「策定」とは?意味や読み方、「制定」「策定」の違いや使い方まで徹底解説

「新しい経営計画を策定する」「防災計画の策定に着手した」といった一文を、ニュースや社内文書で目にしたことはありませんか?「策定(さくてい)」は、方針や計画といったまとまった構想を、あれこれ検討したうえで作り上げ、決めることを指す言葉です。日常会話ではあまり使わないものの、ビジネスや行政の場面では欠かせない一語。似た言葉との違いも含めて整理してみましょう。

策定とは?策定の意味

政策・計画・方針・戦略など、ある程度まとまった構想を、いろいろと考え検討したうえで作り定めること。単に文章を書く「作成」よりも、内容を練り上げて決定するというニュアンスが強い書き言葉です。

策定の説明

「策定」は、「策」を「定める」と書くとおり、政策・計画・方針といったまとまりのある構想を、検討を重ねて練り上げ、正式に決めることを意味します。読み方は「さくてい」です。単に書類を仕上げる「作成」と違い、「策定」には、複数の案を比較検討したり関係者と調整したりしながら内容を固めていく、というプロセスの重みが感じられます。そのため対象になるのは「計画」「戦略」「方針」「ガイドライン」「基準」など、抽象度が高く影響範囲の広いものが中心です。行政では「基本計画を策定する」、企業では「中期経営計画を策定する」といった形で用いられ、公式性の高い書き言葉として定着しています。会話では「計画を立てる」「方針を決める」と言い換えるのが自然です。

「策定」は、ただ書くのではなく『練って決める』重みのある言葉ですね。計画や方針といった大きな構想に対して使うと、しっくりくると思います。

策定の由来・語源

「策」という字は、もともと竹の札や、はかりごと・計画を意味し、「対策」「政策」「方策」などのように「考えて練った手立て」を表す語に広く使われてきました。「定」は「さだめる」、すなわち決めて固定することを表します。この二つが組み合わさった「策定」は、「策(練り上げた手立て・計画)」を「定める(決める)」という構成の熟語で、練った計画をきちんと決定するという意味合いを持つと考えられます。古典に由来する故事があるわけではなく、近代以降、行政や組織運営の文書のなかで、計画や方針を正式に決める行為を表す語として使われるようになった、比較的あらたまった書き言葉と位置づけられます。

似たような漢語がいくつもあるなかで、対象に応じて自然と使い分けられているのは面白いですね。『計画には策定』と覚えておくと、迷いにくくなると思います。

策定の豆知識

「策定」は日常会話ではあまり登場しない一方、官公庁や自治体の文書、企業の経営資料などでは非常によく見かける言葉です。国や自治体が作る「基本計画」「防災計画」「総合戦略」などには、しばしば「〜を策定する」という表現が用いられます。似た響きの「制定」と混同されやすいのも特徴で、法律や条例のように『規則そのものを新しく定める』ときは「制定」、計画や方針を『練り上げて決める』ときは「策定」と、対象によって使い分けられるのが一般的とされます。また「策定中」という言い方で、まだ検討・作成の途中である状態を表すこともよくあります。

策定のエピソード・逸話

たとえば自治体が新しい防災計画をつくる場合、いきなり文章を書き始めるのではなく、現状の課題を洗い出し、有識者や住民の意見を聞き、複数の案を比較しながら少しずつ内容を固めていく、という長い過程を経ることが多いとされます。こうした一連のプロセス全体を指して「防災計画を策定する」と表現するわけです。企業でも、中期経営計画の策定にあたって各部門からデータを集め、経営会議で何度も議論を重ねる、といった進め方が一般的と言われます。「策定」という一語の裏には、こうした検討と調整の積み重ねが含まれている、と考えると理解しやすいでしょう。

策定の言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「策定」は「策」+「定」という、名詞的要素と動詞的要素が結びついた漢語の複合語(いわゆるサ変動詞の語幹)で、「策定する」の形で動詞としても働きます。「作成」「制定」「設定」「決定」などと同じく「〜定」「〜成」といった漢語動詞のグループに属し、いずれも『何かを作り決める』意味を共有しながら、対象や含意で微妙にすみ分けています。「作成」が具体物・文書を作ることに広く使えるのに対し、「策定」は抽象的でまとまりのある構想(計画・戦略・方針)に対象が偏るという選択制限が見られる点が特徴的です。こうした類義の漢語動詞が対象によって使い分けられるのは、日本語の漢語語彙の豊かさを示す一例と言えます。

策定の例文

  • 1 来年度からの中期経営計画を策定するため、各部門から現状のデータを集めています。
  • 2 市は大規模災害に備えた新しい防災計画を策定し、来月公表する予定とのことです。
  • 3 情報セキュリティに関する社内ガイドラインの策定を、私のチームが担当することになりました。
  • 4 この方針はまだ策定中の段階ですので、内容は今後変更される可能性があります。
  • 5 関係部署と調整を重ねながら、実効性のある行動計画を策定していきたいと考えています。

