や契約交渉などで、予想外の方向に話が進んだ時にぴったりの表現です。
このことわざは良い意味でも使われますか?
基本的にはネガティブなニュアンスで使われることが多いですが、場合によってはポジティブな意味合いにもなります。例えば、人材募集に行ったら逆にその会社の魅力に惹かれて転職してしまうなど、思わぬ良い結果につながる場合にも使えることがあります。文脈によってニュアンスが変わる面白いことわざです。
英語で似たような表現はありますか?
英語では「Many go out for wool and come home shorn」(羊毛を取りに行って、刈られて帰ってくる)という類似のことわざがあります。また「The biter is bit」(噛む者が噛まれる)も近い意味で使われます。文化は違っても、同じような人間の失敗パターンが世界各地であるのが興味深いですね。
実際にミイラ取りがミイラになった歴史的な事例はありますか?
19世紀に実際にあった話として、ヨーロッパの収集家がエジプト人を雇ってミイラを発掘させたところ、現地のガイドたちが砂漠で遭難し、自分たちがミイラになってしまったという記録が残っています。この実話がことわざの由来の一つとなっており、文字通りの意味でも使われていたことがわかります。
日常生活でよくある「ミイラ取りがミイラになる」シチュエーションは?
よくある例としては、友達を遊びに誘いに行ったら逆にその場に引き留められてしまったり、子供を寝かしつけに行ったら自分も一緒に寝落ちしてしまったりする場面です。また、デートで相手を説得しに行ったら逆に納得させられてしまうというのも典型的なパターンで、誰にでも経験のあるある話と言えるでしょう。