居ませんとは?居ませんの意味
動詞「居る(いる)」に丁寧の助動詞「ます」の否定形「ません」がついた形。人や動物などがその場に存在しない、または在席・在宅していないことを丁寧に述べる表現です。
居ませんの説明
「居ません」は「いません」と読み、「そこにいる」「存在する」を意味する動詞「居る」を、丁寧かつ否定の形にした言い回しです。基本的には人や動物といった生き物について、「ここにはいない」「今はいない」ことを表します。机やパソコンのような物が無いことは「ありません」で表すのが一般的で、生き物には「居ません」、物には「ありません」とおおまかに使い分けられます。日常会話でもビジネスでも幅広く使われますが、書き言葉では漢字の「居ません」より平仮名の「いません」が好まれる傾向があり、公用文などでは仮名書きが推奨されることが多いとされています。
「居ません」は毎日のように使う言葉ですが、いざ文字にすると漢字か平仮名かで手が止まりがちですね。意味の中心は『生き物がその場にいない』こと。ここを押さえておけば迷いにくくなります。
居ませんの由来・語源
「居ません」の中心にある動詞「居る(いる)」は、古くは「ゐる」と書かれ、「座る」「その場にとどまる」「存在する」といった意味を持っていました。もともとは腰を下ろしてその場に留まる動作を表したものが、時代を経て「そこに存在する」という状態の意味へと広がっていったと説明されることが多い語です。これに丁寧の「ます」の否定形「ません」が付いて、「居ません」という丁寧な否定の形が成り立っています。「ません」自体は「ます」+打消しから成る近代的な丁寧表現で、現代語で広く使われる形です。
生き物か物かで存在の言葉を替えるのは、日本語を学ぶ人がよくつまずくところだそうです。『居ません』と『ありません』の線引きを意識すると、言葉の輪郭がくっきり見えてきますね。
居ませんの豆知識
「居る」の「居」は常用漢字で「い(る)」という訓読みが認められていますが、公用文や新聞などでは補助的に使われる動詞を仮名で書く方針がとられることが多く、「いる」「いない」「いません」と平仮名表記になる場面が目立ちます。「本を読んでいる」のように補助動詞として使う「いる」は特に仮名書きが基本とされます。一方で、「居間」「居住」「同居」のように熟語の中では「居」の漢字がしっかり使われており、単独の動詞としての「居る」だけ仮名書きが好まれるという、少しねじれた事情がある語だと言えます。
居ませんのエピソード・逸話
電話応対の場面は、「居ません」の使い方が問われる代表例としてよく挙げられます。取引先から担当者あての電話を受けたとき、つい「○○は居ません」と答えてしまいがちですが、社外の相手に対しては自分側の人間を低めて言うのが基本とされ、「あいにく○○は席を外しております」「○○はただ今おりません」と言い換えるのが望ましいと案内されることが多いようです。「居ません」はそのままだと事実を述べているだけで敬語のニュアンスが薄いため、ビジネス研修などでは「おりません」への言い換えが繰り返し取り上げられる、と言われます。
居ませんの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「居ません」は「居る」という状態動詞に、丁寧の助動詞「ます」とその否定形「ん(ぬ)」が重なった構造です。日本語では、存在を表す動詞が対象の性質によって使い分けられる点が特徴的で、人や動物などの生き物には「いる/居る」、物や事柄には「ある」を用いるのが原則とされます。したがって否定形も、生き物には「居ません(いません)」、物には「ありません」と対応します。また「居る」には、謙譲の「おる(おります・おりません)」という対の語があり、話し手が自分側をへりくだって述べる場面では「おりません」が選ばれるなど、待遇表現(敬語)による使い分けが発達している点も日本語らしい特徴です。
居ませんの例文
- 1 呼び鈴を鳴らしてみましたが、家には誰も居ませんでした。
- 2 この時間の教室には、もう学生は居ません。
- 3 あいにく担当者はただ今席を外しており、こちらには居ません。
- 4 彼ほど熱心にこの問題に取り組んでいる人は、ほかに居ません。
- 5 公園を探し回ったけれど、逃げた猫はどこにも居ませんでした。
「居ません」の意味と使い方のポイント
「居ません」は、動詞「居る(いる)」の丁寧な否定形で、人や動物などの生き物がその場にいない、または存在しないことを表します。「今は誰も居ません」「そんな人はどこにも居ません」のように、在席・在宅の有無から、比喩的な「そういう人物は存在しない」という言い方まで、幅広く使える表現です。日常でもビジネスでも登場しますが、書くときには漢字表記か仮名表記かで方針が分かれる点に注意が必要です。
- 対象は基本的に人や動物などの生き物(物が無い場合は「ありません」)