「策定」が使われる主な対象と注意点

「策定」は、あらゆるものに使えるわけではなく、計画・方針・戦略といった、ある程度まとまった抽象的な構想を対象にする傾向があります。単発の書類やメール文面を作ることには「作成」を使い、組織として練り上げて決める大きな枠組みには「策定」を使う、と考えると使い分けやすくなります。以下のような点に注意すると、より自然に使えます。

  • 対象は「計画」「戦略」「方針」「ガイドライン」「基準」など、まとまった構想に向く
  • 単なる書類・資料を作る場合は「作成」を使うのが自然
  • ルールそのものを新しく定めるときは「制定」を使い分ける
  • 検討や調整の途中であることを表すときは「策定中」と言える
  • 日常会話では「計画を立てる」「方針を決める」と言い換える

「策定」と似た漢語動詞の比較

「策定」を正しく使うには、意味の近い漢語動詞との違いを押さえておくと便利です。いずれも『何かを作り決める』意味を共有していますが、得意とする対象やニュアンスが少しずつ異なります。代表的な語を整理してみましょう。

主な対象ニュアンス
策定 計画・方針・戦略などまとまった構想 検討し練り上げて決める
制定 法律・条例・規則などのルール 規則そのものを新しく定める
作成 書類・資料・データなど具体物 ものを作る、仕上げる
設定 目標・条件・数値など ある値や枠組みを定める
決定 方針・事項などの選択 最終的に決める、確定する

この表はあくまで大まかな目安で、実際には文脈によって重なり合う部分もあります。とはいえ、「計画には策定」「ルールには制定」「書類には作成」というおおよその対応を覚えておくと、迷いにくくなるとされています。

「策定」の一般的な進め方

「策定」という言葉には、単に決めるだけでなく、そこに至るまでの検討や調整の過程が含まれていると考えられます。行政や企業で計画を策定する場合、一般的には次のような段階を踏むことが多いとされます。実際の進め方は組織や案件によって異なりますが、大まかな流れとして参考になります。

  1. 現状や課題を把握し、策定の目的や範囲を明確にする
  2. 関係者や有識者、必要に応じて住民・利用者の意見を集める
  3. 複数の案を比較検討し、方向性の素案をまとめる
  4. 会議や協議を通じて内容を調整し、案を固める
  5. 最終的な計画・方針として正式に決定し、公表・共有する

このように、「策定」は一度で終わる作業というより、検討と調整を積み重ねて構想を練り上げていくプロセス全体を指す言葉と言えます。だからこそ、単なる「作成」とは異なる重みを持ち、公式性の高い計画や方針に対して用いられるのだと考えられます。

よくある質問(FAQ)

「策定」は何と読みますか?

「さくてい」と読みます。「策(さく)」を音読みで「さく」、「定(てい)」を「てい」と読みます。「政策(せいさく)」の「策」、「決定(けってい)」の「定」と同じ読みで、それほど難しい読み方ではありませんが、日常会話で口にする機会は少ない言葉です。

「策定」と「制定」はどう違いますか?

一般的には、対象によって使い分けられるとされます。「制定」は法律・条例・規則など、ルールそのものを新しく定めるときに使われることが多いのに対し、「策定」は計画・方針・戦略といった、練り上げてまとめる構想に対して使われる傾向があります。たとえば「条例を制定する」「基本計画を策定する」のような組み合わせが自然とされています。

「策定」と「作成」はどう使い分けますか?

「作成」は書類・資料・データなど具体的なものを作る場合に広く使える一般的な語です。一方「策定」は、内容を検討し練り上げて決めるというニュアンスが強く、計画や方針などまとまった構想に用いられます。「資料を作成する」は自然ですが、「資料を策定する」とはあまり言わず、「計画を策定する」のように使うのが一般的です。

「策定」はどんな場面で使う言葉ですか?

主に行政やビジネスなど、あらたまった書き言葉の場面で使われます。官公庁や自治体の計画・戦略、企業の経営計画や社内ガイドラインなどを決める文書でよく見かけます。日常会話ではほとんど使われず、口頭では「計画を立てる」「方針を決める」などと言い換えるのが自然です。

「策定する」の言い換え表現にはどんなものがありますか?

文脈にもよりますが、「立てる」「作り上げる」「取りまとめる」「まとめる」「定める」などが近い意味で使えます。たとえば「計画を策定する」は「計画を立てる」「計画を取りまとめる」と言い換えられます。ただし「策定」が持つ、検討して練り上げるという重みは、平易な語では十分に表しきれない場合もあります。