「居ました」とは?意味や読み方、「いました」との使い分け・敬語表現まで徹底解説

メールや報告書で「先ほどまで居ました」と書こうとして、「居」を漢字にすべきか、それとも「いました」とひらがなにすべきか、迷ったことはありませんか?「居ました(いました)」は動詞「居る」の丁寧な過去形で、人や動物がそこに存在していたことを表す、ごく身近な言葉です。ふだん何気なく使っている一方で、表記や敬語のルールになると意外と奥が深い表現でもあります。

居ましたとは?居ましたの意味

動詞「居る(いる)」に丁寧の助動詞「ます」の過去形「ました」が付いた形。人や動物などがある場所に存在していたこと、その場にいたことを、ていねいに述べる言い方です。

居ましたの説明

「居ました」は、「そこにいる・存在する」という意味の動詞「居る」を、丁寧語「ます」で受けて過去にした形で、読み方は「いました」です。「昨日は家に居ました」「受付に担当者が居ました」のように、人や動物が特定の場所・時点に存在していたことを表します。話し言葉・書き言葉のどちらでも使われますが、実際の表記では漢字の「居ました」よりも、ひらがなの「いました」が選ばれることも多い語です。とくに公用文やビジネス文書では、補助動詞的に使う場合(「〜して居ました」など)はひらがな書きが推奨される傾向があるとされ、状況に応じた使い分けが求められます。

「居ました」は誰もが使う基本の言葉ですが、漢字にするかひらがなにするかで印象が変わる、奥ゆかしい表現ですね。読み手や場面に合わせて表記を選べると、文章がぐっと読みやすくなります。

居ましたの由来・語源

「居る」は古くから「すわる」「とどまる」「その場に存在する」といった意味を持つ動詞で、もともとは腰を下ろしてそこにとどまる、というニュアンスを含んでいたと言われます。現代語の「いる(存在する)」の意味は、この「その場にとどまる」という語義から発展したものと考えられています。これに丁寧の助動詞「ます」が付いて「居ます」となり、その過去形が「居ました」です。「居」という漢字は建物や場所に関わる字で、「住居」「居室」「同居」などにも用いられ、人がそこに身を置くことを表す点で「居る」の語義とよく重なっています。

一つの「いる」が、存在も動作の継続も表せるというのは、日本語ならではの柔らかさですね。その二つの顔が、表記の選び方にまで影響しているのが面白いところです。

居ましたの豆知識

「居ました」をめぐってよく話題になるのが、漢字とひらがなの使い分けです。文化庁の「公用文作成の考え方」などでは、動詞本来の意味で使う場合は漢字でもよいものの、補助動詞として使う「〜している」の「いる」はひらがなで書くことが目安として示されているとされます。この考え方に従うと、「そこに居ました(存在した)」は漢字も許容される一方、「本を読んでいました」の「いました」はひらがなが自然、ということになります。日常のメールやSNSではこの区別はあまり意識されませんが、公的な文書や整った文章では表記が揺れないよう配慮されることが多いようです。

居ましたのエピソード・逸話

職場で「さっきまで会議室に居ました」と報告メールを書いた人が、上司から「ここは『いました』でよいのでは」と指摘された、というような話はしばしば聞かれます。間違いというわけではなく、社内文書の表記ルールとして「補助的な意味合いの『いる』はひらがな」に統一している組織も少なくないためと言われます。また、接客業などでは、お客様に対して「お待ちのお客様が居ました」ではなく「いらっしゃいました」と言い換えるのが適切とされる場面も多く、「居ました」をそのまま敬語として使ってよいかは相手や状況によって変わってきます。

居ましたの言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「居ました」は〈動詞語幹+丁寧の助動詞「ます」+過去(完了)の「た(→ました)」〉という、日本語の述語がもつ層構造をコンパクトに示す例です。「居る」は存在を表す動詞で、無生物の存在を表す「ある」と対をなし、一般に人・動物など動くものの存在に用いられます。さらに「居る」は「読んでいる」「歩いている」のように、動作の継続・結果の状態を表す補助動詞(アスペクトを担う要素)としても発達しました。この本動詞用法と補助動詞用法の二面性が、漢字・ひらがなの表記の揺れと結びついている点は、日本語表記の興味深い特徴と言えます。

居ましたの例文

  • 1 昨日の午後は、ずっと自宅に居ました。
  • 2 先ほどまで受付に担当者が居ましたので、すぐ戻ると思います。
  • 3 会場には、開演前から大勢の観客が居ました。
  • 4 子どものころ、庭にはよく野良猫が居ました。
  • 5 その時間帯、私は別の部屋に居ましたので、物音には気づきませんでした。

「居ました」を使うときのポイントと注意点

「居ました」は、人や動物がある場所・時点に存在していたことを丁寧に述べる、日常的な表現です。誰もが使う基本の言葉ですが、実際に文章で使う際には、漢字とひらがなの使い分け、敬語表現との関係など、いくつか気をつけたい点があります。とくにビジネス文書や改まった文章では、次のようなポイントを意識すると、読みやすく落ち着いた印象になります。