- 在席・在宅していないことにも、存在しないことにも使える
- 公用文や新聞などの書き言葉では「いません」と仮名書きが好まれる傾向
- 社外向けに自分側を述べるときは「おりません」に言い換えると丁寧
- 相手側を敬うときは「いらっしゃいません」などを用いる
「居ません」に関連する存在・敬語表現の整理
「居ません」を理解するうえで役立つのが、存在を表す言葉と、その敬語のバリエーションを並べて見ることです。日本語では、対象が生き物か物かによって使う動詞が変わり、さらに相手を立てるか自分をへりくだるかで語形が変化します。代表的な形を表で整理しておくと、場面に応じて選びやすくなります。
| 表現 | 種類 | 主な使い方 |
|---|---|---|
| 居ません/いません | 丁寧の否定 | 生き物がその場にいない・存在しないことを丁寧に述べる |
| いない | 普通の否定 | 会話や親しい間柄でのくだけた言い方 |
| ありません | 物・事柄の否定 | 物や事柄が無いことを述べる(生き物には使わない) |
| おりません | 謙譲 | 自分側の人がいないことを、へりくだって述べる |
| いらっしゃいません | 尊敬 | 相手側の人がいないことを、敬って述べる |
このように、「居ません」は中立的で使いやすい一方、相手や場面によっては「おりません」「いらっしゃいません」に置き換えたほうが自然になることがあります。誰について、誰に向かって述べているのかを意識すると、選び分けに迷いにくくなります。
漢字で書くか仮名で書くか——表記の考え方
「居ません」を巡って最もよく話題になるのが、漢字の「居ません」と平仮名の「いません」のどちらで書くべきかという点です。「居」は常用漢字で「いる」という訓読みも認められているため、漢字で書くこと自体が誤りというわけではありません。ただし、公用文や多くの新聞・出版のルールでは、補助的に使われる動詞や、単独の「いる」を仮名で書く方針がとられることが多く、実務では「いません」と書く例が目立つとされています。
- 文章全体の表記ルール(社内規定・媒体のスタイル)にまず合わせる
- 公用文・報道系の書き方では「いません」と仮名書きが選ばれやすい
- 「本を読んでいる」のような補助動詞の「いる」は特に仮名書きが基本とされる
- 「居間」「同居」など熟語の中の「居」は漢字のまま使う
- 一つの文書内で「居ません」と「いません」を混在させないよう統一する
結局のところ、どちらか一方だけが正解というより、書き手や媒体の方針に沿って表記を統一することが大切だと言えます。迷ったときは仮名書きの「いません」を選んでおくと、多くの場面で無難に収まりやすいでしょう。読み手にとって読みやすく、文書全体で表記がそろっていることが、何より優先されるべきポイントです。
よくある質問(FAQ)
「居ません」は何と読みますか?
「いません」と読みます。動詞「居る(いる)」の丁寧な否定形で、「い」+「ません」という読みになります。「きょません」などと読むことはありません。読み方自体は難しくありませんが、漢字で書かれていると一瞬迷う方もいるようです。
「居ません」と「いません」はどちらで書くのが正しいですか?
どちらも間違いではありません。「居」は常用漢字で「いる」という訓読みも認められています。ただし公用文や新聞などでは、単独の動詞「いる」やその否定「いません」を平仮名で書く方針がとられることが多く、実務では「いません」と仮名書きにするのが無難とされています。文章全体の表記ルールに合わせて選ぶとよいでしょう。
「居ません」と「ありません」はどう使い分けますか?
おおまかには、人や動物などの生き物がいないことは「居ません(いません)」、物や事柄が無いことは「ありません」で表します。たとえば「部屋に人は居ません」「机の上に本はありません」のように使い分けます。生き物か物かで存在を表す動詞が変わるのが日本語の特徴で、否定形もこの区別に対応しています。
ビジネスでは「居ません」をそのまま使ってよいですか?
社外の相手に自分側の人間について述べる場合は、「居ません」よりも謙譲表現の「おりません」を使うのが一般的とされています。たとえば「○○は席を外しております」「ただ今おりません」と言い換えると、より丁寧な印象になります。「居ません」は事実を述べる中立的な表現なので、社内のやり取りや一般的な会話では問題なく使えます。
「居ません」の敬語表現にはどんなものがありますか?
自分側をへりくだって言う場合は謙譲語の「おりません」、相手側の人がいないことを敬って言う場合は「いらっしゃいません」「おられません」などが用いられます。「おられません」は地域や人によって好みが分かれるとも言われるため、迷う場合は「いらっしゃいません」を選ぶと無難とされています。