していませんとは?していませんの意味
「していない」の丁寧な否定表現。動作や状態が行われていない、あるいは実現していないことを丁寧に述べる。
していませんの説明
「していません」は、動詞「する」の連用形「し」に接続助詞「て」、存在動詞「いる」の丁寧否定形「いません」が結合した表現。「していない」を丁寧体にしたもので、否定の意味を相手に配慮しながら伝える役割を持つ。ビジネスシーンではさらに改まった「しておりません」も用いられるが、日常の丁寧な会話では「していません」が標準的とされる。口語では「してません」と縮約されることも多い。
丁寧さの度合いにより「しない→しません→していません→しておりません」と序列があり、相手や場面に応じた選択が求められる。
していませんの由来・語源
「していません」は、サ変動詞「する」の連用形「し」に接続助詞「て」が付き、そこに補助動詞「いる」の丁寧否定形「いません」が続いた形。「する+て+いる+ます+ない→する+て+い+ません」という過程を経て成立した。元をたどれば「為す(す)」が「する」に変化し、中世以降の日本語で「〜て居る」の形が動作の進行や状態を表す補助動詞として定着した流れにある。
日本語学習者にとっては「〜ていない」と「〜てない」のスタイル差や、否定の丁寧表現の選択が習得の難所の一つとされる。
していませんの豆知識
「していません」は口語ではしばしば「してません」と短縮される。関西方言では「してへん」が対応するくだけた表現として使われる。また、「まだしていません」と「まだしておりません」では、後者のほうがより改まった印象を与えるため、取引先への報告や公式な場面では「しておりません」が好まれる傾向がある。
していませんのエピソード・逸話
近年のビジネスマナーに関する調査では、60代以上の世代は「しておりません」を正しいビジネス表現と見なす傾向が強い一方、20〜30代では「していません」でも十分丁寧と捉える層が増えているとされる。世代間の感覚差が現れている例といえる。
していませんの言葉の成り立ち
日本語学における「丁寧度の階層」の観点では、否定表現は「しない」(普通体)→「しません」(丁寧体)→「していません」(進行・状態の丁寧否定)→「しておりません」(謙譲的丁寧否定)という四層構造で捉えられる。「していません」は単なる否定ではなく、動作の「未完了」や「状態が継続していない」ことを含意できる点で「しません」とは機能的に異なる。また、否定辞「ない」と丁寧辞「ます」の共起制約や、テンス・アスペクトとの関わりも日本語教育の分野で研究が進められている。
していませんの例文
- 1 申し訳ございませんが、その件についてはまだ確認していません。
- 2 私はその映画をまだ一度も見ていません。
- 3 企画書の最終チェックが終わっていません。
- 4 彼は今日の会議に参加していませんでした。
- 5 ご質問の商品は現在取り扱っていません。
「していません」の文法構造
「していません」は複数の文法要素から成り立っています。分解すると「し」(サ変動詞「する」の連用形)+「て」(接続助詞)+「い」(補助動詞「いる」の語幹)+「ません」(丁寧の助動詞「ます」の否定形)という構造になります。「している」の否定形である「していない」を丁寧体にした形であり、進行・継続・状態の否定を丁寧に表現します。
| 構成要素 | 元の形 | 働き |
|---|---|---|
| し | する | サ変動詞の連用形 |
| て | て | 接続助詞(動作の継続・状態を表す) |
| い | いる | 補助動詞「いる」の語幹 |
| ません | ます+ない | 丁寧の助動詞「ます」の否定形 |
このように複合的な構造を持つため、「していません」は単純な否定(〜しない/しません)とは異なり、動作の途中経過や状態が継続していないことまで含意できる表現となっています。
ビジネスシーンでの使い分け
ビジネスの場面では、相手や状況に応じて否定表現の丁寧さを変えることが求められます。以下の表は、主なシーン別の適切な表現の目安です。
| シーン | 推奨表現 | 避けたほうがよい表現 |
|---|---|---|
| 社内の上司への報告 | していません/しておりません | してない |
| 取引先・顧客への回答 | しておりません | していません(やや軽い) |
| メールでの回答 | しておりません | してません/してない |
| 社内の同僚との会話 | していません/してない | しておりません(硬すぎる) |
| 電話応対 | しておりません | してない |
「しておりません」の「おる」は「いる」の謙譲語であり、相手に対してへりくだった姿勢を示すため、外部の人物とのやり取りではより安全な選択とされる。ただし、「していません」も決して失礼な表現ではなく、社内のフォーマルな会話では問題なく使える。
類義表現・言い換え表現
「していません」には複数の類義表現があり、丁寧さやニュアンスによって使い分けが可能です。
- 「しておりません」:最も丁寧。謙譲語「おる」を含み、取引先や公式文書に適する。
- 「いたしておりません」:さらに丁寧。謙譲語「いたす」と「おる」を重ねた形で、非常に改まった場面で用いられる。
- 「されていません」:尊敬の受身形。相手の動作について言及する場合に使う。
- 「しない」:普通体。家族や親しい友人との会話で用いられる。
- 「しません」:丁寧体だが進行・状態の否定ではなく単純否定になる。
適切な表現を選ぶ際の目安として、相手との関係性(社内外・目上か同輩か)、伝達手段(口頭か文書か)、場の改まり度(公式か日常か)の三軸で判断するとよいとされる。この三軸すべてが「改まった」側に寄るほど、「しておりません」や「いたしておりません」が選択される傾向にある。
よくある質問(FAQ)
「していません」と「しておりません」の違いは?
「しておりません」は「していません」よりも改まった丁寧表現です。「おる」は「いる」の謙譲語にあたり、へりくだった姿勢を示すため、取引先や目上の人に対する正式な場面では「しておりません」が適切とされます。一方「していません」も十分丁寧であり、社内の同僚ややや改まった日常会話では自然に使われます。
「してない」は正しい日本語ですか?
「してない」は「していない」の口語的な縮約形で、日常会話では広く使われています。文法上は誤りではありませんが、話し言葉のくだけた表現であり、改まった場面や書き言葉では「していない」または「していません」を用いるのが適切です。
「していません」の過去形は?
「していません」の過去形は「していませんでした」です。例:「昨日の時点では、まだ確認していませんでした。」なお、より改まった形では「しておりませんでした」となります。
「していません」は敬語として正しいですか?
「していません」は丁寧語(です・ます体)の否定形であり、敬語として正しい表現です。ただし尊敬語や謙譲語ではありません。目上の相手に対する行為について言及する場合は、「されておりません」(尊敬)や「いたしておりません」(謙譲)など、状況に応じたより適切な敬語表現を選ぶことが望ましいとされます。
「まだしていません」と「まだしません」の違いは?
「まだしていません」は動作が未完了であることを表し、「まだしません」は動作を行う意志がないことや、今後もしないことを表します。例えば「宿題をまだしていません」はやろうと思っているが終わっていない状態、「宿題はまだしません」はやるつもりがない(または後回しにする)状態を意味します。