  • 本来の「存在する」意味なら「居ました」、動作の継続を表す補助動詞なら「いました」と書き分ける
  • 自分側の所在をへりくだって述べたいときは「おりました」を使う
  • 相手や目上の人を高めたいときは「いらっしゃいました」「おられました」に言い換える
  • 公用文や社内文書では、迷ったらひらがなの「いました」に統一すると表記が揺れにくい
  • 一文の中で漢字とひらがなが混在しないよう、表記をそろえる

「居ました」と関連表現の比較

「居ました」を正しく使い分けるには、丁寧さや敬意のレベルが異なる関連表現との違いを押さえておくと便利です。同じ「その場にいた」という内容でも、自分のことを述べるのか、相手を高めるのかによって適切な言い方が変わります。代表的な表現を整理すると、次のようになります。

表現敬語の種類主に使う場面
いた 普通体(常体) 友人との会話、メモ、日記など
居ました/いました 丁寧語 一般的な会話・メール、自分や第三者の所在を丁寧に述べる場面
おりました 謙譲・丁重語 自分側の所在をあらたまって述べる、ビジネス文書
いらっしゃいました 尊敬語 相手や目上の人が『いた』ことを高めて述べる場面
おられました 尊敬語(地域差あり) 相手を高めて述べる、やや地域や慣用による揺れがある

「おられました」は「おる」に尊敬の「れる」が付いた形で、地域や人によって使い方に幅があるとされます。相手を確実に高めたい場面では「いらっしゃいました」を選ぶと、より広く自然に受け止められると言えるでしょう。

漢字「居ました」とひらがな「いました」の使い分け

「居ました」をめぐって最も迷いやすいのが、漢字で書くかひらがなで書くかという表記の問題です。目安としてよく挙げられるのは、「居る」を本来の『存在する』という意味で使うときは漢字も許容され、「〜している」のように動作の継続・状態を表す補助動詞として使うときはひらがなにする、という考え方です。公用文の表記に関する指針でも、補助的に使う「いる」はひらがな書きが基本とされているとされ、整った文章ではこの区別が意識されることがあります。

  1. 存在の意味(漢字が許容される例):「その日は家に居ました」
  2. 存在の意味(ひらがなでも自然):「その日は家にいました」
  3. 動作の継続(ひらがなが基本):「ずっと本を読んでいました」
  4. 動作の継続(漢字は不自然とされる):「ずっと本を読んで居ました」
  5. 公用文・ビジネス文書:迷ったら「いました」に統一すると無難

とはいえ、日常のメールやSNSでは、この区別をそれほど厳密に守らなくても意味は十分に伝わります。大切なのは、一つの文章の中で表記をそろえ、読み手が引っかからないようにすることです。フォーマルな場では指針に沿ってひらがなを基本にしつつ、文学的な表現などであえて「居ました」と漢字を選ぶ、といった柔軟な使い分けができると、より豊かな日本語表現につながると言えるでしょう。

よくある質問(FAQ)

「居ました」は何と読みますか?

「いました」と読みます。動詞「居る(いる)」に丁寧の「ます」が付いた「居ます」の過去形で、「きょ」と音読みするのではなく、訓読みで「い」と読みます。「居間(いま)」の「居」と同じ読み方です。

「居ました」と「いました」はどちらが正しいですか?

どちらも誤りではありません。人や動物が存在したという本来の意味で使う場合は「居ました」と漢字で書くことも許容されますが、「読んでいました」のように動作の継続を表す補助動詞の場合は「いました」とひらがなで書くのが目安とされています。公用文やビジネス文書では、迷ったらひらがなの「いました」に統一すると読みやすくなることが多いようです。

「居ました」と「おりました」はどう違いますか?

「おりました」は「居る」の謙譲・丁重表現「おる」を使った言い方で、自分側のことをへりくだって述べるときに使われます。「私は会場に居ました」よりも「私は会場におりました」の方があらたまった印象になります。目上の相手に対して自分の所在を述べる場合は「おりました」の方が丁寧とされ、ビジネスの場面ではよく用いられます。

目上の人が『いた』ことを「居ました」と言ってよいですか?

相手や第三者を高めたい場合は、「居ました」ではなく尊敬表現の「いらっしゃいました」「おられました」を使う方が適切とされます。「部長は先ほどまで会議室に居ました」より「部長は先ほどまで会議室にいらっしゃいました」の方が敬意が伝わります。「居ました」自体は丁寧な言い方ですが、相手を高める働きは持たない点に注意が必要です。

ビジネスメールで「居ました」を使っても失礼になりませんか?

自分の所在を述べる場面であれば、「居ました」や「おりました」を使っても失礼にはあたりません。ただし、より丁寧にしたい相手には「おりました」が好まれます。また、社内の表記ルールで補助動詞の「いる」をひらがなに統一している場合もあるため、フォーマルな文書では「いました」とひらがな書きにするか、周囲の慣例に合わせると無難です。